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Third Elements Online  作者: あゆむ
1章 始まりの街
3/15

003

冒険者ギルドでギルド証を作成して依頼を受け後にしたバンクが次に向かったのは、


「こんにちは〜。」


「はい、こんにちは。こちらは生産者ギルドとなります。どのようなご用件でしょうか。」


そう、ここはエプロンのエンブレムを掲げている生産者ギルドである。

調合の生産スキルを持っているバンクはこちらも先に登録をしてしまおうと考えて、冒険者ギルドを出たがすぐ戻って場所を聞いてきたのである。


「こちらでギルドの登録を行いたいのですがいいでしょうか。」


「はい、ではこちらに記入をお願いします。複数の生産スキルをお持ちの場合は書いても書かなくても大丈夫です。

ただ露店を持つときや自分のお店を出すときには登録したスキルをメインにしたものしか取り扱えないためご注意ください。

なお、生産室を借りる際はスキルを所持していればお貸出しは可能ですのでご自分で使うのみということであれば一つでも書いてあれば問題ありません。」


渡された用紙には名前と生産の種類という欄があったが今は調合しかないため特に気にすることもなく提出をする。


「バンクさんですね、既にギルド証をお持ちのようですのでそちらをつけた手をこの水晶にかざしてください。・・・・はい、登録が完了です。

依頼の受け方は冒険者ギルドと同じで後ろの掲示板にギルド証を掲げて受注、完了時にはこちらの受付にという流れになります。

また、冒険者ギルドにはない機能として先ほど少しお話しした生産室のレンタルがあります。

受付に申し出ていただければ対応したスキルの生産室を有料で利用することができます。

ランクによって生産設備もいいものが使えますので頑張ってくださいね。」



バンク

冒険者ギルド10級:遊撃

生産者ギルド10級:調合

スモールラビットの討伐(0/10)

サンドワームの討伐(0/10)

初級ポーションの納品(0/10)



生産者ギルドでも依頼を受けてきたためギルド証にはクエストが3つ表示されている。


「さて街を巡ると決めていたがせっかく受けた依頼をこなしてみるかね。」


1日も冒険という甘い誘惑を耐えきる忍耐もなく開始数時間で方針転換をするバンクであった。


「まずはウサギとワームがでる南の草原に行ってみるか。」


ギルド証に記載されているクエストを注視したところ大まかな出現位置が記載されておりそれによると2種類の魔物は共に南の草原に出現するらしい。


アリシアは街とは言っても城下町で北には城に続く道がありフィールドは無い、西には森が、東は門がしまっており出られない。

この先何かができることを楽しみにしておこう。

冒険者ギルドや生産者ギルドはアリシアの中央部にあり主要な店も中央部に揃っているらしい。

南には露店街があり既に露店を開いて商売をしている生産者がいるがもう露店ってβ組が多いのかな?

西や東には民家や空き家が多く居住区やいずれは店舗を持つプレイヤーが出てくるのかもしれない。


さすがにサービス開始初日ではそんな猛者はいないが、、、


「いずれは俺も自分の店なんかを持つ日が来るのかねぇ。」


とそんな先の長いことを考えていると南門が見えてきた。


「冒険者の人かい?」


門の端に立っている鎧と槍を持ったまさに兵士といった格好をしている人だ。


「はい、今から南の草原に狩りに出ようと思っています。」


「そうか、最近は南に出る人が多くてこっちも間引きをしなくていいから助かるよ。ただ希少種には気を付けるんだぞ。」


「希少種、、、ですか?」


「なんだ希少種のことを知らないのか、各エリアに出てくる魔物には希少種という上位の魔物が発生することがあるんだが、通常種よりもレベルが高く手を出して死んでしまう冒険者が多いんだよ。

