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みつこと小さなくろいたね

作者: 小原麻由美
掲載日:2007/03/16

 みつこには、とてもたいせつにしているものがあります。

 ケーキのあきばこに、きんいろのいろがみをはってつくった、たからもののはこです。

 はこの中には、うみへいったときにひろった、ピンクいろの貝がらや、くまのもようのおりがみでおったつるや、うさぎのかたちをしたけしごむがはいっています。

 きょうもみつこは、はこの中から大すきなものをとりだして、あそんでいました。

「ん?」

 はこのそこのほうで、キラリとひかるるものをみつけました。

 みつこがつまみあげたものは、くろくて小さなたねでした。

 はこの中に、いれたおぼえがありません。上からも下からも、なんどもながめてみましたが、ただの小さなくろいたねでした。

「なんのたねかな」

 みつこは、小さなくろいたねをポケットのにいれて、にわへでました。

 花だんにゆびであなをあけて、小さなくろいたねをうめました。土をかぶせて、手のひらでやさしくおさえました。すると……。

「きゃっ!」

 みつこは、しりもちをつきました。

 むくっ、むくっ、むくむくむくむくと、土がうごいて、小さなめがでてきたのです。

 みつこが目をこすっているあいだに、のびためのさきには、きんいろの花がさきました。

「ああ、びっくりしたぁ」

 みつこは、きんいろの花にたくさん水をかけてあげたくなりました。

 じょうろの水はとてもおもくて、とちゅうでなんども水をこぼしました。

 みつこは、りょうほうのうでにグイッとちからをいれて、水をはこんでいきました。

「わぁ、すごい!」

 花だんにもどったときには、きんいろのお花ばたけができあがっていました。みつこはうれしくて、たっぷりの水をかけてやりました。すると……。

 ふわっ、ふわっ、ふわふわふわふわと、空とぶじゅうたんのように、お花ばたけがうかびあがりました。

 きんいろのじゅうたんは、みつこをさらって、空にまい上がりました。

 みつこは、まえからちょうちょになって、空をとんでみたいとおもっていたので、ひらひらとりょう手をうごかして、空のさんぽをたのしみました。すると……。

 にょろっ、にょろっ、にょろにょろにょろと、小さなきょうりゅうが、花びらの中からでてきて、みつこの手のひらにのりました。

「きみがぼくを、そだててくれたんだね。ありがとう。おれいに、ぼくのなかまのところへつれていってあげるよ」

 小さなきょうりゅうは、きんいろの花の中から、かみのけくらいのほそいいとをひきだしました。

 小さなきょうりゅうは、きんいろのいとをかぜになびかぜながら、きんいろのハンカチをあみました。

 できあがったハンカチを、みつこのあたまの上に、フワリとかけました。

「みえるかい? ぼくのなかまたちだよ」

 テレビやえほんでしかみたことのないきょうりゅうたちが、たくさんいました。みつこは、すこしこわくて、きんいろのじゅうたんにのったまま、じっとしていました。

「こっちへおいでよ」

 小さなきょうりゅうが、みつこの手をひっぱって、大きなきょうりゅうのせなかにのせてくれました。

「きょうりゅうさんのせなか、あったかいね」

 みつこがそういうと、大きなきょうりゅうはうれしそうに目をほそめて、あるきだしました。

 空をとぶ、きょうりゅうもいます。水の中であそぶ、きょうりゅうもいます。くさの上で、ねころんでいるきょうりゅうもいます。 みつこは、たくさんのきょうりゅうたちと、じかんがたつのもわすれてあそびました。

 小さなきょうりゅうが、とおくのほうで、手をふっているのがみえます。

 みつこも、りょうてをあげてたちあがると、きんいろのハンカチが、ひらりとおちてしまいました。

「あっ」

 りょう手であたまをおさえましたが、きんいろのハンカチは、あっというまにどこかへとんでいって、みえなくなってしまいました。


 みつこは、花だんのまえにすわっていました。小さな小さなめが、ひとつだけでていま

す。

 にわにおちている石をひろいあつめて、小さなめのまわりに、ひとつずつならべていきました。

 水がはいったじょうろが、おいてあります。みつこは、小さなめをつぶさないように、ほんのすこしずつ、水をかけてやりました。

「はやく、花さかないかなぁ……」

 小さなくろいたねの小さなめは、みつこのあたらしいたからものになりました。

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― 新着の感想 ―
[一言] すぐに出版できるレベルだと思います
[一言] ひらがなばかりなのは、子供向けの作品だからでしょうか? 子供視点で書く場合は、ひらがなが多めでもいいと思いますが、これはちょっと読みづらかったです。 内容はほのぼのとした可愛い作品でした。み…
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