23話 裏切り
「屋敷くん、嘘だろ」
魔族になったってどういう事だ。
人が魔族になれるのか、いやそんなの聞いた事ない。
一体屋敷くんに何があったんだ。
「はは、あー気分最高、固有スキル発動、転移の扉」
『ズォ』
屋敷くんはそのまま転移の鍵の固有スキル、転移の扉を発動させ、扉の中から2体の魔族が出てきた。
「屋敷、遅かったな」
「屋敷ちゃんお疲れ、あとは私たちに任せてね」
「どうもお二人とも、いや僕も戦いますよぉ、だって祭さんも東條さんもいるんですよ、そこは僕も戦わないと」
「あれが最強の攻略者東條か、屋敷、あいつだけを本部に転送しろ」
「え、いいんですかぁ?」
「ああ問題ない」
「じゃあ遠慮なく」
『ズォ』
屋敷くんがそう言うと東條さんの足元に扉が現れた。
まずい東條さんがっ。
「東條さん!」
「大丈夫だ俺なら心配ない、それよりもここを頼む、あと屋敷、俺はお前のこと信じてるからな」
「はは、おもろい、バイバーイ東條さぁん」
そのまま東條さんは扉の中へと消えた。
「さて屋敷、アスモデウス、俺たちは正面の攻略者達の足止めだ」
「えー、倒さないの?」
「いやぁ無理ですよアスモデウスさん、だってこの人達かなり強いですから」
女の魔族の問いには屋敷が答えた。
東條さん……何故、東條さんだけ行かせたんだ。
あの人が本部に行けば、大抵のことならどうにかできると思う。
こちらからしても、東條さんなら単独でも安心して任せられるし。
でも今回のは何か魔族側に東條さんに対する策があるように感じる。
嫌な予感がするな、俺も本部に行こう。
「祭さん!俺も本部に向かってもいいですか?」
「柴崎、ああ頼む、魔族側の動きが何か怪しい、東條にかぎって死ぬことはないだろうが心配だ、蘭方くんに仙道ちゃん、2人も柴崎について行ってくれ」
『了解!』
「残った、火野さん、俺、不動くん、雛菊ちゃんでこいつらの相手をする、四季ちゃんもルシファーの相手をお願いね」
『はい!』
「皆さん!気をつけてくださいね!」
「ああ、柴崎も東條と本部を頼むぞ」
そうして俺は仙道さん、蘭方くんと共に本部へ向かった。
しかし、屋敷くんがまさか魔族になるなんて。
あの様子だと性格も以前の屋敷くんとは別人だったし。
そもそもあれは本当に屋敷くんなのか、いやでも SSSレアダンジョンアイテムは適合者にしか使えないし。
うーん、わからん。
「柴崎さん、柴崎さんってば」
「……ああすまん、蘭方くんどうした?」
「いや、なんというか、俺、柴崎さんと一緒に何かするの初めてなんで、ワクワクしてて」
「え、あ、ああそうだな」
ワクワクって……この非常時に何言ってんだが。
蘭方御厨、攻略者ランキング8位。
SSSレアダンジョンアイテム、奇蹟の種の適合者であり、通称天才。
SSSレアダンジョンアイテム奇蹟の種は、適合者、つまり食べた者にあらゆる特異な能力が発現するアイテムである。
そのため蘭方くんには、神宮寺の不死鳥ほどではないけど超再生能力もあるし、超人的なパワーや跳躍力も信じられないくらいある、そしてこのアイテムの凄いところは、能力に上限がないこと。
つまり、奇蹟の種の宿主が望む力が手に入るのだ。
昔、祭さんが言った言葉がある。
"今の攻略者の中で俺や東條を超える可能性のあるのは屋敷と蘭方だろうな、あと神宮寺は絶対ない、強いけど絶対ないな"と言っていた。
そのため屋敷くんと蘭方くんの通称には、文字は違うが同じ言葉が使われており、これはお互いに高め合って欲しいと祭さんが願ったためこれにしたらしい。
ちなみに俺も神宮寺は人間性的に、人の上に立てる人物ではないと思うので同じ評価だ。
すまんな神宮寺。




