71話 出発
朝9時大宮にて、俺は前泊していたホテルから出て集合場所の大宮駅へと向かっていた。
とうとう今日から、埼玉遠征が始まる。
今回の遠征日程は2週間の予定で、メンバーは俺、仙道さん、四季さん、神宮寺の4人。
なんでも槙島は、やはり鶏鳴狗盗と裏で繋がっていたらしく、今回のメンバーからは外されている。
なんでも四季さんや蘭方君と派手にやり合ったらしい。
てかメンバーから外れて実質、組合から追放状態だけど、絶対何かしてくるよな。
あぁ今回の遠征も骨が折れそうだ。
「あ、拓っくん」
「仙道さん!」
大宮駅へ向かう途中で仙道さんに会った。
「拓っくんも前泊してたの?」
「ああ、朝早いの苦手でさ」
「わかる、私も苦手だから前泊しちゃったよ、お金出てるしまぁいいかって」
俺達、攻略者はダンジョンに行く前にスポンサーから資金援助をしてもらっている。
その中には宿泊費も入っており、そこから今回の前泊費は出している、ランキングに入るようになってからは実費でダンジョンに行く事はほぼなくなった。
「まぁそうだよね、そうなるよね……」
「そういえば今日って、このまま一気にダンジョン行くの?」
「ああそのつもり、今回行く関東第4ダンジョンは全15階層くらいしかないからね、日程は2週間だけど、やろうと思えば3日くらいでいけるよ」
そう今回の遠征先である関東第4ダンジョンは、いわゆる簡易ダンジョンであり、1〜3層までは一般開放もされている。
だが、鶏鳴狗盗が来るのが確定しているため、何が起こるかわからないとの事で多めに日程をもらっているのだ。
「そうなんだ……槙島ってやっぱり攻めてくると思う?」
「十中八九攻めてくる思う、まぁでも今回の戦力はそれも込みでかなり厚くしてもらってるから、やるしかないよね」
そうして歩いていると、集合場所が見えて来た。
9時半集合だが、もう2人とも集まっているようだ。
「おうおう柴崎、女と一緒に来るとは生意気だな」
「おはよ神宮寺、今日からよろしくな」
「……お、おうよろしく」
神宮寺が何やら絡んできたが、今回はそれにいちいち反応しているほど余裕はない。
気を引き締めていかないと。
「……おはようございます、柴崎さん」
「よろしく四季さん」
俺と仙道さんが待ち合わせ場所に着くと、四季さんが寄って来て挨拶してくれた。
何気に四季さんと一緒に攻略に行くのは初めてだな。
色々噂は聞いているし、今回の遠征では結構頼りにしている。
「柴崎さんの読み通り、槙島は黒でした……流石ですね」
「いやいや、俺はただ祭さんに意見しただけだよ、四季さんや蘭方君の方がすごいよ」
「謙遜しないでください、今回のグループリーダーは貴方です、頼みます」
「ああそれは任せてくれ、チーム最年長として頑張るよ」
そう、俺は今回の遠征のグループリーダーを任されている。
正直なところ、神宮寺がだいぶゴネてくると思ったが、意外な事に神宮寺からも推薦があったらしい。
馬鹿やってるようで、俺と同い年だもんなそれくらい大人って事か。
「よしじゃあ、出発しようか」
そうして俺達は関東第4ダンジョンへと向かった。




