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クラスメイトは『大切な人を救うために死に戻る能力者』  作者: 破れ綴じ
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[21:21] カフェインとドーパミン

 今から、能力者本人を特定するのは不可能だ。


 能力者本人がこの街にいる可能性が高いのは事実。かつての数字現象のように、能力は遠隔でも発動できる。そのため能力者が発動時に近くにいた保証はない……が、能力の射程距離も万能という訳ではない。

 例の怪異……もとい不審者のニュースは他県どころか隣の区ですら放送されていない。つまり、あの怪異の移動可能な範囲は完全にこの街に限定されてしまう訳だ。

 となると、能力者の所在について考えられる可能性は以下の三つ。


 A. 能力の射程がこの街全域程度で、本人もこの街のどこかにいる。

 B. 能力の発動範囲が偶然指定されていて、本人は全く関係のないどこかにいる。

 C. 怪異を発生させただけで、能力者本人と怪異の位置は関係無い。発動時は本人が街の中にいたが、もし街の外に出ても怪異は移動しない。


 おそらくBは無いだろう。Aと比較してみれば分かりやすいが、「怪談の内容を『僕達がいる街』に限定して具現化する」より「怪談の内容を具現化する」の方がずっとあり得る。可能性がゼロという訳ではないが、一番に考えるべきトピックではない。そもそもこの街であの怪異の目撃情報が上がったのは金曜日が初だ。


 となると、残る選択肢はAかC……。

 しかし、だからといって「じゃあ誰だ?」と言っても見つかる訳がない。結局街の中か外にいるかのどちらも不明なことに変わりはないんだから。

 怪談繋がりで、街に来ていた「宵坂ヨミ」が怪しいのではとも一度考えたが……彼女が出演した番組は土曜日に放映されている。つまり、収録日となるともっと前だ。

 試しに調べてもみたが、金曜日の時点では街を離れて本来の活動拠点に戻っていた。この人が能力者である可能性は低い。そもそも放映されていた内容は口裂け女×仮死魔霊故では無かった。


 そもそも、それ以外にも能力者を特定できない理由は多々存在する。


 1. 手がかりが辻カリンの証言「金曜日の夕方に具現化した」しか存在しない。

 平日の夕方だから、この街で仕事をしている人間の可能性はあるが……今は三連休。どこかに遊びに行っているかもしれないし、この街の全員に「金曜日の夕方にこんな怪談を聞きましたか?」なんて一人一人聞いていくのも不可能だ。それでまた例の怪異に鉢合わせして対面直後に切り殺されても困る。


 2. 発動条件が不明。

 何をすれば怪異が生まれるのか分からない以上、逆算できない。誰が、いつ、何をしたのかを絞り込む足がかりがない。大方、「その怪談を知った瞬間に発動」とかだとは思うが……それだと他の怪談が具現化していない理由を説明できないし、もっと発動条件が複雑なんだろう。

 そして、発動条件が不明ということは解除条件も不明ということ。「何をしたから発動」が分からなければ「何を止めたから解除」も分からない。もしかしたら時間で消えるかもしれないし、もっと別の条件かもしれない。能力者を特定したところで、あの怪異が消える保証はない。


 3. そもそも自覚があるとは限らない。

 無自覚な能力者なら、本人に聞いても分からない。もし偶然当てられたにしても、向こうに自覚が無ければ「あっ人違いだったんですね失礼しました」と正解しているのに立ち去るだけだ。能力とはそういうもの、こちら側から「貴方が能力者だ」と言っても証明することすらできない。

 まあ……自覚は無いだろうな。もしあったらニュースを見た時に心当たりがあるだろうし、怪談の内容から事の顛末を理解してすぐ通報するはずだ。あるいは意図的に発動している極悪人という線もあるが。


