73話 開戦
「さぁさぁ寄ってらっしゃい見てらっしゃい、世にも珍しいダンジョンモンスターの猿の演目がはじまるよ!」
第4ダンジョンのテーマパーク内で、1人の仮面の男が、ダンジョンモンスターである体長3メートル越えのヘビーモンキーを連れ突然現れる。
「え、凄い、ママ見て大きいお猿さんだよ」
「すっごあれなに、あれもダンジョンモンスターなの」
「ちょっと見てみようよ」
そうしてあっという間に仮面の男を囲むように人だかりができてしまった。
「いやぁ、ありがとうございますぅ、こんなにも沢山の人に来て頂いて私ももちろんですが、この大猿のジョージも喜んでいます」
『ウォォォ!!』
画面の男がそう言うと、それに呼応するように大猿も鳴き声を上げる。
「でも残念です、早速ですがこれで終幕でございます……」
そう言って画面の男は悲しげに俯いた。
「え、終わり?」
「いやいやまだ始まってすらいないじゃん」
周りの群衆は仮面の男にそう言った。
「いえ、終わりですよあなた方の命がね、さぁやれ!ヘビーモンキー!」
『ヴァォォ』
画面の男はニタっと笑い、ヘビーモンキーに群衆を襲うように指示をした。
「え、ちょっ、何これ」
『グシャ』
いきなり暴れ出す大猿に固まっていた人がそうし叩き潰される。
「お、おい逃げろ!こいつら普通じゃない」
「た、助けてー」
「こ、こわいよママぁ」
叩き潰されるのを見た群衆はパニックとなり、慌ててそこから逃げ出した。
「ふははは、さぁ喜劇の始まりです攻略者の皆さん、ここからはサーカスです!」
仮面の男は両腕を挙げてそう叫んだ。
「固有スキル発動、神炎業火!!」
『ブワッ』
群衆を襲う大猿に神宮寺の不死鳥の炎が襲いかかる。
『グァァ』
神炎をもろに受けた大猿はそのまま消し炭となった。
神宮寺の炎は、燃やしわけができるため群衆に向けて放ったとしても燃やしたい対象のみを燃やす事が可能。
「この炎熱くないぞ!」
「見て神宮寺だ!」
「すげぇ本物だ」
突如空から現れた神宮寺に群衆はさらなる盛り上がりをみせた。
「やぁ神宮寺、相変わらず人気が凄いね」
「よぉ裏切り野郎、てめぇも人気あんだろ、そのダセェ仮面外せよ」
「凄いな私だと分かるのか、やっぱり不死鳥の力は色々ズルいな」
仮面の男の正体は槙島である。
しかし、槙島の付けている姿隠しの仮面は、付けているものを違う人物に見せる効果があり、神宮寺以外には槙島に見えてはいない。
神宮寺の不死鳥には、あらゆる呪いやまやかしなどの類を無効化する力があり、神宮寺には姿隠しの仮面の影響を受けないのである。
「槙島てめぇ、ヤバいの飼ってるだろドス黒いオーラが見せるぜ」
「さすがに同じタイプの君にはすぐわかるみたいだね」
「……」
神宮寺の目には、槙島の背後にある狂道化師の黒いオーラが見えていた。
「さぁて神宮寺、ダンジョンアイテムの奪い合いの始まりだよ」




