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Third Elements Online  作者: あゆむ
1章 始まりの街
5/15

005

いきなり声をかけられたのでそちら側を見ると鎧ではなく布の服と斧を装備した女の子が立っていた。


「どうかしたのかい?迷子かい?」


「違うよ!冒険者ギルドの中で迷子にならないよ!!」


「それじゃあ、お兄さんをナンパしに来たのかい??」


「む~。あながち的外れでもない・・・かな?」


なんと、冗談で言ったつもりの発言がまさかの肯定で返ってきたことで逆にうろたえるバンク。


「ナンパと言っても狩りのご同行ですよ??勘違いはしないでくださいね♪」


まぁそうだよな、自慢ではないが顔も自称普通をうたっていて数々の飲み会でいい人の座を守り切ってきた俺だ、そんな勘違いはしないのである。・・・ちょっと期待はしたけどね?


「で、そんなナンパ師さんは俺に何か用なのかな?」


「ナンパ師・・・まぁいいです。あ、自己紹介がまだでしたね、私はネルといいます。木工師をしているのですが一人で森に入って行くよりも戦闘ができる方に同行いただいた方が効率がいいので森に向かう人を探していたのです!」


「あぁ、それでリトルバードや木の枝収集の依頼を受けていた俺に声をかけたと。」


「そういうことです!なのでご同行いただくことはできないでしょうか?」


「ん〜別にいいけど、そんな深くは入っていかないし、俺も薬草の採取を主目的にしてて結構な量を取るつもりだから時間拘束しちゃうかもしれないけどいいのかな?」


「はい!こちらも量があって困ることはないですし、こちらからお願いしていることなので時間等はそちらのご都合に合わせます!!」


「なら問題ないな、っと俺はバンク、よろしくな。」


バンクはネルと握手をしてからさっそく森に入るため西門へと向かう。


「バンクさん、バンクさん。」


「ん?どうした?」


「パーティ組みましょうよその方がお互いの位置や状況もわかりやすいですし。」


そう言われて気付くバンク、


「あ、パーティーってどうやって組むの?始めて2日目でソロでしか動いてきてないからその辺がわからないんだよね、、」


「そうでしたか、じゃあ私を見てパーティ申請って言って下さい。」


バンクは言われたままに行動する。


「パーティー申請。」


「は〜い。承諾っと。」


「お?横にネルの名前が出てきた。これがパーティを組んだってことか。」


視界の端にネルの名前と体力・魔力のバーが小さく出てきた。


「はい、こちらにもバンクさんの名前が出てきました。この方法以外にもフレンドリストから申請をすることもできますがこちらはフレンド登録をしておかないとできないので今回のような野良パーティの場合は今みたいな申請方法が一般的ですね。まぁ声には出さなくても大丈夫なのですが初めてのことでしたので声に出してわかりやすくしておきました!」


ふと遠くない記憶に忌々しい玉がちらつくが、今回のネルは善意なため感謝という形でバンクの中に収まった。


「助かるよ。フレンド登録も同じようにやればできるのか?」


「はい、申請をしたい相手を見てフレンド申請と頭でイメージすればできますよ。」


そう聞いたバンクはネルを見てフレンド申請とイメージする。


「あら?申請が来ましたが?」


「あ、ごめん、急にしたら失礼だったな。もし良かったら何かの縁だしフレンドになってもらっても良いかな?」


「ふふふ。喜んで!バンクさんって良い人ってよく言われますよね?」


「む、否定は出来ない。」


「やっぱり。ま、張り切っていきましょう!」


なぜか一発でバレてしまう、そんな良い人オーラ全開なのかな?まぁ悪い人って言われてないからいいか。

そして話しているうちに西門に到着するバンクとネル。


「こんにちは〜。」


「おぉ、今日も薬草かい?精が出るねぇ。気をつけて行くんだぞ。」


「ありがとうございます。えっと兵士さん?も頑張ってください!!」


兵士さんと簡単な挨拶を済ませて森に入る。


「次会った時は名前でも聞いてみようかな・・・」


「バンクさん、バンクさん。」


「どうした?」


「何であんなフレンドリーなんですか?!」


「ん?何かおかしいのか?昨日も森に入る前と出た後に挨拶したから今日も普通に挨拶しただけだが?対応スキル持ってないと素材が鑑定できないから、それぞれ対応した店に持って行けとか良い情報もらえて助かってるぞ。」


