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妖精族に転生した元男の私は勇者達からスキルを回収する  作者:
1章 ポンコツ気味の女神からの信託と勇者一行
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脱走

今回は少し残酷な描写があります

 「牢屋?」

 

 私は目の前にある少し錆びた鉄格子を軽く揺らしてみた。


「…大した強度では無さそうだな…よしさっさと壊し…」

 

 すると近くから3人分の足音が聞こえて来た。


 そして私が捕まっている牢屋の前で止まると男の一人が気持ち悪い笑いをしながら口を開く。


  「へへっ。まだガキだが、なかなかの上玉捕まえて来たんじゃないか。」


「運が良かったんですよ。」


「サラダさん、このガキいつ位に売り飛ばすんですか?直ぐ売り飛ばすんじじゃなきゃ俺に…」


「ちょっと待て、お頭がくる前に手を出すのは不味いからそれまでの辛抱だ。」


「…おじちゃんだあれ?」


私は話しかけるタイミングを計って聞いてみた。


男らは私を脅かそうと低い声で脅すように話す。


「俺達はな、お前に怖い事をするために捕まえたコワーイ大人だよぉ。」


 別に今殴り殺しても良かったが、ここは敢えて脅しに屈して見せた。


「ふえぇえん!おかあさんたすけてよ!」


 私は嘘泣きをして、本当に怖がっているように見せかけると男達は満足そうな表情を浮かべて、元来た方へ歩き出した。


「これからもっともっと怖い事が起きるからせいぜい怯えていな。」


そんなセリフを言うと男達は来た方向に戻って行く。


「…行ったか。さてと、さっさとこの鉄格子を壊してっと。」


ミシッ、ミシッ、パキッ


 私は出来る限り音を立てないように鉄格子を壊すと、牢屋の外へ出て自分に“認識阻害„の魔法を掛け、壊した鉄格子の残骸を武器の代わりに持って、男達が戻って行った方に向かった。


「…いた……」


 男達がいた所は談話室のようで、そこではカードゲームをしながら3人の男達が酒か何かを飲んでいた。


 「……こういう奴らが1番気にくわないのよね。

 天罰を与えてあげましょう。」


 私は持っていた残骸を錬金術を使って剣のような形にした。

とは言っても強度も切れ味も酷い剣だが、使い捨ての物だから気にはしない。


 そして私は近くにいた男の一人の後ろに気づかれないように後ろを取ると、心臓辺りを刺した。


 「がっっ……」


 男は血を傷口と口から沢山流して、バタリと倒れた。


 突然の襲撃に驚いてはいるものの、私の正体にはすぐに気づいたようだ。


 「…ってお前は牢屋にいたガキ!」


 「正解だよ。そして正解した君には…これをあげよう。」


 そう言って私は剣をさっき脅してきた男の一人に剣を投げた。


 剣は音速とまではいかないがグルグルと周りながら、そこいらの人間には到底避けられない速度で真っ直ぐに飛び男に当たった。


 「う…」


 投げた剣は男の頭を引き裂いただけではなく、貫通して壁に当たった。


 男にとって救いだったのは、すぐに意識を離して死ねた事位だろう。


 「ひぃぅぅ!ば、ば、ばけものだ!」


 最後に残ったヒョロヒョロの男は仲間が目の前で殺された事に物凄く動揺していた。


 おそらく何時もは狩る側で、狩られる側にはなった事が無かったんだろう。


 「心外だねぇ……私は多分化け物ではない!」


 そう言うと私は、投げた剣を回収して男の首を無理やりかき切った。


 男の死体からは血がどくどくと流れ出し、地面を赤く染めた。


 「…さてと、こいつらに奪われた荷物を回収して逃げるとしますか。」


 私が奪われた荷物はあっさりと、男達がいた談話室のような所の引き出しに無造作に入れられていた。


 幸いにも中身は空っぽだと思われたのか、何も盗まれてはいなかった。


 「…全く、人の荷物を何だと…でもこいつら人拐いだから、そんな事を言っても意味が無いか。」


 愚痴を言いながら私は近くの窓を割って逃げ出した。


 ふと、空を見て見るともう夕方になっていた。


 「…私どれだけ寝ていたんだ?」


 そんな事を呟くと急いで監禁場所から離れた。


 今回はちょっと油断し過ぎたかな?









錬金術についての補足


錬金術は錬成で、物の形を変えたり、複数の物をあわせて違う物を作る事ができる


ちなみに錬成はある程度の素養があればできる

そして錬成した回数により、速さ、質、が上がる。

さらに馴れている人は補助道具 (錬金机)が無くても錬成ができるようになる人もいる

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