 ここまで考えれば、能力者を特定して辻カリンの危機を回避するというのは至極見込みの薄い作戦だということが理解できる。要は現実的でない訳だ。






 となると、できる対策はあと一つ。

 原因を「除去」するのではなく、原因を「乗り越える」こと。






 とはいえ、辻カリンに正答を教えて、問答を回避しろというのも無理そうだ。

 実際に正答を答えられた前の僕は殺された。ヤツの狙いは「自分を知っている人間」で、一度会話した時点でその人は「知っている」判定を受けてしまい、3日後の襲来を予約されてしまった。夢の中で正答しようが誤答しようが足を奪われて死ぬ……そうなる可能性が目に見えている。

 まあそれでも一応教えておくに越したことは無いが。夢の中で現実に教えられたややこしい回答を覚えていられるかと言われれば自信を持って断言はできない。


 つまり、できる対策は「辻カリンを月曜日の夜に眠らせない」ことになる。


 仮死魔霊故が現れるのは、「話を知ってから3日以内」が伝承の内容。1日目と2日目には現れず、毎周3日目に死に戻りが発動しているのだから3日目に現れていることは確定だ。

 魔改造されている以上この伝承を盲信する訳にもいかないが、あの怪異自体も「3日後に会いましょう」と条件を宣言している。伝承の内容と怪異自身が発言した内容、両方が合致しているなら信じてもいいんじゃないだろうか。

 というか、両方が合致しているのにこれも嘘だったらもうどの情報も信用できない。


 仮死魔霊故が「夢の中」以外に出現する可能性も考えられるが、ここまで19周かけて様子を見守って来た辻セイラが20周目で初めて怪異を見たというんだから、他の方法で3日目に出現した例は現時点で存在しないと言うことだ。

 だから、辻カリンが月曜日の夜を眠らずに乗り切れば──怪異の襲来を失効させ、ループを突破できる可能性がある! 


 勿論、明日学校がある中学生に「今日は寝るな」と言う訳にもいかない。

 辻家両親としてもそんなこと簡単に許可できないだろうし、月曜日の夜はWPPO-HBの検査を終えているから、理由もなく「寝なくていいよ」なんて言わないのは明白だ。

 そして、僕と辻セイラは理由を説明しろと言われてもできない。「今のところ被害者ゼロの怪異の一番初めの標的が娘さんなので起こしてください」? 信じられるかそんなもの。

 かといって、許可なしでそんな作戦を強行するわけにもいかないし、嘘の理由で辻家両親に「今日眠ってはいけない」「明日の学校も休みにさせてくれ」なんて言うのは以ての外だ。


 つまり僕は、誠心誠意を以て、辻家の面々に「夜更かしの許可」を頂く必要がある。

 ということで、僕がすべきなのは……。






 土下座でお願いすることだ! 


「今夜、娘さんお二人と、夜更かしすることを許可してもらえないでしょうか!」


「!?」


「!?」


「きゃー! マコトくん、だいたーん!」







「せ、瀬尾君? 歓迎するとは言ったが、それは、その……どういう?」


「いくらなんでも、急に……カリンも落ち着きなさい、まだ良いとは……」


 ──ポカッ


「痛っ」


「なんて頼み方してんのこのバカ! 言い方!」


 えっなんで殴ったんだ辻セイラ。

 だってそう頼むしかないだろう。君もこの作戦に同意してくれたじゃないか。何を今更──


 ──あっ痛い! 

 やっ、やめろ! 暴力はんたあっ痛い! 






 *






「よーし! それじゃ、夜更かしパーティーかいさーい!」


「(まさか本当に許可してもらえるとは……)」


「(アンタ私がフォローしなきゃとんでもない方向行ってたけど)」


「(そうだよな。土下座だけではやっぱり不十分だったんだ)」


「(そういうことじゃなくて)」


 しかし、なんとかうまくいったな。


 辻家緊急の──夜更かしパーティー。


 自分でもかなり無茶な頼みだったとは思う。

 辻カリンが月曜日の夜を眠らず火曜日の朝を迎えればいいとはいえ、他所の家の人間が疲れているはずの娘を徹夜させるよう頼み込むだなんて。常識で言えば却下されていたところだ。

