赤城姉さんは疲れている
やはりいきなり説教を受けた。
「くぅ〜、霜宮先生のゲンコツは聞くな」
そう言ったのは峰山だ。峰山は霜宮先生に怒られているのに慣れている。
まあ、今ので察しているとは思うが先生は野球部の顧問をしている。
うちの学校の部活はかなり力が入っているせいか、大会成績がかなりいい。
文化部も実績はすごいのだ。まあ、つまるところ一芸に秀でた個性派の集まる学校だ。
まあそこで、そんな彼ら彼女らをまとめようとする生徒会なんてまともにできるはずもない。
実際問題、去年は自主参加生徒がいなく生徒会役員候補全員が辞退を申し出たそうだ。
今年は一か八かで姉さんにお願いしたところ、引き受けてくれたため先生達はあまりの嬉しさのあまりその日は宴会を開いたらしい。
「しかし、平太はかなり怒られたよな」
そう、なぜか自分は念入りに怒られた。それも生徒会役員だからと言う理由でだ。
姉さんの迷惑にならないように、姉さんの足を引っ張らないように。本当にうざい。
なんか、別に生徒会に入らなくてもいい気がしてきた。だって、この学校、先生もバカだ。
ほとんど丸投げする気でいる。なんだが心の中で愚痴ってたらもっとイライラしてきた。よし!
そう思うと平太は携帯を取り出した。そして軽くメールを打つ。
まあ、内容としては先生が俺は姐さんの足を引っ張りそうだと遠まわしに事態を進めるので生徒会役員辞退したいと思います。けれどもちゃんと手伝いはするので変わりを見つけてください。あと、少し距離を置きましょう。と言った感じに書き込んでおいた。
メールを送信して2秒後返信が返ってきた。
内容は『今どこ!?』と言ったなんかいつもの外の姉らしくもない切羽詰まったような文だった。
一応2階と3階の間の階段と言うと、『りょ』とだけ帰ってきて、2年生教室の扉が乱暴にあけられる音、そしてすごい勢いで階段を下りる音が聞こえた。何事かと視線と携帯画面から上げると、……タックルをもらった。
「へいちゃん!私を嫌いにならないで!」
タックルの勢いは強く、登り終えそうだった階段から後ろの吹き飛んでしまった。
ぶつかった子は声からして女の子だった。
そこから反射的に彼女の頭がぬな元あたりにあったのでその黒髪の頭をやさしく抱きしめて女の子が床や壁にぶつからないようにした。
危なかったなと思いながら腕の中の彼女を見る。
そして、平太の顔面は蒼白を通り越して真っ白になりそうだった。
姉なのだ、あの外では完璧と言う言葉以外に合わない彼女がこんなところで弱みを見せてしまっている。なによりこういう切羽詰まっている時の姉は大抵―――――――
「うう、へいちゃん。嫌いになちゃっちゃいや~。ねえねを一人にしないでー」
―――――幼児進行するのだ。
しかし、学校でこの状況はまずい。
それに鳴き声を聞いて少し上と下の階が騒がしくなっている。
背は腹に変えられない。姉に上着をかけて顔を見えないようにする。
そして一つ下の階の空き教室に入ろうとしたところ首元をつかまれた。
「うげっ」
「ったく、そこじゃまずい。保健室に行け!」
「あ、トモ」
そこにはあまり出席はしないが、平太の親友 朋友が立っていた。
「まあ、後で連絡よこせ。あと、ジュースの一本でもおごってくれればいいや。」
「あ、あまっ―――」
「ほら、エレベーターで降りろ」
そう言って朋友は平太たちをエレベーターに乗せると手を振っていた。
「トモ、ありがとう。」
朋友に聞こえたかはわからない。しかし、平太はそう言った。
よくよく考えればもし空き教室なんかで泣いている姉を見つけられでもしたらまずいのだ。
罪状は様々考えられる。まあ、後ろ盾がない今、この学校の希望の星を泣かせただけで、もうこの学校にはいられなくなるだろうけど。
保健室ならまだいいわけがつくれる。先ほどの事を少し要所を省けばいいのだ。
例えば、急いで階段を駆け下りていた赤城ねえさんが転んで僕につ込んできた。
その時頭がおなかに当たって、痛くないふりを使用にも溝にクリーンヒットだったので隠せなく責任を感じて泣いてくれた。と言う少し姉さんを持ち上げるような言い方をしながらも、少し横になりたいと言ったら保健室に連れて行ってくれたと言ういい方なら一緒に保健室に連れて行ってもいい。あとは保健室の篠畑先生に姉さんは泣き疲れたらと言うことで面会謝絶にしてくれるように頼めばいい。
そう思っていると、一つ下の階1階に着いた音がした。
そして目の前には篠畑先生がいた。
「平太、朋友からかくまってあげてほしいと言う連絡は受けている。こい」
そう言って連れてかれてしまった。
まあ、ちょうどよかったからいいんだけど。
そう言えばだけど僕の上着を隠せてお姫様抱っこで運んでいた姐さんはと言うと、泣き疲れたというよりは、ストレスを涙とともに一気に吐き出したようで気持ちよさそうに寝ている。
なぜか僕の上着を話してくれないけど、少し寒いのかな?と思って外を見ると、雨が降っていた。
僕は姉さんを気遣って先生にそのことを言うと、先生は姉さんを一度みると心を温めるためにももう少し上着を貸してくれと言われてしまった。
もう一時間目も始まるし、姉さんも起きそうにない。
仕方ないので授業に行くことにした。
「平太。なぜ赤城が泣いたかわかるか?」
篠畑先生にそう言われたのでよくわからないがメールを送ったらこうなったと話してメールを見せた。生徒会の件についてはなんと姐さんから相談も受けていたそうだ。
しかも、あんなバカげた作戦考えたのは篠原先生だった。
「すまん、すまん。……それで、平太。生徒会にはいけよ?」
なんか命令形だった。しかもなんか脅しはいってりゅ。
あ、なんか怖すぎて最後噛んだ。舌が痛い。心の中の自分のだけど。
しかし、それで冷静になった自分は一つ思った。というより、なぜこんなにも篠畑先生が言うのかわかった。
「……精神科の大先生としてですか?」
「わかってるじゃないか」
先生はそういうと、姉さんの体温を測るためカーテンで閉められたべットのあるところへ入って行った。
僕は自分の考えの浅さと、愚かさに思わず壁を殴りつけた。
この学校は運動に秀でたものも多いから色々と頑丈に作られている。
一応壁に洞窟掘りに使うダイナマイト1本使ってもひびが入るくらいの硬さである。
「いってー、そう言えばこの学校の壁は普通に硬いんだった」
そう言った平太は歩いて行く。そしてこの後また平太は怒られることとなった。
先ほど平太が叩いた壁にはひびが入っていたのであった。