16話 青森ダンジョン
「おいテメェ、ここがどこだかわかってんのか!」
「……」
青森第三ダンジョン、68層に東條はいた。
「聞いてんのか?ここは魔族のテリトリーだ、なんで人間がいんだよ」
東條は今、絡まれていた。
青森第三ダンジョンのざっくりとした地形は、祭十蔵から聞いてはいたが、東條は思いっきり迷い魔族のテリトリーに入ってしまった。
この件に関して東條は悪くない。
悪いのはちゃんと教えていない祭である。
青森第三ダンジョンには、無数の魔族のテリトリーが存在しており、探索の際は避けるようにと言われていた。
まいったなと、思う反面まぁこれはこれで良いかと東條は思っている。
「SSSレアダンジョンアイテム、新王の神葬琰剣解放」
SSSレアダンジョンアイテム新王の神葬琰剣、スキルポイントを消費して炎系の固有スキルを発動させるアイテムである。
東條の場合、SSレアアイテム新王の耳飾りを装備しているため、スキルポイントの消費効率がよく、例えば普通は1000ほど消費するスキルでも、100ほどで発動可能。
故に、新王の神葬琰剣とは相性がいい。
「なんだその綺麗な赤い剣は、くれ!俺にくれよ!」
「すまんな、これはあげれない、かわりにこれをやるよ、固有スキル発動、聖炎」
『ブワッ』
東條が剣を空をなぞるように振ると、魔族は燃えた。
「あ、熱い!なんだこれ、おいやめてくれ」
「じゃあな」
「だ、だずげて」
そのまま魔族は灰になった。
東條の今回の探索には個人的な目的がある。
それはダンジョン攻略ではない。
魔族の可能な限りの殲滅である。
そのため、テリトリーを通るのは彼にとっては本望であった。
「な、なんだ今燃えたぞ」
「おい!人間がいるぞ、食っちまおうぜ」
同胞が燃えたのを目撃し、複数の魔族が出てきた。
ざっくりだが、10体ほどはいる。
「ちょうどいいな、大聖炎」
『ゴォォ』
「な、なんだこいつ」
「やべぇ、やべぇよ」
魔族の群れを大炎が包む。
大聖炎は、スキルポイントを通常なら20,000ほど使う。
しかし東條の場合、それが2,000で済む。
「こ、こんなの効くかー!」
身体の大きい魔族の1人が炎を抜けて東條に突っ込んだ。
「……」
「へへ、驚いてんな、そのまま死ね!」
炎を抜けた魔族はそのまま東條に襲いかかった。
『バチンッ』
「な、なんだこれ」
東條に殴りかかろうとしたが、魔族の拳は東條に届く事はなく手前の見えない壁に阻まれた。
SSレアダンジョンアイテム、賢者の仙石。
適合者に敵意あるものを自動で弾く結界を作る事ができる石であり、東條はそれをズボンに装着した専用のホルダーの中にいれている。
また結界は、対象にたとえ敵意があったとしても東條の意思で通すことも可能。
「……炎を抜けたのは凄いな、まぁでもそれだけだ、炎が効きにくいならこれならどうだ?」
『ズオ』
「な、なんだこれ引き寄せられる」
SSレアダンジョンアイテム、覇王の指輪。
これは大量のスキルポイントを消費し、引力や斥力を使用できる物である。
「耐えてみろ、そしたらまた遊んでやるよ」
「なっ!!」
『バシュ』
魔族はそのまま吹き飛んでいった。
ダンジョンアイテム制作者によると人がSSSレアダンジョンアイテムに適合できる数は最大で2つまで。
理由は3つ以上に適合した場合に重大な精神的負荷を伴うためだ。
しかし東條は4つのSSSレアアイテムに適合している。
これは彼が並外れた精神力を持っているから可能であり、普通なら廃人になっているだろう。
「さて、早く最下層までいかないとな」
そうして東條は最下層へと向かった。