 いやまあ彼女が疲れているようには微塵も見えないが。


 実際、僕の土下座だけでは「娘の命の恩人とはいえど流石に……」みたいな雰囲気になっていた。僕だって母さんやアラタの命の恩人が「今日だけこの人と夜遊びしていいですか!?」なんて言ってきたら流石に待ったをかけたはず。極めて常識的な判断だと思う。

 途中から挟まった辻セイラによるあまりにも過剰な僕上げと凄まじい頻度で繰り出されるフォロー、もう常習犯としか思えないほどに見事なまでの論点すり替えと議題の誘導。あれが無ければ間違いなく二人は首を振ってくれなかった。

 辻カリンが「休日が一日潰れた」「せっかく治るかもなんだからお祝いしたい」「検査後なんだから明日は休みにすべき」と主張してくれたのも助かった。検査そのものは必要なものだが、ご両親にも「今夜くらいは好きにさせてもいいか」……と、思うところはあったらしい。「信じてるからね……?」とすごく不安そうな目をして寝室に向かう辻父の姿は印象的だった。


 ぶっちゃけ娘に甘すぎると思う。僕が言うのもなんだが……ちょっと心配になったぞ。

 辻セイラが、自分の意見が通りやすいように普段から仕込んでたんだろうが。大丈夫かなこの一家。


「それにしてもさ、アンタがこんな作戦提案するなんてね。不良みたいなこと思いつくんじゃん」


「学校教育法には欠席関係に対応した法令が存在しないからな。青少年保護育成条例にも、夜更かしを規制する一文はない。グレーではあるが、ルールの範疇だと認識しているぞ」


「うへぇ……相変わらずのルール人間」


 ルール人間で何が悪い。

 僕はルールに違反しない範囲でできる案を探したまでだ。逆にルールさえ守っていれば柔軟に対応すべき、というのが僕のスタンス。すぐに犯罪行為に結び付ける君とは考え方が違うんだよ。

 欠席もあまり良くないことだとは思っているが、何かやむを得ない事情があってまでそれを咎める気は僕にない。何より、今回は辻カリンの命に関わる一大事だ。どう考えても「やむを得ない」事情だろう。

 第一、僕は事前に辻カリンから生徒手帳を借りて校則を全て頭に叩き込んでいるんだぞ。全部チェックを通した上での立案だ。悪いか。


 準備だって完璧にこなしたんだ。

 テーブルの上には、お茶とコーヒー、山盛りの菓子に辛い系のスナック。

 そして対戦用のゲーム機に罰ゲーム用の玩具までより取り見取り。

 糖分にカフェイン、刺激に興奮……眠気への対策が一通り揃っている。

 ……体の問題もあるからコーヒーの飲ませ過ぎには注意だが。


 既に辻カリンに「仮死魔霊故の対処法」も伝授済み。

 使う機会が無いといいが……それでも念には念を入れて。暗唱できるまでにしっかり記憶させているし、もし正答で回避できるならそれに越したことは無い。


「ほら二人とも、コントローラー取って。レースゲームでいいよね?」


「任せてくれ。お泊りの経験でいえば辻カリンより僕の方が上なはずだ。眠気を吹き飛ばすような悔しさを味合わせてやる」


「アンタ結構乗り気じゃない?」


 そ、そんなことはないぞ? 

