第3話 ダンジョンボス。
「まさかランキング上位の攻略者に会えるとはな」
「私、ファンなんですよかったら握手とかしてもらえませんか?」
「え、あ、握手?別に大丈夫ですよ」
そのまま俺は女の一人と握手した。
うーん、なんだろこの感じやっぱり慣れないなぁ。
ランキングが20位以内に入ってからは、ラジオとかテレビ番組に呼ばれる事が何度かあり、そうして出演を繰り返すうちにファンと呼べる人達も増えていった。
そのまま自然とファンとの交流会などを組合が主催で開催したりして、今みたいに握手したり写真を撮ったりしたけど、なんか違う気がするんだよなぁ。
「なぁ、柴崎さん、今日は一人なのか?パーティーとかは組んでないの?」
「こらお兄ちゃん!柴崎さんはソロなんだよ!」
「え、ソロなの!すごっ!」
「いやいや凄くないよ、好きでやってるだけだし」
基本的に攻略者はパーティーを組む。
利点はいくつかあって、役割の分散にリスク軽減などがある。
俺も最初はパーティーを組んでいたが、訳あって一年半前に解散し今はソロでやっているのだ。
「柴崎さん、先程はありがとうございました、僕はこのパーティーのリーダー榊田です」
「え、ああどうも」
先ほど倒れていた男性が回復し挨拶してくれた。
どうやらこの人がリーダーらしい、歳は俺と同い年くらいか。
「まさかこんなところでS2攻略者に逢えるとは、感動です、僕も握手していいですか?」
「え、ああいいですよ」
そうしてまた握手した。
まずいなこの感じだと全員と握手する流れになるかもしれん。
早く離れないと。
『ビー!』
「え、な、なんの音?」
「緊急用アラートです、どうやらこの近くにダンジョンボスがいるっぽいですね」
「な、だ、ダンジョンボス!」
ダンジョンボス、そのダンジョンにおける最大クラスのモンスターであり、レベルは平均して50以上はある。
正直、レベル50以上は俺でも倒すのは難しい。
とりあえず、この人達には避難してもらおう。
「俺はこれからダンジョンボスの攻略に行きます、危ないので皆さんは離脱してください」
「え、みたい!上位攻略者vsダンジョンボス!」
「おい綾女!何言ってんだよ危ないんだぞ」
「え、だって、でもお兄ちゃんも見たいでしょ?」
「それは見たいけどさ」
そう言って二人は俺の方へと視線を向けた。
いやいやだめだからね。
そんな視線を向けても!
「やめろ2人とも、すみません柴崎さん、僕達はこのまま離脱します」
「どうもありがとう榊田さん」
「いえいえ、ダンジョン攻略できること祈ってます、ほら國枝も行くぞ」
「琴音も行くよ!」
「う、うん」
そうして4人は上層へと向かっていった。
やれやれファン?の相手はいつも変に疲れるな。
『ビー!ビー!距離5メートル』
近いな、さぁてここのダンジョンボスはどんな感じなんだろうな。
暗がりで奥が見えないが、正面の廊下から何か異質な気配がした。
どうやらお出ましのようだな。
「ククッ、お前が攻略者だな、生憎だがここにいた元のダンジョンボスは俺が核を食った、故に新しいボスは俺だ」
そう言って奥から現れたのは魔族だった。
嘘だこの程度のダンジョンに魔族だと、どうなってる。
魔族は、超難関ダンジョン、それこそ日本なら東北の青森にあるダンジョンにしかいないはず。
しかもその青森のダンジョンだって全80階層ある、まだ一般公開されていない秘匿ダンジョンだ。
ど、どうなってるんだ、一体。
しかも核を食べただと、どういうことだ。
「まぁ考えても仕方ないか、柴崎拓真、ダンジョン攻略を開始します」




