43話 後方支援の差
「はぁはぁ、なかなかやるねあんた」
「それはどうも、ベルフェゴールだったけ、そっちも手負いなのにしっかり強いね」
前線のベルフェゴールvs仙道遥は、手負いのベルフェゴールに仙道が善戦し勝負は拮抗していた。
つまりこの戦闘の勝利は後方支援のマモンと柴崎次第となっている。
「エンドスキル、大黒点!」
「アルティメットスキル、大輪玉!」
『ズドォン』
「くっ、強いな……」
形としてはマモンの大黒点を柴崎が大輪玉で相殺したように見えるが、僅かに大輪玉の威力が大黒点を上回っており、マモンにダメージが入った。
このまま続ければ、マモンはじきに消耗し大黒点の出力も落ちていく、そうすれば柴崎の大輪玉がマモンを沈めるだろう。
「いくよ嶺王の銀双刀固有スキル発動、千仭!」
勝負を決めるため仙道は固有スキルを使用した。
固有スキル千仭、無数の斬撃を放ち手数の多さで相手を仕留めるスキルである。
「くっ、こりゃあ多いね」
受けるベルフェゴールも上手く防いではいるが、手負いのため完全には防ぐ事ができず、ダメージを受けていた。
このタイミングで柴崎が攻撃を加えれば、ベルフェゴールを戦闘不能に追い込める、そして柴崎はそのタイミングを見逃さない。
「ここだ!アルティメットスキル発動【最大解放】大輪玉!」
そうして柴崎は自身の最高遠距離火力でベルフェゴールに追撃をかける。
「やらせんよエンドスキル発動、極大黒点!」
柴崎の渾身の一撃を相殺するため、マモンも自身の最大火力で迎え撃つ。
そうして2人の放ったスキルは空中でぶつかり轟音と共に巨大な爆発を引き起こす。
「はぁはぁ、どうだ……」
この爆発により役員室の天井は吹っ飛び、それにより屋上の床が抜けたため、空が見えていた。
「拓っくん、ナイスだよ、今のスキルマモンに防がれてはいたけど、ベルフェゴールにも当たってたよ」
そうして爆風が晴れていくと、倒れているベルフェゴールとボロボロのマモンが現れた。
「なんというか力、さすがは私の認めた攻略者よ、ただな残念ながらもう時間のようだ、上を見てみろ」
そうして柴崎と仙道は上を見上げた。
『グォォォォオ』
「な、なんだあれは」
上を見るとビルの上を2頭の龍が飛んでいた。
「黒い龍はおそらく我らが主人だが、白い方はわからん」
マモンはそう言って白い龍を睨んだ。
柴崎は龍をみるとすぐさまスキル解析を使い分析を始める。
そして解析により、黒龍がレベル145、白龍がレベル138である事がわかった。
「仙道さん、あの2頭両方ともかなり強いよレベル換算しても軽く130は超えている」
「ひゃ、130!そんなのヤバすぎでしょ」
現存するモンスターで1番レベルの高いのは神宮寺の不死鳥のレベル158であるが、そもそも140を超えたモンスターは倒せないと言われている。
その理由は純粋に耐久力が高すぎてダメージが通らない事、そしてダメージは通っても再生力が高すぎて即座に回復されてしまう事などが挙げられる。
「……まぁそういうことだ、あの2頭が暴れたらどうなるかわからないお前ではないだろう、どうだ攻略者よ、ここは双方痛み分けとして終わりにしないか?」
「……仙道さん、わかってると思うけどこのビルの中にいる人たち逃さないといけないからここは退くしかない」
「そうだね、悔しいけどここは」
「わかったマモン、この場はお互いに痛み分けとしよう、ただ次はないからな」
「ふふ、ああ次はお互いに命を賭けよう、さらばだ」
そうしてマモンは瞬間移動でベルフェゴールを連れてその場からいなくなった。
「さぁ仙道さん、今すぐに俺達も退避しよう、もちろんビルに残る他の人も連れてね」
「うん」
そうして柴崎と仙道はその場を離れた。




