45話 崩壊
『ゴゴゴッ』
「なっ、なんだこれ」
仙道さんとともに下へと階段降りていると、上から物凄い音がした。
ていうか屋上で戦ってるのって蘭方くんだよな。
そしたらあの白龍って蘭方くんなの?
いやいやそんなのありえない……いや蘭方くんならありえるなのか?
「拓っくんこれ、さっきの龍の攻撃じゃない?」
「……多分そうだと思う」
「でもどうする?まだ下に15階くらい残ってるけど……」
15階か……正直言ってこの音的に、ビルが倒壊してもおかしくはない。
ここは使うしかないか。
「15階ならギリいけるか……ごめん仙道さん後のことは頼むね」
「え?」
俺には実は切り札がある。
それはもう一つのSSSレアダンジョンアイテム新王。
新王は、登録上はダンジョンアイテムとなっているがその正体は過去にダンジョンの中に存在した国の英霊である。
そして新王の能力はスキルポイントではなく、気力を使う。
ただその分出力は強大で、その能力は強力な結界の生成である。
祭さんの霊王も結界を使うが、霊王の結界は自身を守るものしかない。
しかし新王は様々な結界を扱う事ができ、適合者の俺も新王の幅広い結界術を使える。
「新王頼むよ固有スキル発動、広範囲結界!」
『グワッ』
そうして俺は新王の結界術である、広域結界を発動させた。
広域結界、範囲は2~25メートルまで構築でき、強度はアルティメットスキルでもダメージが通らないほど強力である。
「ちょっ、拓っくんこの結界って?」
「ああ、俺のダンジョンアイテムのスキルだよ、ただここからさらに強度を上がるから、仙道さんはビルの中の人の誘導をお願い!」
「わ、わかった」
そう言って仙道さんはビルに残った人達を非難させるべく、走っていった。
「よしやるか固有スキル発動、結界強化」
『ギュイン』
そうして俺はさらに結界の強度を上げた。
よしこれで15階から下は、倒壊しないだろう。
ただ16階以上は……もしも上で戦っている白龍が蘭方くんだとしたら、大丈夫だろうか。
『拓真よ、久しぶりに使ったかと思えば凄いな倒壊間近のビルの中とは』
「新王か、ああ結構な窮地でね、結界をこのまま下へ伸ばしたいんだけど、できるかな?」
『ああできるぞ、しかしそんなに伸ばしてどうしたいんだ?』
「これはあくまでも勘だけど、あいつらの狙いは魔力生成の泉だと思うんだ」
『ほう』
「だからこのまま強力な結界で泉も護りたいんだ」
『なるほどなよくわかった、それなら共に結界を張るとしようか』
そう言うと新王は俺と共に結界を張りはじめた。
さてとこのままうまく護れればいいんだけど。
『ゴゴゴッ』
結界の強度が上がったおかげで、15階から下はうまく守れそうだ。
しかしこの様子だの上層階や屋上はもう倒壊しているだろう。
蘭方くん……。
蘭方くんの食べた奇蹟の種について、昔祭さんから少し聞いた話がある。
奇蹟の種には願望叶える力があると。
だとするとあの白い龍は蘭方くんの願望ということになる。
龍になりたかった可能性もあるが、俺は願望には2種類あると思っている、一つ目は夢や叶えたいもの。
二つ目はそこから逃れるための手段。
正直、龍になるのが夢な人は現代ではいないと思う。
そうなると、何かから逃れるために願ったと言う事になるが、龍にならなければ逃れられないものとは一体何だったのだろうか。
『拓真よ、結界を泉まで広げたぞ』
「ありがとう!よしそれじゃあ俺たちもここから脱出しよう」
そうして俺と新王はビルから出るため、階段を降りた。




