67話 四季の誤算
「フロストインパクト!!」
『ガゴンッ』
「おっと危ないですね」
出力が回復したフロストインパクトの広範囲の打撃を槙島は素早く回避した。
「今のを回避とか……貴方普通に強いね
「まぁ攻略者歴で言えば今年で8年目ですからねこれくらいは躱せますよ」
「あっそ」
四季は少しむかついた。
ただ実際、槙島は攻略者としてはかなり優秀である。
暦8年でS1以上になってから今年で6年、その間に未踏破ダンジョンの攻略や組合から要請を受け、特定のモンスターの討伐や海外遠征。
経験だけで言えば相当高い。
故に四季とはこなしてきた場数が違うのだ。
「SSレアダンジョンアイテム、水霊の涙解放」
『バシュ』
SSレアダンジョンアイテム、水霊の涙。
普段は四季の耳にピアスとして装着されているが一度解放すると、地面に落ち辺りを水辺に変える。
「ほう、これは危ないですね」
水辺は四季にとっていつでも氷に変えられる有利な地形である。
『ピチャ』
「おやズボンが濡れてしまいましたね」
「……ジャックフロスト」
『パキン』
四季は槙島の濡れた足を狙い、出力を絞ってジャックフロストを発動させた。
「あらあらやられちゃいましたね」
凍った足を見て槙島は困った顔でそう言った。
「……舐めすぎたね、もう貴方の足は切断する以外ないよ」
「おや?」
『シュオオ』
槙島の足の氷は音を立ててさらに拡大していった。
「ほう、これは厄介だ」
出力を絞ってはいるが、元々ジャックフロストは、全身を凍らせるほどの力がある。
そのため槙島の足のジャックフロストの氷はそこから急速に拡大して、最後には全身覆う。
「……じゃあね、これで決める」
足が凍り身動きが取れなくなった槙島にトドメを刺すべく、四季はフロストインパクトを振りかぶった。
「うん、いらないなもうこれは」
『ズシャ』
そう言って槙島は自身右足を砕いた。
足を砕いた事で出血したが、瞬時にアルティメットスキル、ハイヒーリングを使い止血する。
槙島は通常状態でアルティメットスキルを使用できる、アルティメットスキルを通常状態で使用できるのは槙島の他に現攻略者では祭しかいない。
「ちょっ……何やって」
槙島の狂気的な行動に四季は固まった。
「いやね邪魔だったので、それよりも、よそ見は行けませんね」
「え、」
片足となったはずの槙島は一瞬にして四季との間合いを詰めた。
「片足で……なんでそんな早く」
一瞬で目の前に現れた槙島に四季はそう問うた。
「戦闘経験の差、ですかね?私、結構強いんですよ」
「……嘘でしょ」
槙島は片足ではあるが、纏っている狂道化師のオーラを巧みに使い、片足で踏み込むのと同時にオーラを後方へ噴射する事で、推進力を得てこれだけ早く間合いを詰めれたのだ。
「さてと終わりにしましょう、固有スキル発動、狂乱ーー」
『ピカッ』
「なんだ?」
槙島が四季に技を撃ち込もうとしたその時、蘭方と狂道化師が戦っていたところから眩い閃光が放たれ、辺り一体が強烈な光に包まれた。
「御厨!」
「いいところだったのに……さすがは蘭方くんですね」