倒せれば経験値もアイテムもいいものが出やすいんだけどな。」


レアMOBってやつか、最初は見たら即逃げだな。


「わかりました、丁寧にありがとうございます。」


門の兵士さんと話をしてから南に出るとスモールラビットとサンドワームが見える。

スモールラビットもサンドワームもノンアクティブらしく何もしてこない。


「じゃあ早速動かないワームからいくかな。[スラッシュ]!」


「シャギィィィ!」


「一発では死なないか!どらぁ!!」


「ギィィィィィ」


戦術もくそもないただがむしゃらに短剣で切り付けること数発でサンドワームは光の粒子となりバンクの初戦闘は終了した。


「案外弱くないんだな。レベルはどうなってるんだろ。」


バンク

<短剣Lv2><軽鎧Lv1>

<眼力Lv1><回復魔法Lv1>

<調合Lv1>


「お、<短剣>が上がってるな。<軽鎧>はもう少しダメージ受けないとダメだろうな。

<回復魔法>も使うしかないんだろうけど<眼力>ってどうやってあがるんだろ。

う~ん、まぁ意識して何か見てればあがるのかな。」


ステータス画面を閉じて思案をやめ次はスモールラビットの方へ向かうバンク。


「次はウサギだ[スラッシュ]、もういっちょ[スラッシュ]。」


「キュアァァァァ!」


何か目を血走らせて素早くなったウサギことスモールラビットが怒涛の攻撃をしてくる。


「なんだこいつ、っ速いな、おらっ!・・・ふぅ体力だいぶ減ったな。[ヒール]!」


辛くもスモールラビットを光の粒子へと帰らせたバンクは自分の体力がイエローゾーンに突入していたため<回復魔法>の初期魔法である[ヒール]を使って回復を行う。


【TEO】では体力も魔力もステータスも数値としては見れないが体力と魔力に限りバーがあり残量だけは見ることができる。

そしてともに3割を切るとバーが黄色に、1割を切ると赤くなるようになっている。

自然回復もするが、アイテムや宿で休むことで急速に回復させられるのだ。


「[ヒール]一回で体力は3割回復、魔力を2割消費ってところか。

最初はこんなもんか、レベルアップやスキルを覚えれば変わってくるかな。

っとレベルも上がったな。・・・<眼力>はなぜ?」


バンク

<短剣Lv3><軽鎧Lv2>

<眼力Lv2><回復魔法Lv1>

<調合Lv1>



レベルアップの理由もはっきりしないが考えても仕方がないので依頼をこなしていくバンクであった。



バンク

冒険者ギルド10級:遊撃

生産者ギルド10級:調合

スモールラビット討伐(10/10)

サンドワーム討伐(10/10)

初級ポーション納品(0/10)



「よし、これで依頼達成だな。いったんギルドに報告に行くかな。」


ここまで散々倒したにも関わらず魔物は我関さずと来た道を南門の方へ戻っていくバンクを素通りする。


「お、もう帰りかい?」


「はい、ギルドの依頼を達成したので報告に行ってきます。希少種には会えなかったですけどね。」


「それはご苦労さん、まだまだひよっこのうちは会えない方が幸せってことだ。狩りをしてればいつかは会えるだろう。」


「そうですね、まずは依頼こなしながらレベルあげていきます。では。」


そんなとりとめのない会話を終えてギルドへ戻っていく。

道中もサービス初日ということもあり開始時からは少しずつ人が増えてきてるようで賑わっている。


「こんにちは~。」


「はい、こんにちは。こちらは冒険者ギルドとなりますが、どのようなご用件でしょうか。」


先ほどとは違う人が受付のようだ。


「依頼を達成したので報告に来ました。」


「依頼の達成報告ですね。ではこちらにギルド証のついた手をかざしてください。・・・はい、問題ないようですので2件分で報酬の2000リグとなります。魔物の素材をこちらで換金することもできますが、どうなさいますか?」


ん?素材?そういえばレベルアップに気を取られすぎて素材の確認をしてなかったな。


「すいません、素材の確認を忘れていたので今は大丈夫です。」


「かしこまりました。後からでも換金できますので御用があればお申し付けください。」


「ありがとうございます。」


丁寧にお礼をして、一度受付を後にしてインベントリを確認する。


----------

小兎の皮 希少値:1

スモールラビットから取れる皮。小さく使い道はさほど多く無い。

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小兎の尾 希少値:1

スモールラビットから取れる小さく丸い尾。可愛い。

----------

砂 希少値:1

サンドワームの体内にある砂。そこらへんの砂と変わらない。

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「皮と尾はわかるが砂って何だよ、、他になんかなかったのか運営さんよ!まぁ最初のエリアのモンスターなんてこんなものか。特に使い道も無いがこれだけのために換金に行くのもなんだし後でいいか。」


「さてと、それじゃあ狩りもしたし夜まで数時間、街巡り再開しますかね!」


その後のバンクは武具店、防具店、道具店、雑貨店、貴金属店、魔法店、飲食店など中央部にある店を巡りどこに何があるのかを確認しながら、店員さんと一言二言の会話をしては買い物も特にせずログアウト前までお店というお店を巡りまくった。


「ふあぁぁぁ!これだけ回って声かけても特に何も無いんだなぁ。個々にもクエストがって言ってたから意外とあるもんだと思ってたのにな、今日はこんなもんにするか。明日は生産にも挑戦してみたいな。」


そう言ってバンクの初日は翌日の予定に胸を膨らませながら道の傍らでログアウトをすることで終わるのだった。


お読み頂きありがとうございます(=゜ω゜)ノ


書きながら失敗に気づいていく、、、日々成長です。


文字数3,662也

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