54話 新たなランキング
「えー、それではこれから定例会議を始めます、前回に引き続き全員参加してくれて私はとても嬉しいです」
朝9時、定刻通りに会議が始まった。
前回同様、今回の進行役も祭さんである。
ま、この人以外になったことないんだけどね。
「それじゃあまずは自己紹介からいこうか、ではまず一位から……はい、まぁ俺ですね、祭十蔵ですよろしく」
祭さんは気怠げにそうに挨拶をした。
なんだ今の挨拶……まったくこの人は。
新ランキング1位は、前回まで3位だった祭さんである。
まぁ順当といえば順当である、新宿襲撃事件の時も、魔族一体の撃退と屋敷くんも倒しているわけだし。
「じゃあ次はランキング2位の……伊地知鏡花ちゃんです、よろしくね~」
「どうも伊地知です、私は元々海外を拠点にしていましたが、このたび祭さんのお願いで日本に帰国しました、よろしくお願いします」
そう言って伊地知さんは深々とお辞儀をした。
この子が噂の祭さんの秘蔵っ子か。
伊地知鏡花、SSSレアダンジョンアイテム、十至聖剣の適合者であり、通称は聖剣士。
そして彼女は、つい先日若織さんから神仙刀も受け継いでいる。
噂だと海外の難関ダンジョンを踏破しまくってるらしいしランキング2位も妥当だろうな。
「はい皆さん、伊地知さんに拍手しましょう~!」
「……おい祭さん、なんでこいつが2位なんだよ!」
祭さんが伊地知さんへの拍手を求めると神宮寺が声を荒げて立ち上がった。
「落ち着け神宮寺くん、3位の自己紹介はまだだぞ」
「そうですよ3位さん」
祭さんが神宮寺を軽く煽り、それに続く形で伊地知さんも神宮寺に挑発した。
おいおいよりによって神宮寺を挑発するとか、やるなぁ伊地知さん。
いいぞもっとやれ。
「お、おいお前、今俺を……」
「はい!じゃあ次は4位の人!お願いします!」
神宮寺が伊地知さんに食ってかかろうとすると、すかさず祭さんが遮り、4位の人へ挨拶を求めた。
神宮寺……どんまい。
「……4位の四季です、よろしくお願いします」
4位は四季さんである。
新宿襲撃事件では、上位魔族を単独で撃破する功績を挙げていることからも妥当な評価だと思う。
それに四季さんは冷静で戦略を練るタイプでもあるから、ランキング上位になった今、彼女には参謀としての役割も期待されている。
「はいありがとう、次は5位の柴崎、頼むぞ~」
「その気の抜けた前振り、する気ないならやめてくださいよ……まったく、5位の柴崎拓真です、よろしくお願いします!」
そう言って俺は軽くお辞儀をした。
「よかったなぁ真面目くん、ランクもとうとうS3になったらしいし、高級取りへようこそ」
『黙れ神宮寺』
俺の挨拶に神宮寺がダル絡みをすると、仙道さん、雛菊、火野さんが同時にそう言った。
……ざまぁみろバカ。
「えー、ゴホンッ、次は6位ね、蘭方!」
「どもー、6位の蘭方ッス!皆さんよろしく!」
6位は蘭方君だ。
蘭方君は今回、8位から6位へ俺と同じく2つ順位を上げており、それに加えランクもS3になっている。
本来、S3になるにはランキング5位以内が条件なのだが、蘭方君は魔王を撃退し本部を全壊から守っているため特例でS3となっているのだ。
正直、本人は認めたくないようだが新宿襲撃事件のMVPは蘭方君だと俺は思う。
「蘭方ありがとう、次7位の國枝ちゃんよろしくね」
「7位の國枝です、まだS2に上がったばかりですが、何卒よろしくお願いします」
この新ランキングで1番のダークホースは、7位の國枝さんである。
少し前まで彼女はAランク攻略者でランキングは50位圏外だった。
そんな彼女が短期間でこんなに順位もランクも上げたのにはわけがある。
そう彼女は適合したのである、発見から5年、誰も適合できなかった死王と。
「えー、國枝さんの上位ランクインには皆さん懐疑的だと思いますが、実力は本物なので安心してください、あと國枝さんはこれから頑張って周りの信頼を勝ち取るようにね」
「はい!」
祭さんはそう言って國枝さんを鼓舞した。
……祭さんって普段は適当なのに、ここぞって時はちゃんとした事言うんだよなぁ、本当に謎だ。




