72話 関東第4ダンジョン
「ようこそ!関東第4ダンジョンパークへ!」
大宮駅から専用バスで15分、俺達は関東第4ダンジョンへと着いた。
関東第4ダンジョンは、完全なテーマパーク化しており、ダンジョン前の入り口にはジェットコースターや観覧車などがある。
「よし、俺達はダンジョン内に向かうぞ」
「あいよ、てかさ日程的に余裕あんだしここでゆっくりしてもいいんじゃね?」
「いや、今回は鶏鳴狗盗も関わってるし、迅速にダンジョンアイテムを確保したい、だから日程に余裕があるといって遊んでる余裕はないよ」
ダンジョンへ着くと、神宮寺がそう言って絡んできたが、俺は冷静に対処した。
「つまんねぇなぁ、こんな時、名取さんだったら乗ってくれるのに」
「名取?名取ってもしかして、名取宗太郎ですか?」
「おう」
神宮寺がボソッと話すと、四季さんがそれに強く反応した。
名取宗太郎、5年くらい前の上位ランカーで最高順位は7位、かなり強い攻略者で祭さんや東條さんにも引けを取らなかったらしい。
「神宮寺さん、もしかして名取さんに詳しいの?」
「まぁな、昔は世話になったからなそれなりに詳しいぞ」
「そうなんですね……なら単刀直入にいいますが、名取宗太郎さんという人物は今、鶏鳴狗盗にいますよ」
「なに!?」
神宮寺はそう言って仰け反るほどに驚いた。
い、いやお前、一昨日届いた報告書読んでないのかよ。
出発の2日前、俺たちは組合から1通のメールを受け取っていた。
内容は四季さんと蘭方くんが槙島と交戦した事と、鶏鳴狗盗のメンバーについて。
そこには名取さんの事もしっかりと書いてあった。
「お、おい神宮寺、お前出発前に組合から届いたメール見てないのか?」
「あ?うるせえ、槙島が来ないってところは見たよ!あとは長いし読んでない」
……はぁ、まったくこのバカは。
「えっとなら、簡単に名取さんについて確認しとくね、メールの内容の抜粋になるけど、名取宗太郎、元S2攻略者でSSSレアダンジョンアイテム星宮の杖の適合者、5年前に攻略者を引退、その後はバックパッカーとして世界を飛び回っていて、日本にも5日前に帰国している、だよね?」
「……そうです、合ってます」
神宮寺のため仙道さんがそう説明し、四季さんがそれに答える。
「へいへい、すみませんね見てなくて、まぁ名取さんの事なら今の説明がなくても大体のことは知ってるけどな」
「はいはいそうかい、無駄話しはその辺にして先行くよ」
そうして俺達はダンジョンの入り口へと向かう。
『ドン』
向かう途中、俺は目の前から来た女の人に肩をぶつけてしまった。
「あ!すみませんっ」
「いえいえ大丈夫です、私が不注意でしたから……君の方こそ大丈夫ですか?」
女の人はそう言って俺の心配をしてくれた。
君?変わった表現だな。
「ええ大丈夫です」
「そうですか、お互い気をつけて歩かないとですね」
そう言って女の人は小首傾げて笑った。
「はい、ではこれで」
「はい!ではまた」
そうして俺は入り口へ向け歩く。
……て、今またって言わなかったか?
いや、気のせいか。




