赤き獅子、 戦場に翔る。
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アルフレッドは1人きりで、赤の国の南部にある湾岸都市セヴァールポートへ向かう間道を駆けていた。
赤の国の王都を包囲していた紫の中央方面軍を撃破した彼は、本来ならば王宮にて王族から歓待を受けていておかしくない戦果を齎したのだが、彼はすぐに王都から姿を消した。
彼は、世界から産み出された英雄。
故に、彼は次に自分がすべき事、しなければならない事を、誰から言われるでもなく考える事でもなく、ふとした瞬間に知り、事象を理解して、行動に移せる…いや移さなくてはならないのだ。
彼は理解していた。
王都で赤の国王から歓待を受け入れれば、この誘いに捕まえられては、セヴァールポートは落とされてこの国は滅ぼされてしまうと。
つまりそれは、自分の役割がなくなってしまい自分の存在の意味がなくなる事を、…誰から教えられる事なく理解していたのだ。
撃破した紫の軍が、ほうほうの体ながら元赤の国の要所であるオレリア城塞まで撤退した事で、アルフレッドの第6感に似た何かが告げたのだ。
【敵の狙いはセヴァールポートである】
アルフレッドは間道を駆けながら思考する。
王都からセヴァールポートまで通常ならば馬車を用いて3週間かかる。
現在、自分は単騎で休みなく疾走し、脇道のような間道を用いているのだが、多分それでも1週間はかかるだろう。
出来ればあと2~3日は短縮したい。
今自分が駆け抜けている、この間道は戦時において各地に送る伝令用に整備された間道であり、普通の街道よりも馬が走り易いように舗装もされている。
何故、南部においても貿易においても重要な拠点たるセヴァールポートが、王都まで街道を用いて3週間かかるのか。
それは、巨大な樹海を迂回するからである。
そこではよく濃霧が発生する上、磁場がアチコチにあり、また霧と生い茂る大樹たちよって日の光、月明かりを阻まれ方角はおろか、時間感覚さえも麻痺させられてしまう。
この樹海を調査するために幾度となく調査隊、調査団が結成されたが、誰も帰っては来なかった。
現存する魔境、これが迂回する理由だ。
アルフレッドは自分に与えられてある全ての情報と知識を改めて精査し、計算を弾き出していく。
最大で最短の効率化。
これは智略ではない。
世界から産み出された英雄のみが与えられた力であり、呪縛。
蛇足を赦さず、寄り道を除却し、最大で最短の効率を見つけ出すための、思考。
可能性という希望値を限り無く皆無に【やるかやらないか】ではなく、完璧なまでに【出来るか出来ないか】を導き出していく。
自分の力を過信することなく、懐疑することなく、ありのままを見つめて…。
人の身でありながら、人ならざる思考を彼は下していく。
「…樹海を越える…最速の一手…」
直立した絶対の思考が答を導き出す。
アルフレッドは今まで乗っていた駿馬から、自身の武具をまとめた鞄を外して自分の体に結びつけ、ここまで無理をさせた駿馬を一度撫でてやってから飛び降りて自分の脚で駆け出す。
「恩に着る。このまま次の駅場に向かってくれ!」
とだけ声を掛けて、アルフレッドは駿馬の背横を叩いて手綱を離してやり、自分は眼前に広がる無限のような樹海へと向かい踏破を試みたのであった。
ちょっぴり短め?かなー。
でも気にしない!
それが俺のクオリティ。
イエス俺、ノー他人!
___はい、訳わかんない事書いてゴメンナサイ!
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