41話 蘭方御厨の本領
眼前に迫る魔王の影20体を前に蘭方は一人、笑を浮かべていた。
「あっははは、すげぇお前がいっぱいいるぞ」
「そんなにおもしろいか、ならそのまま死ね!」
そう言って魔王の影の3体が蘭方に襲いかかった。
魔王の影は影から作られてはいるが、本物と見分けつかないほどリアルな分身となっており、肌感や色合いも本物そっくりとなっている。
そのため一瞬で見分ける事は困難なのだ。
しかしそれは一般人に限るが。
「はは、偽物には負けねぇよ、来い光よ、スキル発動、シャイニング!」
『ピカー』
蘭方がそう言うと右の拳が燦々と輝き出した。
「さぁて影は光に弱いよなたしか、さぁ消し飛べ、シャイニングブロー!」
『ズドォン』
「ほう」
魔王の出した影3体は跡形もなく消し飛んだ。
蘭方の放ったシャイニングは、あらゆるモノを消しとばす力を持ち。
スキルによる攻撃も奥義はさすかに厳しいが、強力な固有スキルくらいまでならシャイニングで相殺可能である。
「さぁてあとの17体も一気にやっちまうか」
「なるほどな、屋敷が警戒するわけだ、私も真の姿を見せるとしよう」
「真の姿、なにそれ?」
そう言うと魔王の背中にヒビが入った。
『ビキビキ』
「蘭方よ私はなまだ完全体ではないのだ、このように古い身体を常に更新させて新しい体へと昇華していかねばならなくてな」
そうして魔王の身体から少し痩せた新たな魔王が生まれた。
「き、キモいなお前」
「キモいだと」
そう蘭方の言うとおり、生まれたての魔王は少し滑っとしておりキモかった。
「まぁキモいけど強くはなったみたいだな、不気味なオーラがより一層強くなってる気がするし」
「おいその不気味なオーラってのは、キモいって事か?」
「違えーよ!強そうだなって意味だ!」
「そ、そうか」
魔王は少し嬉しそうだった。
あまりにもキモがられたため、危うく自信を魔王は無くしかけていたが、今の一言に救われていた。
「まぁ変身できるのは俺も同じだし、そこは俺も合わせるか、ちなみに俺のはお前のよりはるかにカッコいいぞ」
「ふっ、カッコいいと強いは別だろ」
「いやいや同じだよ、スキル発動、形態変化白龍!」
蘭方がそう言うと、蘭方の身体は突然膨らみ始め、あっという間に両手は大きな鉤爪が目立つ腕となり、足は何倍にも膨れ上がり強靭な脚となった。
『グオオォォ!』
そうして蘭方は大きな白い龍となった。
「まったく上位の攻略者にまともではない奴なんていないのだな」




