55話 新戦力
「えー、そんじゃあ引き続きいくよー、雛菊頼むぞー」
「りょーかーい、雛菊っす!これからも頑張ります以上!」
雛菊は祭さんの呼びかけに席から立つ事なくそう答えた。
いやまぁ、祭さんもだいぶ適当だけどさ、雛菊よ、それはダメだろ。
「おい雛菊!それは失礼だろ、しっかりやれよ!!」
そう言って神宮寺がキレた。
いやこれは神宮寺が正しいな。
「うるせーよ、バーカ」
「……おいテメェ雛菊、さっきから黙れだの馬鹿だの散々いいやがって!いいだろう、ここでやってやるよ!固有スキル発動!神炎……」
『ドサッ』
「え、神宮寺!?」
雛菊の挑発に限界を迎へた神宮寺が、スキルを発動しようとした時、神宮寺は急に倒れてしまった。
これは一体。
「すみません、うるさかったので寝てもらいました」
「いやナイスだ北条ちゃん、じゃあそのまま挨拶も頼むわ」
そう言って祭さんはそのまま北条さんに挨拶を促した。
「ランキング11位、北条弥生ですよろしくです」
そう言ってちょこんと小さくお辞儀をした。
北条弥生、通称夢喰い。
SSSレアダンジョンアイテム、睡魔の煙管の適合者である。
睡魔の煙管は、自身が吐いた煙を相手に吸わせることで眠らせる事ができるアイテムで、眠った相手の見る夢のコントロールも可能。
能力だけで言えばかなり強力なのだが、条件が相手に煙を吸わせることなので中々決まるのは難しい。
席の配置的に、神宮寺は北条さんの隣だったしまぁ仕方ないか……つか9位と10位どうすんだろ。
「あ、あのぉ祭さん、私達はどうすれば……」
仙道さんが申し訳なさそうにそう言って手を上げる。
ま、まぁそうなるよな。
「あ、ごめんね!2人の挨拶は俺がやるよ、9位と10位の火野さんと仙道さんです、2人はあんまし順位変わってないしこんなもんでいいでしょ」
祭さんはそう言ってニコッと笑った。
おいおいそれはいくらなんでも……。
「まぁいいですよ、いつものことですし、それに今回は話してみたい人も来てるので、早くその人の自己紹介を聞きたいので」
火野さんはそう言って祭さんの隣に座る新しい12位の人を見た。
さすがは火野さん、大人な対応だ。
「ありがとう火野くん、物分かりが良くて助かる……じゃ、気になっているとご指名入った事だし自己紹介頼むね、槙島くん」
「わかりましたどうも槙島当千と申します、あ、名前は改名していて親から貰った名ではないですよ、気軽に千ちゃんとでも呼んでください」
そう言ってピカッと綺麗なビジネススマイルを槙島くんは作った。
凄い外面良さそうな雰囲気だけど、なんか不気味だな。
槙島当千、たしか半年ほど前に岩手で起きた雷龍事変で功績を上げた攻略者だったよな。
雷龍事変、新潟にある踏破20回以上の一般開放されている簡単なダンジョンで起きた雷龍の暴走。
当時はそこに誰も雷龍がいるなんて知らなかったため起きてしまった悲劇。
民間人の犠牲者こそでなかったが、当時そこにいたC~Bランクの攻略者20名以上が犠牲になった。
そんな惨状を1人で収めたのが当時S1だった槙島くんだ。
槙島くんは東條さんと一緒に雷龍鎮圧のため派遣され、そこで東條さんに1人でやらせてほしいとだけ伝えてダンジョン内に入り、本当に1人で雷龍を討伐してしまったらしい。
そこからも東北の難関ダンジョンで数々の功績を上げ、今回初のランキング12位以内の昇格。
何のアイテムを使ってるとかあんまり知らないけど、通称は知ってる。
「……首斬り、祭さんそいつをここに呼んだのは賭けですよ」
槙島くんが自己紹介を終えると四季さんがそう祭さんに話した。
「俺たちも一皮剥ける必要があるんだよ四季ちゃん、わかってね」
そう言って祭さんは四季さんを宥めた。
通称首切り、それが槙島くんの通り名である。
所以は、彼が倒したモンスターや魔族の首だけを持ち帰る異常者だからだ。




