61話 ランキング13位の男
『ザッ』
「うしっ!着いた」
定例議会から数日後、新千歳空港にて1人の男が北海道に到着した。
魔王一行が北海道にいることを組合は把握している。
そんな北海道の調査を誰もしていないわけががなく、ランキング13位東條司が北海道へと来ていた。
東條司は、東條蘭丸の弟である。
兄に憧れてこの業界に入ったが、その兄により攻略者でいることが嫌になった。
複数のSSSレアダンジョンアイテム持ちの最強の兄、ならその弟も凄いんでしょと周りから期待される。
しかし周りの期待とは裏腹に、SSレア以上のアイテムの適合者になれない現実。
なんども辞めようとした、だが辞められなかった。
初めて兄とダンジョンへ行った時の思い出や、仲間と共に苦難の末踏破したダンジョン、そしてダンジョン内にある不可思議な生態系。
そう、東條司はダンジョンとそれに挑む攻略者達がなにより好きなだったのだ。
それに気がついた時、悲劇が起こる。
兄、東條蘭丸の敗北。
それだけでなくPTSDの発祥と、複数のダンジョンアイテムの適合者ではなかなったこと。
それら全てが司には信じられなかった。
しかし、司はその時兄からあるものを託される。
兄から自分への期待、誰も向けなくなったそれが英雄の兄から最後に形となって渡された。
『ガチャ』
「兄貴……うし!やるか!」
そうして司は背にSSSレアダンジョンアイテム、神葬琰剣を背負い、魔王一行がいるとされる札幌近くのダンジョンへと向かった。
「本当にこんなところでいいのかい?」
タクシーの運転手は心配そうに尋ねた。
場所は山道、しかも人通りなんて1日を通してあるかないかの道。
そんなところで降りるなんて、自殺かもと思っていた。
「ああ、ありがとうおじさん」
そう言って司は山道を外れ山林へ入っていった。
ダンジョンの近くまでは、タクシーを使い近づいてきたところで降りそこからは徒歩で向かう。
「着いたなここが札幌ダンジョンか……」
札幌からタクシーで45分、歩いて30分の場所にそこはある。
完全未踏破ダンジョンにして、確実に魔族がいるダンジョン。
現在北海道には、7つの未知のダンジョンが確認されている。
その全てに魔族がいる、祭はそう確信していた。
「すっげぇな、できたのでダンジョンって感じだな」
建物の形状は南米にある遺跡に近い。
ただ、劣化や欠損している所がなくとても綺麗な状態である。
「さてと、S2攻略者、東條司ただ今よりダンジョン攻略を開始します」
そう言って司はダンジョン内へと足を踏み入れた。




