60話 新しい力
消費ポイント30,000か……。
嶺王の盾は受けた攻撃に応じてスキルポイントを消費するアイテム。
まさかいきなり30,000も消費するとは、やっぱり蘭方君は強いな。
「SSSレアダンジョンアイテム、覇王の耳飾り発動」
「お、柴崎さんも本気になったみたいっすね」
「まぁ本気というか、怪我しない程度にはやらないと、病院送りにされたくないしね」
「いやいや柴崎さんなら大丈夫っしょ!」
そう言って蘭方君は笑った。
蘭方くんと違って俺はダンジョンアイテムを待っているだけで肉体は別に一般人と変わらない。
故に普通に骨折もするし、裂傷もできる。
だが、蘭方や神宮寺は違う。
2人とも骨折なら大体1日あれば元通りになるし、神宮寺に至っては腕が欠損しても秒で治る。
そんな奴らと模擬戦といえど戦うんだからこっちもそりゃあ準備するでしょ。
「そう言ってくれるのはどうもね、まぁでも俺も簡単には倒されるつもりはないよ、アルティメットスキル発動、霊王の加護!」
「はは、そうこなくっちゃ」
俺は霊王の加護を使って基礎的な防御力を上げた。
残りのスキルポイントは70,000ほど、さてどこまでやれるかな。
「アルティメットスキル発動、大輪玉!」
『ズドン』
俺は十八番の大輪玉を蘭方君に向けて放つ。
「甘いね柴崎さん!」
『パン』
そう言って蘭方君は素手で大輪玉を跳ね返す。
「マジか!」
「良い技だけど、全然ダメだよそれじゃ」
大輪玉をあんなに簡単に止めるとは、魔族には結構有効だったのに、蘭方君……強すぎる。
「さてと、次は俺の番っすよ!」
「く、来るか」
「スキル発動、シャイニングアロー」
蘭方君はまたシャイニングを発動させ、その光を弓へと変形させた。
なんでもありなのかあの技……。
「さてと、次はその盾ぶち抜きますよ」
「できるかな……」
「できますとも!えい!」
『ズォン』
そう言って蘭方君は俺に向け弓を射った。
轟音と共に一直線にこちら側に向かってくる。
残るスキルポイントは67,000、これだけあれば流石にいけるだろ。
『ガギィン』
そうして俺は飛んでくる光の矢を盾で受け止めた。
ふぅ、なんとかなったな。
さてと残存スキルポイントは……残り17,000か。
今ので50,000か……これじゃあ防戦一方で終わるな。
「柴崎さん、これじゃあスキルポイント切れで負けちゃいますよ」
「ああそうだね……まぁでもここら辺でやめておこうかな」
「えー、なんすかそれー!俺はまだまだやれますよ!」
「まぁでもさ、お互いに奥の手は隠しておきたいでしょ、味方にもさ」
「……それもそうっすね、なら今日はこの辺で!」
そう言って蘭方君は出口へと歩いて行く。
今日の模擬戦は一応、引き分けとして終わった。
戦ってみてわかったが、やはり蘭方君の能力は未知だと思う。
可能性が大きすぎて、もはや実力の底が見えない……いやもしかすると底なんてないのかも、さすがは願いを具現化するダンジョンアイテムだ。




