64話 四季vs槙島
「ーーじゃあ話は以上、各自当日はちゃんと集まってくださいね」
槙島がそう話すと、鶏鳴狗盗のメンバーは無言で頷いた。
「それじゃあ解散!」
そうして会合は幕を閉じた。
「首領、ちょっといいか?」
会合が終わるとメンバーの1人天山が槙島に話しかけた。
「ああいいよ、どうした?」
「今回の仕事だけど、魔族も来るのか?」
「ああ来るよ、屋敷くんに誘導してもらってる、そこで攻略者と魔族をぶつけてその隙に俺たち狗盗が仕事を完遂するという手筈だ」
「そうか」
天山黎人、鶏鳴狗盗のメンバーで歳は25歳。
元攻略者で、最高ランクはA。
充分Aでも凄いのだが、他のメンバーと比較すると控えめな経歴ではある、しかし戦闘力は高くドイツの攻略者の一団を1人で片付けている。
「黎人、君がそんな事聞いてくるなんて珍しいね」
「ああ、魔族はあんまり好きじゃなくてな、だが仕事ならしっかりやるよ」
「そう言ってくれて助かるよ」
天山は槙島がそう言うと、倉庫から静かに出て行った。
天山が倉庫から出るのに吊られるように、他のメンバーもいなくなっていった。
「さて、僕も帰ろうかな」
そうして槙島は帰路につく。
槙島は帰る時、わざと人目のつかない道を選んで歩いていた。
「……いつから?」
槙島の背後からそっと四季が現れそう言った。
「えっと、倉庫を出る前かな」
「……本当の事を教えて」
四季は槙島にさらにそう言った。
「4日前ですかね、定例会議の終わった後ぐらいかな、おそらくダンジョンアイテムですよね?僕の家の周りを飛んでいたカラス」
「……そこまで気がついていて、なんで今日集まりに行ったの?」
「うーん、半分遊びで半分罠かな?」
そう言って槙島はニタっと不気味に笑った。
「……やるしかないか、フロストインパクト解放」
「来い狂道化師」
SSSレアダンジョンアイテム、狂道化師。
モンスターとしてのレベルは155であり、槙島はその適合者。
狂道化師の能力は記憶と現実の改竄、それと呪いである。
『冬夜ぁぁぁあ、なんだよ女の子じゃねかぁ、また狂わせるのかぁぁぁあ』
「……何こいつ」
四季は狂道化師を見てフロストインパクトを強く握り締める。
狂道化師は、神宮寺の不死鳥と同格の最強のモンスターであり、現攻略者では蘭方、祭以外は相手にもならず、神宮寺でやっとどうにか攻撃を受けれるレベル。
『さぁぁぁて、ドッキリタイムだぁ、これから10秒後に世界は反転するぜぇぇ』
「おい落ち着けよ、今回は僕がやる」
『ああ?つまんねぇなぁぁぁそれはよぉぉ』
「大丈夫、君の相手はすぐ来るよ」
『あ?』
槙島がそう言うと空に大きな影が現れた。
『おい織姫!大丈夫か!!』
『ズドォン』
そうして空から白龍となった蘭方が降りてきた。
「御厨!あんたまた私を付けてきたの?」
『だって仕方ねぇじゃん、気になったんだからさ!』
四季と蘭方は、お互いが再婚相手の子供同士の血の繋がっていない姉弟である。
『おいおいおいおいおいいぃぃぃ、これはハッピィバァスデーじゃねえか、白龍狩りとか最高だな』
『なんだこの変人、織姫!こいつを倒すのか?』
「うん、そいつはあんたに任せる、私はこっちの道化師をやる」
「2対2ですか、おもしろいさぁお互いの首をかけてやりましょうか」
そうして四季蘭方vs槙島の戦いが始まる。




