5.5話 ダンジョンアイテム
とある月曜日、俺はダンジョンアイテムの製造販売をしている、株式会社ダンジョンライフのオフィスに来ていた。
ダンジョンライフは俺のスポンサーを長らく勤めてくれている会社で、無名時代からお世話になっており、今日は依頼されていた宝箱を納品するべくやってきた。
「あ、柴崎さーん!」
「どうも榎田さん」
榎田俊光さん、この会社の広報部の方で俺の良き理解者である。
「いやぁ柴崎さん、なんかすみませんね、まさかあんなに大事になるなんて」
そう言って榎田さんは頭をペコッと下げた。
「わわ、やめてくださいよ榎田さん」
本当に今回の件は榎田さんのせいではない。
ダンジョンライフが頼んだのは、宝箱の回収であり、攻略ではないのだ。
攻略しに最下層まで降りたのは自分の意思な訳で、その後の戦闘も自己判断で行った事、榎田さんが謝ることは何一つとしてない。
「いえいえ、お願いしたのはウチなんだし、柴崎さんが攻略したい気持ちもわかるんです、だからそんな無責任なんかでいたくないんです」
榎田さんはキリッとした目でそう言った。
やっぱりいい人だ。
「ありがとうございます、あ、忘れないうちにこれどうぞ」
そうして俺は広々バックから宝箱を五つを出した。
「え、五つ?いやいや残り二つは柴崎さんが受け取ってください、そういう契約ですし」
「いいんですか?」
「ええ、構いませんよ、ボーナスだと思ってください」
「ありがとうございます!」
俺はありがたく宝箱二つを頂戴した。
この臨時収入は大きいな。
まぁ今日は宝箱を渡しにきただけじゃないしな、東北遠征のことも伝えないと。
「ところで柴崎さん、聞きましたよ東北遠征行くらしいですね」
「え、どうしてそのことを」
「ああ、すみません、雛菊さんから聞いちゃいました……」
「雛菊……まぁちょうど今日話すつもりだったのでよかったです」
そう、ダンジョンライフは俺以外にも雛菊や他の攻略者のスポンサーもやっている。
おそらく最近雛菊も榎田さんにあったのだろう。
まったく口が軽いなあいつは。
「はは、まぁそうですよね」
「ええ、それで榎田さん次回の東北遠征の費用なのですが……」
「もちろん、うちが負担します、というさせてください!未攻略ダンジョンの遠征隊のスポンサーなんて、ダンジョンアイテム会社からしたら最高の広告なんですから!」
「え、あ、はい、そうですよね」
流石はダンジョンビジネスの最前線でやってる人だ、話が早いな。
「ええまぁ!あとすみません、柴崎さんにウチからもお願いがありまして」
「お願い?」
「はい!是非ともウチの新商品を雛菊さんと二人でレビューして欲しいのです!媒体はどこでも構いません、強いて言うならネットだと助かります」
雛菊と2人でレビューか……。
あんましやりたくないな、まぁでも遠征費用の負担してくれるしやるしかないか。
「もちろんです!任せてください」
「おお!ありがとうございます!!」
全く、ダンジョンビジネスの世の中では攻略者も楽じゃないね。




