102話 各自の脱出
ーー四季サイド
『ゴゴゴッ』
『織姫、まずいぞここのダンジョン、崩壊が始まっているぞ』
「う、うんそうだね」
四季はレヴィアタンから受けた傷が思ったよりも深く、冷や汗をかいていた。
『織姫……』
氷帝は心配そうに四季を見ていた。
「スキル、クイックヒール発動」
四季は氷を溶かして傷だけ塞いだ。
「そんなに心配そうにしないでよ、氷帝くん傷は塞いだからもう大丈夫だよ」
『う、うむ……』
氷帝はどこか納得のいかない表情をしつつも、四季のその言葉を信じる事にした。
四季の傷はクイックヒールで塞いだだけで、内臓の損傷は治せていない。
一刻も早く病院に行くか、仙道の治療が必要な状態ではある。
「くっ……」
『や、やっぱり痛むのか?』
「う、うん、ちょっと無理かも」
『ドサッ』
そうして四季は倒れてしまった。
『まずい、織姫!織姫しっかりしろ!このままでは死んでしまう、誰か誰か来てくれー!!』
氷帝は誰かに気がついてもらうため大声を上げた。
「え、誰?誰かいるのー!」
氷帝の声に反応してこちらに何者かが走ってくる気配を氷帝は感じ取る。
『よ、よしなんとか助けを呼ぶ事には成功したが……ここまでか、織姫、無事を祈っているぞ』
そうして氷帝は、適合者である四季が気を失ってしまったため、消失していった。
「えっと誰か、誰かいるのかな……って四季ちゃん!」
氷帝が消えると声の主である仙道が到着した。
「あー、これはまずいな、アルティメットスキル、ハイヒーリング!」
倒れている四季の傷をすぐさま確認すると、仙道は治療を開始した。
すると傷はみるみる治っていき、四季は意識を取り戻す。
「……仙道さん?」
「良かった四季ちゃん、無事で」
仙道は涙を溜めてそう言った。
四季と仙道は実は同い年であり、お互いにその事実を知りながらも中々声を掛けられないでいた、なんとももどかしい2人なのである。
「え、ええなんとか無事よ」
「良かった、良かったよぉ」
仙道は結局泣いてしまい、泣きながら四季を治療していた。
そこへ遅れながらももう2人が到着する。
「拓っくん!」
「ごめんね仙道さん、こんな状況なのに遅れちゃって!」
「お、おい柴崎、もっと優しくしてくれないか!」
現れたのは槙島を拘束して背中に担ぐ、柴崎だった。
「ワガママ言うな!この犯罪者」
「犯罪者にだって話す権利くらいあるだろう」
「まぁあるけど、今は黙っててくれ」
槙島が静かになると、柴崎はみんなを集めた。
「よし、皆んな離脱しようか」
「え、神宮寺さんはいいの?」
「ああ大丈夫、不死鳥が俺の元から消えてるから、多分神宮寺を助けに行ったんだと思う」
「なるほどね」
その言葉聞いて仙道は納得した。
柴崎の推理通り、不死鳥は神宮寺の元へ行っている。
そしてもう不死鳥は、神宮寺を連れ出し痴女へと出ており、後は柴崎たちが脱出するのみであった。
「SSレアダンジョンアイテム転移の腕輪、発動!じゃあ地上に戻るよ」
『了解!』
『ギュン』
柴崎の言葉に四季と仙道はそう答え、3人と槙島は地上へと帰還した。




