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Third Elements Online  作者: あゆむ
1章 始まりの街
8/15

008

「なんだ?ここにはグリーンウルフとスモールラビットしか出ないはずなんだが。」


ハルトがそういうと同時に目の前の木から通常のグリーンウルフとはふたまわり以上も体格の違う個体が襲いかかってきた。


「なんだこいつは!?[アングラウド]!・・・くっ!重い!!」


さすがというべきか驚きをしつつもしっかりと[アングラウド]を使いヘイトを取り魔物がバンクに向かわないようにするハルト。


「させるかよ!![ポイズンダガー]![スラッシュ]!!」


「バンク!あまりダメージの大きな攻撃を連続でしてくれるなよ?![バッシュ]!」


立て続けにスキルを叩き込むバンクにそう言い、ヘイトを維持する必要のあるハルトは待機時間中の[アングラウド]の代わりに[バッシュ]でヘイトをあげていく。


「悪い!考えてなかった!!よっ。はっ。」


素早い動きでハルトに攻撃しつつも、尻尾などで攻撃を入れてくるサイズ違いのウルフの攻撃をなんとかかわしながらチクチクと攻撃をしていく戦術に切り替えるバンク。


「[スラスト]![アングラウド]!よしこれで安定するか?バンク、そのまま[ポイズンダガー]を定期的に使いながら通常攻撃で削ってくれ!」


あまり確率は高くないが長期戦になると感じたハルトは継続ダメージの方が効果的と判断して、一撃が高い[スラッシュ]よりもヘイトが低く、継続ダメージが入ればトータルダメージでは大差ない[ポイズンダガー]を使うように的確に指示をする。


「わかった!ハルトも危なかったら言ってくれ![ヒール]は常に準備してある!」


「あぁそうさせてもらう!だが[ヒール]は連続で使うと想像以上にヘイトがたまる!気をつけてくれよ!」


そしてハルトもバンクも最初の慌てっぷりが嘘のように落ち着き、出来ることを冷静にこなすことで安定をしてきた。


「[ヒール]![ポイズンダガー]!よし安定してきたな。」


「あぁ、このまま削りきれると良いんだが、このままで終わらせてくれるか?」


バンクは、サイズ違いのウルフのヘイトをがっちり固定する事でダメージが蓄積していくハルトを回復しつつダメージを蓄積していく。そして魔物の体力が残り3割を切ったときにそれは突然起こった。


「ワォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!」


突然魔物がハルトから距離を取って高らかに遠吠えをする。


「何が起きる?!・・・っとこのタイミングか[アングラウド]!」


魔物が遠吠えをしたと思ったら5匹のグリーンウルフがどこからともなく戦線に突入してきた。


「っち。これは中々堪えるな。体力はまだいける・・・がはっ!!」


5匹のグリーンウルフに気を取られた一瞬でサイズ違いのウルフがハルトの隙をついてその爪を盾の脇から直撃させる。そしてまともに食らったハルトの体力は一気にイエローゾーンまで持って行かれる。


「ハルト!!?くそっ[ヒール]![ヒール]![ヒール]!」


突然の出来事に焦ったバンクはハルトの体力を回復しようとしたが1割程度の回復量とそこまででわかっていたためヘイトの事などすっかり頭から抜け落ち[ヒール]を連発してしまう。


「ばかやろう!<回復魔法>の連打はヘイトが高いと言っただろう!自前で回復もできる!」


そう叫んだのはハルトだ。焦ったとはいえヘイトのことを忘れ[ヒール]を無用心に連打したバンクに叫ぶが時すでに遅し、ウルフの群れがバンクの方を向いてしまう。


「[アングラウド]!くそっ!!でかいのはダメか!バンク!そいつの攻撃は凌ぎきれ!こいつらを処理したらすぐに援護に向かう!」


「げっ!わかった!!何とか踏ん張ってみる!ってうわっ!?速いな、でかいくせにグリーンウルフより数段速いなんて反則だろう?!ハルトのやつずっとこれを凌いでたのか!!」


バンクは自業自得とはいえ、突然こちらを向いて襲いかかって来たサイズ違いのウルフの強烈な爪をかいくぐり、鋭い牙を使っての噛みつきをバックステップで避けていく。


「さすがにこうも速いと攻撃当てる暇なんてそうそう無いか、ならこれでもくらえ![ポイズンダガー]!」


爪や牙の連撃や、高速起動からの体当たりにヒヤリとしながら一瞬の隙に[ポイズンダガー]を撃ち込むバンク。継続ダメージ中は避けることに専念し、致命的な一撃だけはなんとか避け続け、戦闘を維持することには成功していた。


「[スラスト]!よし!バンク!よくやった!!こっちは終わったぞ!もう少しの辛抱だ[アングラウド]!!」


「助かる!こっちもそろそろ精神的にキツイ!」


個別戦闘が始まってゆうに10分以上が経過したころに、[アングラウド]で少しずつサイズ違いのウルフのヘイトをあげながらもグリーンウルフ5匹の相手をしていたハルトがグリーンウルフの処理を完了してサイズ違いのウルフへと攻撃を仕掛けていく。


