104話 城戸麗奈と不死鳥
『シュオオ』
ダンジョンから不死鳥の手により運び出された神宮寺は不死鳥の再生力により、失われた右腕と左脚、そして内臓の損傷が急速に回復していた。
『まったく、無茶をしたね神宮寺』
「ん、ここはどこ?」
そのとき、神宮寺の横に寝かせていた城戸麗奈が目を覚ます。
『おや、お目覚めかいおはよう』
「うわっ何この紅い鳥、普通に喋っているんだけどっ!」
麗奈は目の前にいる不死鳥に驚いた。
『はは、その反応昔の倫也のようだね』
「倫也?」
『ああ、君の横で寝ている彼のことだよ』
そう言われて麗奈は横で寝る神宮寺を見た。
「ふーんこの人が倫也ね、なんだ普通におっさんじゃん」
『はは、ずいぶんキツイ事を言うね君、でもそんな君を助けてくれたのは彼だよ』
「そ、そうなんだ、ならまぁありがとうかな、ていうかここはどこなの?私、御厨達とダンジョンに行って、そこで遭難してさそこからの記憶が曖昧で、何か知ってたら教えてくれない?」
城戸麗奈の頭の中にあった狂道化師による洗脳は、不死鳥の炎により浄化されている。
それにより城戸麗奈の頭にあった鶏鳴狗盗と共にいた2年間の記憶が消滅してしまい、この2年間について、麗奈の感覚的には記憶喪失に近い現象が起きていた。
『ほう、記憶喪失か、なるほどなそうなったのか、正直に話すが君が思い出そうとしている記憶は良くない記憶だ、思い出さないほうが君のためになると思うよ』
「何それ?いやいや思い出さない方がいい記憶ってそれ、私に何か良くない事があったって事だよね、そんなの知りたくなるに決まってるじゃん」
『まぁそうか、思い出すのはこれからゆっくりやっていきなさい、私はそれに関しては専門外だからね』
「あっそなら私の勝手にするからね、で、これからどうするの?」
『そこに寝ているおっさんが起きてから決めるつもりだよ』
不死鳥もしれっと神宮寺をおっさん呼ばわりした。
その時、神宮寺の耳がピクリと動く。
「おい……誰がおっさんだコラ」
「うわっ起きたんだけど、キモっ」
「寝起き早々に煽られるとは、初めての経験だな、んで不死鳥よここはどこなんだ?」
目覚めた早々に麗奈にキモがられつつも、神宮寺は落ち着いて不死鳥にそう訊ねた。
『おはよう倫也、ここは関東第4ダンジョン近くの山の上だよ、人里からは離れているから人気はないけどね』
「そうか、なら一先ずは安心できそうだな」
不死鳥の言葉を聞いて安心した神宮寺は、また目を閉じた。
「いやいや人里離れてるって一大事じゃん、何を呑気に寝ているの、このおっさん!」
「おいうるせぇぞ、今は回復中だそのうちお前を担いで山を降りるから、それまでお前も寝てろ」
そう言うと神宮寺はまた眠ってしまった。
「もー、何これ!よくわかんないんだけど」
麗奈は不透明すぎる状況にイライラしていた。
『良かったらしりとりでもするかい?私はこう見えて結構雄弁でね、しりとりが好きなんだよね』
「……する事ないからしようかな」
そうして麗奈と不死鳥は仲良くしりとりを始めた。




