80話 S3攻略者
「よっしゃあやる気出てきた、名取さんが見てるんだもん、本気出しちゃうよ」
そう言って麗奈はぴょんぴょん跳ねた。
「はは、麗奈は今日も元気だね」
「……」
「黎人、大丈夫かい?」
「ああ大丈夫だ名取さん、世話になってしまいすまん」
「いいんだ気にするな、それよりも鬼神の仮面は今日はもう使うのやめとけよ」
「……ああ、わかってる」
鬼神の仮面は、その絶大な効力に対してデメリットも大きい。
一回の使用により、スキルポイントはもちろん、気力や体力もかなり消費する。
そのため1日に一回10分まで、それが鬼神の仮面の使用時間、それを超えると身体に後遺症が残ってしまう。
「名取さんよぉ、まだそうやって若い子手玉に取ってんだ、変わってねぇじゃんそういうの」
「はは、まったく口が減らないね神宮寺」
「おいおい名取さんよぉ、さっきと口調が違うじゃねぇかよ、そいつらの前でまた"良い人"演じてんだろ」
「何の話かわからないな」
笑顔で名取はそう答える。
「ごちゃごちゃうるせぇんだよ」
「あ?」
その刹那、神宮寺の背後に麗奈が現れる。
「固有スキル韋駄天、からのぉ、スキル発動螺旋砲!」
『ドシュッ』
背後に現れた麗奈はそのままスキル螺旋砲を放つ。
至近距離で放たれた螺旋砲はそのまま神宮寺の背中に命中する。
『シュゥゥ』
「効かねぇなぁ」
直撃した螺旋砲だが、神宮寺に与えたダメージはほぼ無いに等しかった。
「うるさっ、てかそれ揺動だし」
「あ?」
「よくやったね麗奈、固有スキル発動、水仙刃!」
そうして名取の水仙刃が神宮寺を襲う。
『ズシャ』
「ちっ、今度は足かよ」
水仙刃は、神宮寺の右足を斬り飛ばした。
右足を失った神宮寺はそのまま体勢を崩してしまう。
「くっ」
「よぉ神宮寺、鬼神にはなれねぇけど、これは効くぜ、SSレアダンジョンアイテム深淵王の指輪解放」
天山黎人は、深淵王の指輪を解放して神宮寺にそう言った。
SSレアダンジョンアイテム深淵王の指輪。
身につけている者の拳を強化するもので、強化度合い的には、拳限定だがスキル身体強化のレベル4に相当する。
「やばいなそれ」
「ああやばいぞ、そのまま死んでくれ神宮寺」
そうして黎人は、神宮寺に殴りかかる。
「神皇炎、戒炎発動!」
『ゴウッ』
向かってくる黎人を迎撃つように神宮寺は、先ほども使った戒炎を発動した。
「まずい」
発動した戒炎を見て、黎人の動きが一瞬止まる。
「黎人!気を抜くなっ!」
「へ?」
名取がそう叫んだ。
そして黎人の動きが固まった一瞬の隙をつき、神宮寺は残った左足に炎を集中して噴射し、黎人に向け突っ込んだ。
「しまったっ!」
黎人は向かってくる神宮寺に、咄嗟に前方に両腕でガードを作るが、一足遅かった。
「遅い……神皇炎、神炎豪拳」
『ズドォン』
そうして神宮寺は、神炎豪拳で黎人の腹を吹き飛ばした。
「お前も最初にやったろ?そのお返しだ」
「ぐはっ」
腹をぶち抜かれた黎人はそのまま吐血する。
『ドサッ』
「黎人!!」
そうしてそのまま黎人は倒れ、麗奈は涙を浮かべながら黎人の名を叫ぶ。
「やってくれたな神宮寺」
「名取さん、殺す気できてんだろ、だったら殺される事も考えなきゃだろ?」
神宮寺は表情を変える事なく、ただ真っ直ぐに名取を見つめてそう言った。
これがS3攻略者の実力、日本の攻略者の最高峰の強さである。
「SSSレアダンジョンアイテム、星宮の杖解放」
そうして名取は、もう一つのSSSレアダンジョンアイテムを解放した。




