78話 圧倒
『ゴォォ』
「さて、これで全力だ来いよ雑魚ども」
神皇炎を発動し神々しい炎を纏った神宮寺は、そう言って天山と麗奈を煽る。
『俺1人でも苦戦してたお前が、麗奈もきて2人になった俺たちに勝てるとは到底思えないが』
「あ?テメェ1人に苦戦なんてしてねぇよ、遊んでただけだ、こっからは遊びはしねぇそんだけだ」
神宮寺は真っ直ぐな目でそう答えた。
「ねぇ黎人この人、生意気すぎない?」
『ああ生意気だな、麗奈、俺の腕が再生するまでの間この馬鹿の相手をお願いしてもいいか?』
「うん、任せて!」
そう言って麗奈は黎人に優しく微笑んだ。
「おいおい女に助けを乞うとか、どこのヒモ野郎だよお前?」
「黎人はヒモじゃないよ、てかうるさすぎっ!このおっさん」
「お、おっさんだと……」
神宮寺倫也、31歳。
柴崎と同じように彼もまた最近年齢を気にするようになっていた。
そんな彼におっさんは禁句である。
「だってそうじゃん、お肌のハリを感じないから33くらい?」
「さ、31だコラァァァ!!」
『ゴウッ』
そう叫んだ神宮寺の火力は先ほどとは比べ物にならないほど巨大になった。
「おいそこの麗奈とかいう奴、俺は女は燃やさないと決めているがお前は別だ、消し炭にしてやるよ」
「うっわダサッ、今の時代に女は殴らないとか攻撃しないとか、昭和すぎるんだけど」
そう言って麗奈は笑った。
「殺す神皇炎、葬炎」
『ブワッ』
神宮寺がそう言うと麗奈に向けて、神皇炎が放たられる。
「ヤバ、ほんとに強いんじゃん、固有スキル韋駄天!」
『シュッ』
麗奈はすぐさま固有スキル韋駄天を発動し、葬炎を回避した。
「さっきの奴より早いな、お前そういうアイテムなのか?」
「えっと、そうだね私のアイテムは速さと関係しているかな?」
神宮寺の問いかけに麗奈をそう答える。
城戸麗奈のダンジョンアイテムは、韋駄天。
速さを司る化身である。
「なるほどな」
『おい麗奈、あんまし能力について話すな!こいつは馬鹿だがS3攻略者だ、舐めてかかると皆殺しにされるぞ』
「あー、ごめんごめん」
『ゴォォォォ』
「え、何っ?めっちゃ燃えてんだけど」
麗奈と天山が話している隙に神宮寺はさらに火力を上げ、炎はどんどん広がっていく。
「話しすぎたな……あとお前ら速すぎるんだよ、だからお前らの酸素を奪わせてもらうぜ」
『まずい麗奈、ここから離れる……ぐはっ』
「ちょっ、黎……人……」
『ドサッ』
そうして2人は倒れてしまった。
「よっしゃあ!まずは2人だ!」
そう言って神宮寺はガッツポーズを決める。
神皇炎、戒炎。
自分の周囲半径10メートルに最大火力の炎の円を展開して円内の酸素を焼き尽くす技。
これを使い神宮寺は2人を一酸化中毒に陥らせて仕留めたのである。
「SSSレアダンジョンアイテム水帝の霊剣解放、炎を鎮めはなさい霊剣よ」
何者かがそう言うと、戒炎の範囲だけに突如雨が降り始めた。
『ジュオオ』
そうしてその雨により神皇炎は鎮火してしまう。
しかしその雨は炎を消すとすぐさま止んだ。
「酷いな神宮寺、お前の後輩もいるんだぞ」
「名取さん……」
元S2攻略者の名取は、そうしてこの戦闘に介入していくのであった。




