51話 終結③
組合本部の半壊騒動から1週間後、俺は國枝さんと会うため渋谷のカフェに来ていた。
「ども」
「……お久しぶりです」
あの騒動の時、國枝さんは呼んでいないため騒動には巻き込まれていない。
「先週は大変でしたね、まさか本部があんな事になるなんて」
「まぁそうですね」
「貴方もだいぶ無茶をしたみたいですね」
「はは……そうですね」
國枝さんは俺の体を上から下まで見てそう言った。
魔族との戦闘で俺も腕と足に縫うくらいの裂傷を2箇所負っている。
東條さんや神宮寺、蘭方くんに比べたらかすり傷みたいなもんだけど、一般的に見たら痛々しいよな。
今も包帯してるし。
「私も参加したかったです」
「いやいや危ないですよ」
「なんですかその言い方は私だって攻略者なんです、いざってときの心構えはできています」
國枝さんは真剣な眼差しでそう答える。
確かに、攻略者にそういう心構えは必要だが……。
「心構えですか、正直なところ俺もそういう心構えはしているつもりですが、そういうのって口で言うのは簡単ですけどいざってときは、本当に難しいですよ」
「……」
「今回、本部を襲った魔族は計7体いました、その7体すべてが上位攻略者と同等かそれ以上の個体でした、俺は運良く生き残ったけど、不動さんは死んでしまったし、東條さんだって瀕死でした」
「……わかってます、そんなのはわかっているんですよ、どうせ私が行っても殺されていたでしょう、でも!それでもこのやるせない気持ちをどう処理して良いかわからないんです!」
そう言って國枝さんは立ち上がってしまった。
ま、まずい周りの視線が集まってきている……。
「落ち着いて、落ち着いてください」
「なんで、何で私はこんなに弱いのでしょう……」
そう言って席に戻った國枝さんはまた泣いてしまった。
うーんこの子は毎回泣いてるな、でもそんなに強くなりたいのか、なんか方法とかあったかな……あ、一つあるな。
「そんなに強くなりたいならいっその事、精霊や英霊と契約とかしてみます?」
「え?」
本部地下に、厳重に保管されているものがある、その名は死神の書と呼ばれるダンジョンアイテム。
レア度はSSSで、その本には死王と呼ばれる英霊が封印されており祭さんはその適合者をずっと探している。
まぁダメ元だけど國枝さんの思いを晴らすにはそれくらいしないとダメそうだしな。
「話は通しておくので、今度やってみましょうか」
「え、何を?」
「英霊適合です、それをすれば國枝さんは速攻でS2攻略者以上になれますよ」
「す、凄いですね」
冒険者にはランクがある。
A~Cの下級ランク。
S1~S3の上位ランク。
この二つがあり、俺はS2で國枝さんはAランクである。
ランクが上がるにはダンジョン踏破はもちろん、強さも必要で指標としてはS1に上がるためならSSレアダンジョンアイテム2つ以上が必要になり、S2ならSSレアダンジョンアイテムが3つ以上必要になる。
しかし特例もある、それはSSSレアダンジョンアイテムだ。
SSSレアダンジョンアイテムの適合者になれれば、問答無用でS2以上になれる。
つまり手っ取り早く強くなるにはSSSレアダンジョンアイテムの適合者になるのが1番早いのだ。
「じゃあ来週にでもやりましょうか」
「お願いします!」
俺がそう言うと國枝さんは嬉しそうに返事をした。
まぁ適合できるかはわからないけどね。