「[スラスト][アングラウド]!よしきた!!バンク!まだ[ポイズンダガー]と通常攻撃のみで削るぞ!最後に俺の合図で全力攻撃を仕掛ける!準備はしておけ!」


バンクの地道な攻撃に加えてハルトの参戦により、サイズ違いのウルフのヘイトがハルトに戻った時には魔物の体力も残り1割を切るが、防御主体のハルトと手数で補うバンクでは、まだ一気に削りきれるほどではないため我慢の時間が続く。


「バンクもう少しだ、へばるなよ!?」


「こちとら攻撃の受けを任せっきりにしてるんだ!そう簡単にへばれるかよ!!」


そんな檄をお互いに飛ばし鼓舞しているとようやくその時が来る。


「よし、一気に畳み込むぞ![アングラウド]![バッシュ]![スラスト]!」


「了解![ポイズンダガー]![スラッシュ]!」


ハルトとバンクはこれで決めると持てる力を振り絞り、スキルのオンパレードで一気に残りの体力を削り取る。


「クォォォォォォォォォン、、、、」


二人の地道な攻撃からの総攻撃についに体力を削り切られ光の粒子となって消えていくサイズ違いのウルフ。


「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


共に初めての強大な魔物との戦闘は30分にも及び、体力、魔力共に尽きかけていたが、それに勝る興奮に2人はかちどきをあげる。


「ふぅ、一時はどうなるかと思ったがなんとかなったな。それにヒヤリとはしたがバンクとヤツとの一騎打ちは見事の一言だったな。あの時間のおかげでグリーンウルフの処理が比較的楽に出来た、感謝する。」


「いやいや、こっちこそ申し訳なかった。焦って周りが見えなくなって[ヒール]の連発なんかしてしまった。ヤツとの一騎打ちは必死だったからあんまり覚えてないし、、、ハルトはよくあんなやつの攻撃を受け続けてたな。タンカーの凄さを身を持って体感したよ。ありがとう。」


そう言って肩の力を抜く2人。


「そう言ってもらえるのが一番の報酬だな。とは言っても避けることと受けることでは難易度が違うからな。受ける方はそこに止まって相手の攻撃の軌道に盾を合わせるだけで、自分が動かないぶん捉えやすいんだ。そう考えると避け続けてかつ攻撃まで入れていたバンクは凄いぞ[見切り]様様だな。」


「そんなもんか。まぁ自分ではわからないが[見切り]がなけりゃ相手にもならなかったんだろうな。」


「まぁそれも含めてバンクの実力だ。さて、さすがにこれ以上はきついな、それに今の戦闘でバンクとの連携もお互いの実力も十分に体感ができたから目標は達成といっていいだろうし一旦街に戻るか。」


「だな。ないとは思うがまたヤツが出てきた日にはやれる自信がない。」


そんな激戦を終えた二人はそそくさと森から出て西門へと向かう、当然道中はできるだけ戦闘は避け、不可避のものは速やかに排除していった。行きとは違い時間をかけずに駆け抜けたため半分にも満たない時間で帰ってくることができた。


「ご苦労様。今日は早めの帰還だな、流して帰ってきたのか?」


日が昇りきりその高さを落とし始める頃に戻ってきたバンクを見て西門の兵士が声をかけてくる。


「いや、森の少し奥で普通のウルフよりでかいウルフと遭遇してな、討伐はできたが継続するには消耗が激しくて心許なかったから帰ってきたんだ。」


「な!?グレートグリーンウルフに会ったのか!?それに倒したのか!?」


「あいつ、グレートグリーンウルフっていうのか。ヒヤヒヤだったが何とか首の皮一枚でつなぎとめて倒しきったよ。」


「無茶をする。とは言え見つかったからにはそう簡単に逃がしてくれる相手では無いがな。まぁ無事で何よりだ、希少種から取れる良い素材も手に入っただろうし、しっかり休んで鋭気を養うんだな。」


「あれが希少種だっのか、良い経験したんだな。まぁしっかり休ませてもらうよ。」


そう言って門をくぐっていくバンクとハルトだった。


「色々と話したいこともある、ひとまず飯でも食いに行くか。」


ハルトはそう言ってバンクを誘う。


「だな、オススメの店はあるのか?」


「βの頃はそう店の数も多くなかったし利便性を考えてギルドの店にしか行ったことは無いな。」


「なら先に依頼を完了させてからにするか。」


そう言って寄り道をすることもなく、依頼の完了と酒場に向かうため冒険者ギルドに向かうバンクとハルト。


「・・・はい、確認が完了しました。報酬の2,000リグとなります。不要な素材はギルドで換金もできますのでぜひご利用下さい。」


「ありがとうございます。よし、じゃあ酒場に行きますかね。」


「うむ、こっちも完了だ。」


2人は特に問題もなく依頼を完了させてから酒場のある方に向かい、昼過ぎでほとんど人のいない酒場に席を陣取る。


「乾杯!いやぁほんとにお疲れ様だよ。交流のための狩りがあんな濃いものになるとは。」


「ほんとだな、だがこれからがお楽しみタイムだぞ?希少種の素材は強さに見合うだけのレアな物が多いからな、それにあれだけの強さだ、スキルレベルも軒並み上がってると思うぞ。俺もまだ確認してないがどっちから確認する?」


「まずはスキルからだな!」

お読みいただきありがとうございます(=゜ω゜)ノ


初のボスクラスは無事勝てました!

戦闘描写は難しい、、


そしてここからリザルトタイムです(o^^o)


文字数3,974也

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