47話 祭十蔵という攻略者
ーー代々木公園
ビルの倒壊から20分前
SSSレアダンジョンアイテム、八魔星の天銃。
適合者、霊王。
準適合者、祭十蔵。
準適合者とは、適合者が認めたものかつ、適合者と適合している者である。
現状、このような状態に該当するのは祭のみ。
「霊王よ、あいつ結構強いな」
『ああ、強いなまさか魔弾を3発受けても生きているとは』
そう話す、祭と嶺王の視線の先にはボロボロになりながらも立っているベルゼブブがいた。
「つ、強すぎる、というか弾が見えない……」
ベルゼブブが受けた魔弾は全て同じ弾である。
その名を魔弾マーキュリー。
魔弾マーキュリーは、八魔星の中でも最速の弾丸であり、まず狙われたら回避は不可能である。
しかし速度はあるが、特段それ以外に能力はなく、ただの速い弾。
だがそれが厄介なのである。
「さてと、ベルゼブブさんよ、洗いざらい敵さんの作戦を吐いてもおうかな」
そう言って祭はゆっくりとベルゼブブへと近づいた。
「ふっ、まだ私は降伏してませんよ、形態変化!」
そうしてベルゼブブは背中から大きな蝶の羽を生やした。
形態変化とは、魔族の中でも貴族が使える奥の手である。
しかし形態変化をしたからといって必ずしも強化されるわけではなく、形態変化をしたらむしろ防御力や攻撃力が弱体化するものもいる。
それでも形態変化をすることで、自分の特性を100%引き出せる状態になるので、一部が弱体化しても使う価値があるのだ。
そしてベルゼブブの場合、形態変化をすることで攻撃力は落ちるが、代わりに耐久力、持久力が底上げされる。
「あーそれが形態変化か、柴崎とか雛菊ちゃんが言ってた奴だな、見た感じ耐久力は上がってそうだな」
「ああそうだ、これならお前の魔弾も効かない」
「あっははは、そうかいならやってみよう」
そうして祭は銃口をベルゼブブへと向けた。
銃口を向けたその時、ベルゼブブは今だと思いとっさに加速した。
「油断したな祭よ、このまま貫く!」
『ズサッ』
そうして祭はベルゼブブに心臓を一突にされた。
祭にはSSレアダンジョンアイテムが7つある。
これは申告している数よりも多い。
「よし、このまま死ね」
『ポシュッ』
ベルゼブブが刺すと同時に祭は消えてしまった。
SSレアダンジョンアイテム、狂道化師の指輪。
これは適合者への攻撃を1日2度までなかったことにできるアイテム。
祭はそれを使いベルゼブブの攻撃を無効化したのだ。
「なっ、一体どこへ」
「ここだよ間抜け、魔弾装填サターン」
そうして祭はベルゼブブの背後を取り魔弾を装填した。
「な、嘘だお前は今刺されたはずだ!」
「へぇ凄いな」
『ズドン』
そうして祭はベルゼブブへ魔弾を放った。
魔弾サターン、土星の名を冠するその魔弾の特性は、被弾した者に付与する重さ。
その重さはその者が動けなくなる重さになるため、強さに関係なく効力を発揮する。




