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恋はするものではなく落ちるものだ

作者: 葉月初

ホショウハイッサイイタシマセン。

恋はするものではなく、落ちるものだ。と誰かが言ったが、正にそうだとオレは思う。

最初はお化けみたいに暗くて、無愛想で無口な彼女にはとっつきにくい印象があってどうしていいのかわからず、なるべく関わりのないように、関わらないようにしていた。

でもある日、不運なことに席替えで彼女と隣の席になってしまった。しばらくは席替えはないし、快適に過ごすには彼女と少しでも仲良くした方がいいと思ったオレは思いきって彼女に、声をかけてみることにした。

「えっと...あの...星野さん?しばらく隣よろしく」

「.....」

彼女は喋らないもののコクリと頷いてくれた。

邪険にするつもりはないらしい。

せっかく、隣の席になったのだから、謎の多い彼女のことをオレは観察してみることにした。

1時間目の国語の時間、流石読書家なだけあって、オレ達がお通夜状態になっている古典の質問をスラスラ答えている。テストも満点だったようだ。

2校時目の体育は男女別なため不明。

3校時目の英語、これもまた得意なようで、先生の無茶ぶりにも小説の引用をして答えている。英語で。彼女はなかなか優秀な人みたいだ。なんで今まで気づかなかったのか。あ..俺授業中寝てるかサボってるかの二択だった。そりゃ知らねーわ。

4校時目の数学、ここに来てやっと彼女の弱点を発見、図形が苦手なようだ。絵も下手くそだった。でも線を引いて図形を見つけてあっという間に解いてしまった。弱点は弱点でも致命的な弱点ではないようだ。おっとチャイムが鳴ったらご飯ご飯。

昼休み彼女はぼっち飯を堪能しているようだ。メンタルはなかなか強いみたいだ。

「おい、雪島。お前さっきから星野ガン見してっけど、どうした。」

「いや、ぼっち飯さみしくないのかなって....」

「授業中もガン見してなかったか?」

お前こそオレのことよく見ているなホモか、あっ...(察し)すいません僕が悪かったので、近づかないでください。

「あぁ、頭いいんだなーって」

「お前授業中、いつもふざけてるもんな。」

「うるせー」

気を取り直して5時間目、オレは眠い猛烈に眠い。しかしここで寝るわけにはいかない。科学めんどくせー濃度とかぶっちゃけどうでもいい。ATPとか知ったこっちゃない。彼女は相変わらず真面目にノートをとり、質問に答えている。教師受けはよいようだ。生徒の方からはあんまりだけど。

6校時目、音楽の歌のテスト。課題曲は荒城の月。40人歌うのは無理じゃないかって、できるよ。うちは7校時あるからね。ぶっ続けで歌うのさ。やばいよね。これは個室で1人1人歌うから不明。

彼女が成績優秀な優等生だ。という事実以外よくわからなかった。

放課後、 あーつまらないと思いながら歩いていると、誰かの笑い声が聞こえた。その声をたどっていくと猫と戯れ楽しそうに笑う彼女がいた。その姿を見た瞬間、ストン。という音がして、彼女を見ると心臓がドキドキじゃなくてバクバクと今にも破裂しそうなくらいうるさくなり、息が上がって顔が熱くなった。オレは直感的にこれは恋だと思った。彼女はオレに気がついたようで、こちらに向かって歩いてくる。どうしよう。ついさっきまで好きでもなんでもなかったのに、これだから恋という奴は.....

漢なら、玉砕覚悟で行くぜ!!

「星野さん!!好きです!付き合って下さい!!」

ありがとうございました


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