31話 vs魔王
「……」
魔力生成の泉は、17年前に牧田陽介によって作られた最初のSSSレアダンジョンアイテムである。
電力を魔力に変換し、それを貯蓄したり供給したりするアイテム。
最初動かす時だけ竜人族の生命エネルギーを使用したが、その後は電力を魔力に変換し続けて自身の魔力を補い稼働している。
組合はこのアイテムを使ってスキルポイントを生み出し、ダンジョンアイテムを運用しているのだ。
もしもそれを失った場合、現代の人類は魔力を持たないため、ダンジョンアイテムを使用する事ができなくなる。
「なんだ黙るのか東條、つまらんな、それなら死ね、エンドスキル発動、破壊球」
魔王はそう言って右手から禍々しいオーラを放つ球を出した。
「どうだ東條、この球を見ろ素晴らしいだろう、今からこれを……お前に……ゴホッゴホッ、クソどう言う事だ何故まだ燃え続ける、何故消えない」
神葬琰剣【奥義】神葬延火、これはただの奥義ではない。
発動時間も数ある奥義の中で最長である。
この奥義は1分につき100ポイント消費することで、発動者に影響を与えない炎を維持することができ、ある程度火力の調整や炎自体のコントロールも可能。
そして東條には、新王の耳飾りがあり1分につき消費するポイントは10ポイント。
つまりほぼずっと自分に害は無いが相手を削る炎を発動しておけるのだ。
「……どうした?辛そうだな、また死ぬぞ」
「クソ攻略者が、今すぐ殺してやるよ、喰らえ!!」
魔王はそのまま破壊球を東條へと発射した。
「SSレアダンジョンアイテム、嶺王の盾解放!」
『ズドォン』
東條がそう言うと付けていた指輪の一つが光り、大きな盾となり破壊球を防いだ。
しかし破壊球の威力は想像以上に高く、嶺王の盾は半壊してしまった。
「ははっ、残念だったな自慢の盾が1発で使い物にならなくなったぞ」
「……別にいい、俺はただこうやってお前の攻撃を凌いでいればあとは勝手にお前が死ぬだけだ」
「凌ぎきれればの話だろ?」
『ズォン』
そうして魔王は破壊球を今度は5つ同時に発動させた。
「俺が死ぬ前にお前が死にそうだな、東條」
「SSSレアダンジョンアイテム、覇王のバルムンク解放」
魔王の技に対応すべく、東條も3つ目のSSSレアダンジョンアイテムを解放した。
バルムンク、見た目はいわゆる大剣である。
固有スキルはなく、奥義もない。
純粋な威力と一つの特性でSSSレア認定をされている。
その特性とは、刃に触れた物の魔力を奪い能力を無効化するというもの。
ちなみに東條は適合者であるためこの剣を片手で振るう事が可能。
「ほう、いい剣だな」
「……そういうのはいらないから早く撃てよ」
「……生意気な、わかったよ死ね!」
東條の言葉に刺激され魔王は5つの破壊球を東條へと放つ、放たれた5つの球は弾丸の如く東條へと向かうが、嶺王の首飾りを使用しているため、身体能力が大幅に上がっている東條の目はそれを正確に捉えていた。
『ズパン』
「なっ、切っただと」
破壊球はバルムンクで切られるや否や、そのまま消失した。
「なるほど、スキルを無効化できるのか」
「これでお前を斬れば、お前はどうなるんだろうな」
「……さぁてどうなるんだろうな」
魔王に3千年振りの緊張が走る。




