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111.5話 神宮寺の災難



 神宮寺倫也、独身31歳。

 年収億越えのいわゆる独身貴族である。

 今日も彼はお気に入りのランボルギーニに乗り込み、西麻布へと向かう。


 「あー、今回のダンジョンも疲れたわ〜」

 「え、大変だったんですか?」


 助手席のイケイケ女子大生が興味ありげな反応を示した。

 神宮寺にとってイケイケ女子大生アクセサリーのようなもの、飽きたら変え飽きたら変えを繰り返していた。


 「まぁな、一緒だったメンバーがヘマしやがってさ、ま、俺がいたからどうにかなったけどさ」


 神宮寺は澄ました顔でそう話す。

 すると女子大生は目をキラキラと輝かせ、神宮寺を見つめた。


 「わぁ、神宮寺さんカッコいい!!」

 「いやそうでもないよ」


 そうして神宮寺は西麻布へ車を走らせる。


ーー西麻布にて


 ここには神宮寺行きつけのバーが何軒かあり、その日の気分でバーを変えている。


 「着いた、さて行こうか」

 

 24時間パーキングに車を停めて、神宮寺は今回で3度目のバーに行く事にした。


 「うん!楽しみ!」


 イケイケ女子大生は、神宮寺にピッタリとくっついた。


 「おう」


 澄ました顔で歩く神宮寺、そうしてバーにあっという間に着く。

 

 『ガラン』

 「いらっしゃいませー」

 「2人で」

 「あちらの席へお願いします」


 案内されたのは店の奥、個室だった。

 個室は普段予約しないと行けないのだが、たまたま空いていたのだろう。

 嬉しさのあまり神宮寺に笑みが溢れる。


 『ガラガラ』


 引き戸を開けると、そこはクッションと良い感じの間接照明のある部屋になっていた。


 「良い感じじゃん!やったー」

 『ポフッ』


 イケイケ女子大生は、クッションへとダイブした。


 「おう、そうだな」


 澄ました顔を崩さない神宮寺だが、心の内では大喜びしている。


 「まぁ今日は飲み明かそうや」


 そう言って神宮寺は、引き戸を閉める。

 しかし、引き戸が途中で何かに引っ掛かり閉まらない。

 

 「なんだよこれ、何が引っ掛かって……あ」

 「やぁ、神宮寺くーん」


 目の前にはニヤけ顔の祭がいた。

 

 「……終わった」

 「いやいや始まりだろう」


 祭は固まる神宮寺をよそに部屋へと入っていく。


 「お邪魔しまーす!」

 「え、誰?」

 「十ちゃんその入り方はヤバすぎー」


 そしてその後ろからキャバ嬢2人も入室していくざまを神宮寺はただ眺めるしかなかった。

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