「そうなんですか。あんまりNPCと会話をしようとも思っていなかったので盲点でしたね。」


「そんなものか、俺は事前に調べずに始めたから情報収集からだったから必要に迫られた結果だな。よしそろそろ採取始めるぞ!」


「了解です!NPC関連は今後何か良い情報があったら教えてくださいね♪」


そう言って二人はそれぞれの目的をこなし始める。


「ふん!やらせるか、[スラッシュ]!」


「そーれ!」


バンクは薬草採取の合間に前回のように滑空してくるリトルバードにタイミングを合わせてスキルを合わせて一撃必殺をしていく。ネルは大きな斧を軽々と振るい木を切っていく、まさにキコリである。


「<木工>スキル用の木は採取ポイントなくても木を切れば取れるのか?」


「いえ、<木工>スキルを持っていれば木に採取ポイントが見えるんですよ、そこを攻撃することで木が取れるんです!」


「ほぅ、採取ポイントもスキルによって変わってくるのか。」


そんな新情報も聞きつつ採取を続ける二人。


「ふぅ、そろそろ一旦休憩するか。」


「そうですね、それにしてもバンクさんは凄いですね、あのリトルバードの滑空を返り討ちにするなんて。」


「タイミング合わせるだけだと思うけど、ネルの斧じゃ難しそうだけどな。俺のは短剣で取り回ししやすいからさ。」


「そんなものですかね?」


「そんなもんじゃないか?」


実はネルの違和感は正しく、バンクは大きな勘違いをしているのだが、それに気づくにはもう少し時間が必要になる。


「それじゃ再開しますかね。今回は薬草50個採取するつもりで、今30個は超えてるからそこまでかからないかな。リトルバード討伐の依頼はあと2匹で終わるから気にしなくてもいけるな。」


「了解です!じゃんじゃんバリバリ採りましょう!!」


そこからは前半戦と同じようにバンクは薬草を採りながらリトルバードの処理、ネルはキコリのごとく木に攻撃を仕掛けていきバンクが50個の薬草を採り終えることで終了となる。


「たくさん採れましたね〜♪満足です♪」


「それは良かった。俺も依頼も完了したし、薬草も採れたし満足だな。」


インベントリを見ながらバンクが続ける。


「そうだ、ネルは木の枝とか使うのか?」


「<木工>スキルなので使いますが?」


「んじゃ依頼分だけでいいから残りは渡すな。俺使わないし、鑑定もできないからよくわからないし。」


「いいんですか!?実は木の枝って木を切ってるだけじゃほとんど採れなくて、、それに採取系のスキルが無いので見えるポイントも少ないんですよ。採取数アップ系のスキルも今の所見つかって無いですし。。。」


採取数増えるスキル無いという発言に密かにショックを受けたバンクだった。


「まぁそんなに喜んでもらえるならこっちも渡しがいがあるな。ほら。」


「お、もうシステムは大体理解できたみたいですね。ありがとうございます!」


ネルの視界にバンクからのトレードウインドウが出てくる。


「うまくいって良かった、、、ってなんだこれ?」


渡したと思った矢先にネルから木の枝が一本返ってくる。


「受け取ってくださいね。私が持ったことで鑑定されたのでそれを一回でも受け取れば、今後木の枝は鑑定状態で採れますので!」


「おぉ、それはいい。ありがたく受け取っておくよ。」


----------

木の枝 希少値:1

その辺の木から落ちてきた枝。

----------


「いえいえ、こちらこそこんなにたくさんの木の枝ありがとうございます。」


二人ともいいことづくしの採取となり、帰りの西門では二人で門の兵士に挨拶をして生産ギルドに戻っていく。


「では私はこのまま生産室で加工に移るので失礼しますね!!今日は本当にありがとうございました。また<木工>関連とか雑談でもいいので声かけてくださいね♪」


「こちらこそ色々教えてくれてありがとな。こっちも何かあったら声かけてくれ。あ、ちなみにもうわかってはいるだろうけど俺は<調合>スキル持ちだからその辺で手伝えることは言ってくれ。」