 しかし、ここでうじうじ悩んで、辻カリンに「今日はもうやめとく?」なんて言われる方が問題だ。こうしてある程度、楽しい雰囲気が出来上がっていた方が両者都合は良いはず。

 遊ぶ内容がレースゲームなのも助かった。ここで女子しか分からないような題材が出ていたら僕は間違いなく蚊帳の外になっていたし、それはパーティー全体の雰囲気にも悪影響が出てしまう。


 しかし、今回の目的があくまで「辻カリンを眠らせない」なのは忘れてはいけない。


 ゲームの勝敗に一喜一憂するのは問題じゃないが、僕が本気を出し続けて勝ち過ぎても辻カリンが不貞腐れる可能性がある。負けず嫌いの友人がいるからそういうシチュエーションの経験があるんだ。

 本人が勝って、笑って、声を張り上げている限り、眠気の入り込む隙間は無い。こちらが無理に起こしておくより、本人が「起きていたくて起きている」のが一番強い。


 それに、今夜の本当の目的を、あの子は知らない。

 姉と、その友達と徹夜で遊べる、祝日の夜……その認識のまま朝を迎えてもらうのが理想だ。怖がらせる必要は、どこにもない。


 時刻はそろそろ23:00。

 問題のタイムリミットまであと47~57分。

 それまで適度に本気を出し、適度な接待プレイに励む……。

 それが今夜僕がやるべきことだ。


「これで明日休んでいいっていうんだからサイコー!」


「本当にそう。明日は疲れ切ったお姉ちゃんのこと癒してね~カリン?」


「何言ってるんだ。僕と君は徹夜した後、そのまま普通に学校だぞ」


「えっ」


 えっじゃないだろう。疲れているのは分かるが。

 高校は義務教育じゃないんだ。中学には無いが、欠席のし過ぎは成績にも大きく影響し、進級・卒業に直結するんだぞ。


 僕も昨日今日はバイト漬けだったが、まだまだ体力には余裕がある。学級委員長として、連休明けは徹夜の雰囲気をまるで感じさせない姿を見せるつもりだ。

 ……なんだその「人一人抱えて走るだけでバテてたくせに……」みたいなことを言いたげな目は。心当たりないんだが──


「油断したね! マコトくんもーらいっ!」


「あーいい気味だよ。ビリまで落としたげる」


「あっちょっ……くっ、少しお手洗いに行ってくる……」


「普通に悔しがってるじゃん」


 ……そんな訳じゃない。本気で悔しがったりはしていない。

 辻カリンが楽しんでいるようであれば、僕は何でもいいんだ。


「じゃあ次はどれにしよっかなー?」


 それに……この様子なら、越えられるはず。


 あの子は元気だ。

 声も笑い方も、手元のコントローラーの忙しなさも、眠気の「ね」の字も見当たらない。

 むしろ興奮してきて、これからが本番とでも言いたげな……そんな様子まである。

 あとは、このまま時計の針が進んでくれれば全て解決だ。


 ……いやそれにしても本当にすごい体力だな? 

 今日予定があった人間には見えない。水泳ってすごいんだなあ……。






 *






 時刻は1:08。

 23:44、23:47、23:57。マークしていた時刻は、全て何事もなく過ぎている。19周分の「いつもの時刻」に、今夜は何も起こらなかった。


 つまり、ループを……突破した。

 ……のかもしれない。


「にしてもすっごい量の罰ゲーム。そんなに私と遊びたかったのかなー?」


「す、すごい体力だな君……」


 辻カリン、依然衰えを見せず……。

 なんだこの余りある元気は? 若さか? もう僕も年なのか? 


 おい辻セイラ。何眠たそうな目をしているんだ。タイムリミットを経過し、もう火曜日になったとはいえ、まだ確証は持てないから油断できないんだぞ。

 せめてあくびは音を出さずに向こう向いてやってくれ。辻カリンに移ったらどうなるか。


「マコトくん、これ食べなよ。激辛のやつ。目ぇ覚めるよ!」


「なんで僕にばかり勧めるんだ……っ、辛っ……!」


「あはは! 顔真っ赤!」


 ぐっ……! 

