113話 深淵王vs14位
「鈴木隊長ー!!」
若い隊員の1人がそう叫ぶ。
しかし深淵王は魔剣を鞘に完全に収めてしまう。
『チン』
『虚しいな青年よ、だがこれもまた運命』
「く、くそぉ、お前だけは絶対にここで止めてみせる」
『やれるものならやってみるがいい、挑戦する事には意味がある』
『ジャキッ』
深淵王は魔剣を引き抜いた。
「SSSレアダンジョンアイテム錬成王の氷魔刀、解放」
『何だ?』
自衛隊の間を縫うように1人の青年が、凍てつく刀を握り現れた。
「遅くなってすみません、S2攻略者、高梨連夜ただいまより目の前の英霊の討伐を開始します」
『ほう攻略者か、ずいぶんと遅い到着だな』
「あはは、すみません迷ってしまって」
連夜は笑いながら謝ったが、周りの自衛官の反応を見て何があったのかを悟った。
「どうやら、もっと早く来なければ行けなかったようですね」
『その通りだ攻略者、お前が遅れたせいで此奴らの隊長は死んだぞ』
深淵王はそう告げる事で、連夜の精神に負荷をかける。
「それは……すみませんでした、その代わり絶対にこの英霊を倒すので、自衛隊の皆さんは市民の方々を守ってください、魔族の雑兵達はここを抜け中央区に向かっていますので」
「ああわかっている!本当は悔しくて堪らないが、あの魔族の群は見過ごせない、仕方ないがここは任せるぞ攻略者」
「はい、任せてください僕強いので」
鈴木大隊長を失った自衛隊は悲しみに暮れる事なく、中央区へ向かう魔族へ攻撃を開始した。
「撃てぇ!鈴木大隊長の無念、我らで果たそう!」
『了!!』
魔族の雑兵を追う自衛隊を眺めつつ、深淵王の意識は目の前のS2攻略者、高梨連夜にあった。
「良かった、自衛隊の人達は街を守りに行ってくれたみたいだ、こっちも全力でいくよ、凍てつく牙の大浪よ共に参ろう、顕現せよフェンリル」
ーー祭サイド
「ちょっと運転手!もっと飛してよ」
札幌へと向かうタクシー内で、雛菊は運転手に急ぐようにそう言った。
「落ち着け雛菊、急いだところでどうせ始まってる」
「祭さん……」
人類側の最高戦力にして、最大のお荷物である祭十蔵は焦る雛菊をそう言って落ち着かせた。
「雛菊よ、俺もただの飲んだくれじゃないんだ準備くらいはしてる、札幌はまだ大丈夫だ」
「まだ?」
「……司から、4日ほど前に連絡があって、魔族もかなりの戦力増強を行っているようだと」
「戦力?」
「奴らは英霊や精霊までも味方につけ、北海道を支配しようとしているらしい」
「な、なんだしそれ、尚更急がないとじゃん」
「落ち着け、だから俺も使える手駒の内で可能性のある者たちをこの札幌に呼び寄せた、まずはS2攻略にしてランキング14位高梨連夜、こいつの才能は蘭方にも勝るとも劣らない」
祭は空港で買った日本酒を飲みながらそう話す。
「そして、ランキング15位御影小夏、こいつはかなーり特別だ」
「特別?」
「ああ、俺が何回も交渉してどうにか適合者になりたかった英霊がいてな、終ぞ適合者になれなかったが、御影はなれたんだ、そう嶺王のな」
『グビッ』
そう言うと祭は、日本酒をかなりの量仰いだ。
ーー中央区にて
ーとあるビルの屋上
「この地を、この都市を守るためここに鉄の城壁を作る、協力してね嶺王」
『当たり前だろ小夏、俺の最推しよ』