「はい!そうします♪では!」


元気よく生産室に入っていくネルを見送りバンクも自分の生産室に入っていく。

まぁ自分のとはいったものの入り口は1つしかなく入った先が専用スペースに繋がっているだけなのだが。

そんなバンクの目に飛び込んできたものは、、、


「ほんとに最初の位置と全く変わらないんだな。」


置いてあるじっけ・・・調合道具を見てそうつぶやいてしまうバンクだった。


「さて、前回はいきなり複数個やって失敗したからな、<調合>のレベルが5になるぐらいまではとことん一個ずつ作りますか。根気と修練が一番の近道だな!」


そう気合を入れ直したバンクはとにかく丁寧に作業を行い失敗数を減らすように心がけて50個分の初級ポーションの生産に取り掛かるのであった。


ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ。


「ふぅ、ようやく半分か丁寧にやりすぎて思ったより時間がかかったな。でも失敗が3個しか出て無いのはいいことだ、そもそも失敗もフラスコに移すときに水をこぼしたのと、ふと疑問に思ってどうなるのかと薬草をそのままフラスコに入れて水入れたやつだけだしな。」


そのときにできたものがこれだ。


----------

汚れた水 希少値:1

異物が混入した水。飲むこともできない。

----------


「このゲーム初期のアイテムとか失敗したアイテムの説明がどことなく酷い気がするのは気のせいなのかな。いいアイテムになってくるとそれなりに改善されるのを期待しよう。でも<調合>もレベル4まであがったから目標値までもう少しだな。」


少し休憩を挟んでからバンクは再度生産に取り掛かり薬草も残り10個となった。


「お、<調合>のレベルがあがってる。」


バンク

<短剣Lv5><軽鎧Lv3>

<眼力Lv4><回復魔法Lv2>

<調合Lv5>


「よし、それじゃ目標値に達したし少し多めにして作ってみますか。」


そう言ってバンクは残りの10個は2個ずつのセットに分けて作業を行っていく。


「よし、問題なく成功したな。すり潰すときの疲労が少し大きいけどそれも最初の薬草1個に比べれば軽いもんだよな。レベル様様!よし、じゃあ納品に行くかね。」


そう言って失敗作も全てインベントリに入れて受付にむかう。


「初級ポーションの納品をお願いします。」


「かしこまりました。では確認しますね。・・・・はい、品質にも問題ありません。ありがとうございます。報酬は500リグですね。また、バンクさんは10級の納品依頼を2回達成しましたので露店設置許可証を1枚無料で発行できますがいかがなさいますか。」


自分が作った生産品を露店に並べるためのチュートリアルみたいなものか?1日目から露店があれだけ出ていた理由がようやくわかったバンクであった。


「それは有効期限のようなものはありますか?あともし無くなったりした時は次回以降はどのように入手ができるのでしょうか。」


「有効期限は特に設けられておりません。また、2枚目以降は種類はありますが1日券5,000リグからで、こちらの生産者ギルドで販売しておりますのでお申し付けください。」


5,000リグってたかっ。自分で安定して露店持つのは時間がかかりそうだな。


「じゃあいただきます。」


「はい、かしこまりました。では合わせて露店設置許可証及び露店のご説明をさせていただきますね。この露店設置許可証は先ほど申し上げた通り1日券が5,000リグとなりますが、1週間券が30,000リグ、1ヶ月券が100,000リグとなります。そしてこの期間内であれば設置可能場所であればどこでも何回でも使用が可能となります。ただ無料で発行させていただく最初の許可証は1回限りの利用になりますのでご注意ください。あとは、露店に並べることができる生産品の種類ですがギルド証に登録をされているスキルに対応した物しか選択できないようになっていますので、複数出される際は登録をお願いします。以上となりますがご質問はありますか?」


「いえ、大丈夫です。」


「ではこちらが露店設置許可証となります。」


----------

露店設置許可証 貴重品

露店を設置するための許可証。体験用なので1回限り有効。

----------


「ありがとうございます。さっそく試しに出してみますね。」


そう言ってギルドを後にするが、時間を見て今日この時間から1回限りとなるとまとまった時間が確保できないと思ったので明日一番で露店を出すことを決めてログアウトをするバンクであった。


お読み頂きありがとうございます(=゜ω゜)ノ


初めての登場は木工師のネルでした。

今後の登場に期待ですねo(^▽^)o


文字数5,199也

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