 しかし君がそこまで笑っていられるならこの程度大した辛さじゃない。


「辻カリン。眠くないか?」


「? 眠くないよ? でもちょっとトイレ行こっかな」


「お手洗いって言いなカリン。ほら、お姉ちゃんも着いてくから」


「えー? 別に怖くないってばー……」


「カリン?」


 伝承の「3日以内」。その3日目である月曜日は、もう終わっている。怪異自身の宣言も「3日後にまた会いましょう」。金曜日から数えた3日後も、日付の上ではもう昨日だ。

 勿論、3日後の夜というのが、火曜の早朝を含んでいる可能性だって否定できない。だから夜更かしはまだ続行になるが……それでも、悪くない夜だ。

 標的当人は最後まで何も知らないまま、今日という日を「家族と友人と遊び倒した祝日」として記憶することになる。姉は妹の隣で笑っていられる。

 あとは朝日だけ。火曜日の太陽が昇った瞬間、ループが終わったと判断してもいいはず。






「あ、あれ……? おかしい、な。目が……」


 ……はず、って。


 え? 






「え、ちょっと、カリン?」


「あれ? 眠く……ないよ? 眠くないのに……なんで……」


「おい、辻カリン。どうした」


「え、いや。違うの、眠くないの。なんか、瞼が、勝手に……」


 ……待て。

 待て待て待て。


 なんだ、それは。

 なんだそれは! 


「辻カリン! 目を開けろ、寝るな!」


「カリン! ほら、立って! お姉ちゃんと歩こう!?」


「な、なにこれ。眠く、ないのに、体が……!」


 ……!? 


 マズイ、おかしいぞ。

 人間の睡魔というものはこう急に変化するものではないだろう。

 段階を踏んでゆっくり移行するか、少なくともある程度前兆があるはずだ。

 本人に眠くないという自覚症状があって……勝手に眠りの症状だけ現れる? 

 そんなことが……そんなこと、普通ならある訳がない。


 肩を……ダメだ。何度揺すっても反応に変化が無い。

 イヤホンをつければどうだ。あるいは部屋の明かりを強くするとか。

 後は、コーヒーを無理やり飲ませたりすれば……ダメだ! 喉に入って行かない! 

 声も、揺さぶりも、カフェインも……何も、効かない! 


「……こわ、怖い! なに、これ……お姉ちゃ、ん……!」


「カリン!!」


 本人が眠りたくないと言っているのに、落ちていく。

 これは眠気じゃない、こんなものが睡魔な訳がない。明らかに外から強制されている! 


 冗談だろ。「眠らせなければいい」だと? ふざけるな、そんな対策ごと織り込み済みだったっていうのか!? この怪異は、その気になれば「無理やり眠らせること」だってできるのか!? 

 考えろ、考えろ! 水、氷、痛み……いや、そもそもこれが「眠り」ですらなかったとしたら──


「カリン! カリン! 返事して! カリン!」


「……だい、じょうぶ……聞こえてる……から……」


 いや、でもまだある程度反応はできている! 

 完全に眠りについた訳じゃない。彼女も微睡の中で抵抗しているんだ。今の状態をかろうじて維持できていれば……あと4時間強粘れば、朝日を拝めるかもしれない! 


 夢に到達せずに……仮死魔霊故に出会わずに済むかもしれない! 


「辻カリン! 聞こえているか、一回立ってみよう。顔を洗いに行こう。ほら」


「ね、カリン。一緒にゲームの続き……しよ? じゃなきゃ、じゃなきゃお姉ちゃん……」


「……ぃ、ぃや……」






「足は……水泳選手の、命……だから……」


 ……寝言? 






 ──違う! 

 これは問答だ! 


 ということは既に、仮死魔霊故は……! 






 ──バキイィィッ! 






 *






 瀬尾家は今日も平和だ。


 ──『続く残暑。WPPO日本支部は平均気温を3℃下げることを──』






 ──ピンポンピンポンピンポンッ! 


 って、誰だインターホンを連打してるのは! 

 なんてことしてくれたんだ! 母さんとアラタが驚いてるじゃないか! 


 ……ああ分かった今出る! 

 出るから連打するのを止めろ!

感想やご意見をお待ちしていますのでよろしければ……(´・ω・`)

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