49話 終結
「お、すげぇな逃げられてるよ」
ジュピターが着弾したところを確認すると、人の腕が2本落ちていたが、肝心のベルゼブブの姿と屋敷の姿がなかった。
『十蔵よ、あの魔族は良いが屋敷は逃すと後々厄介だな』
「ああそうだな、屋敷は特別だからな」
そう言って祭は八魔星の天銃をしまった。
「霊王よ、この感じとりあえずは終わったってことだよな」
『ああ、おそらくな、さっきまで感じていた魔族の気配が全て消えている』
霊王はそう答えた。
「そっか、霊王よ一つ頼まれごとを聞いてほしい、神宮寺を見つけてくれ」
『神宮寺をか?どうして』
「あいつのことだから、また無茶な戦い方をしてるに決まってる、だからお前が行って様子を見てきてやってくれ、あいつの力はまだまだ必要だ」
『わかった、東條はどうする?』
「おいおい、東條の心配はいらねぇだろ」
笑いながら祭はそう言った。
『はは、そうだな』
そうして霊王は神宮寺の元へ向かった。
一方、組合本部では、柴崎が蘭方を探していた。
「蘭方くーんどこだ、どこにいるー?」
柴崎は組合本部の上層階が落ちた瓦礫の上を探していた。
「まさか瓦礫の下か……だとしたらもう……」
瓦礫の下にいるかもしれない、柴崎が諦めかけたその時、遠くの方に人影が見えた。
「蘭方くん?」
柴崎がそう名前を呼ぶと影は柴崎の方へと向き直った。
「あ!柴崎さん!」
「良かった」
柴崎は見えた人影が蘭方であることに安堵して近づいた。
「蘭方くん、良かったよ」
「柴崎さん、俺負けちゃいました……」
そう話す蘭方はどこか晴れやかな顔をしている。
しかし目の奥に激しい怒りと悔しさがあるのを柴崎は感じた。
「まぁ仕方ないよ、次勝てばいいんだよ」
"次勝てば良いんだよ"、柴崎のそのセリフを蘭方はうまく飲み込めなかった。
「いや……次って、もう本部がこんなんになっちゃったら、もう負けでしょ」
そう話す蘭方の目には涙があった。
「負けか、まぁ負けかもな、でもここで負けても終わりじゃないだろ?むしろここから建て直すのがこれからの俺達の仕事だろ」
「……」
「負けて悔しいのはわかるけど、もう俺たちは子供じゃないんだ、一度負けたら次負けないように考える、そうして人は強くなってきたんだから」
「……ッス、俺強くなるッス」
「おう」
「もう負けんなよ蘭方」
そう言って柴崎は蘭方の肩を叩いた。




