28話 最も頑丈な魔族
「神皇炎、双炎」
神宮寺はサタンに向けて両手から神皇炎を放った。
「エンドスキル、破撃双拳」
『ドゴォン』
サタンは両手に破撃を纏いそれを相殺した。
だが、サタンの両手にはダメージが入っていたのか右手の小指が欠損している。
サタンはそれを見てニヤリと笑った。
「すごい、凄いぞ神宮寺!!俺が傷ついているぞ」
「はは、今のでそんだけか」
自身が傷ついた事に高揚しているサタンとは対照的に神宮寺はかなり弱ってきていた。
神皇炎は本来なら、一撃必殺にしなければならない。
今の双炎でもう5発は神皇炎を撃っている。
それでやっと小指1本。
神宮寺は軽く絶望しそうだった。
今まで大抵の敵には神炎で十分だったし、たとえ強敵と戦ったとしても神皇炎1発で大体は灰にできていた。
なのにサタンは5発受けても平気な顔をしている、それどころかボルテージがどんどん上がっていきスキルの出力も上がってきている。
この事実に神宮寺の心はもう限界だった。
だがそれでもここでやるしかない、やらなければ若織が攫われてしまう。
それだけは阻止せねばならない、その思いが神宮寺を奮い立たせる。
「神皇炎、炎槍!!」
『ズォォ』
神宮寺は左手に神皇炎を集め、一本の槍とした。
「今からこれでお前をブッ刺す!そんでしまいだ」
「おもしろい、なら刺してみてくれ!」
そう言ってサタンは自身の胸を差し出した。
「はぁ!?お前、一体何してんだよ」
「いやすまんな、別にお前を舐めているわけではない、ただ知りたいんだ、自分が本当に頑丈なのか」
「いやいやわけわかんねぇよ」
魔族サタンはここまで自身を傷つけてくる相手に初めて出会い、改めて自分の頑丈さを知りたくなっていた。
ただこれは神宮寺にとってチャンスでもある。
今まではスキルで技の威力を弱められていたが、今なら弱められる事なく威力を維持したままサタンに攻撃を当てることができるのだ。
やるしかない、神宮寺はそう考えた。
「頼む、神宮寺!」
「後で恨むなよ、いくぜ!!」
『ズォォ』
神宮寺はここしかないと思いさらに火力を上げた。
「食らえ炎槍!!」
『ドゴォン』
そのまま神宮寺の投げた槍はサタンに命中し、大きな爆発が起きた。
土煙で視界は見えないがおそらくサタンは爆散した、神宮寺はそう思っていた。
『シュオオ』
「ぐはっ、はぁ、はぁ、生きている、生きているぞ神宮寺」
「ありえねぇ」
文字通り全開だった、もうこれで使い切ってもいいそのくらいで放った大技だった。
興奮するサタンとは対照的に神宮寺の心が折れる。
「はは、俺はやっぱり頑丈なんだ、ゴフッ」
起き上がったサタンだが、立ち上がるや否や吐血した。
防ぐ事なく丸腰で神皇炎を受け、さすがのサタンにも限界は近い。
しかし。
『ドサッ』
「あれ、おい神宮寺?」
限界は神宮寺の方が早かった。
そのまま神宮寺は倒れてしまう。
「嘘だろ、あれで終わりか、おいおい俺はまだまだやりたりねぇぇぇよぉぉぉお!」
死が近くなりサタンはハイになっていた。
「クッソこの気持ちを俺はどうすればいいんだ、あ、そうだお前にぶつけよう、さっきのと反対だ神宮寺、今度はお前が俺の全力を受けろ、エンドスキル発動、極波撃」
サタンがそう言うと、サタンの右腕にさっきまでとは比べ物にならないオーラが集まりだした。
『ブワッ』
「あ?なんだ」
サタンが最後の大技に入った時、倒れている神宮寺の身体に炎が灯る。




