100話 道化師②
「さ、さささ、サーカスの時間ですよぉぉぁ」
槙島は錯乱しながら俺に突っ込んできた。
「神炎柔火!」
神炎柔火を使い突っ込んでくる槙島を炎で包む。
「あつい、あつすぎぃぃぃぃ、溶けちゃう、溶けちゃうよぉぉ」
「ねぇ拓っくん槙島ってあんなだったけ?」
「えっと……どうだろう」
正直、槙島とは話したことがあまりない。
もしかするとああいう一面を持っている人なのかもしれない、いやでも流石にこんな狂人なわけないか。
『あれは同化の兆候だね』
俺と仙道の反応を見て不死鳥がそう答えた。
同化?なんだそれは初めて聞く言葉だな。
「同化?」
『まぁはじめて聞くか、私たち英霊や精霊の類わね、自力で顕現できないんだ、だから君達適合者が必要なんだがね』
「それは知っているが、なんでその話を今するんだ?」
『まぁまぁ落ち着いてくれ拓真よ、同化はね私達が適合者を媒介にせず顕現できるようになる手段なのだよ』
「それってつまり、適合者を自分の器に作り変える的な話なのか」
なんだよその話、新王からはそんな話一度も聞いたことないぞ。
どういうことだ……。
『察しがいいね拓真、まぁこの辺でこの話は終わりだ、槙島が来るよ』
「え?」
「よそ見はダメだろー!先生の話を聞けよぉ!」
そう言って槙島が俺に突っ込んできた。
「くっ、この狂人が」
「きょ、教室で走るのはやめなさーい!」
さっきの不死鳥の説明が本当なら、槙島は今狂道化師に身体を奪われそうになっているってことだよな。
確か狂道化師には蘭方君のシャイニングが効いたはず、なら同じ対魔属性のある不死鳥の炎なら、あいつの狂道化師ごとダメージを入れられるかも。
……やってみるか。
「不死鳥、あいつの、槙島の狂道化師の力だけどあんたの力で浄化とかできたりしないか?」
俺は槙島を抑えながら、不死鳥にそう問う。
『できるよ、初回だし力は私が貸そう次からは自分でやるんだよ』
「助かる、おんどりゃあ!!」
「お、押すなよぉ」
抑えていた槙島を押し退け、俺は浄化のための準備に入った。
「それでどうやるんだ?」
『やり方は簡単さ、ただ君は全力で槙島を殴れば良い、あとは私が拓真の拳に神炎を乗せるから』
「わ、わかった」
そうして俺は槙島の方へと身体の正面を向けた。
どうせあいつは突っ込んでくるし、カウンターでキメてやろう。
「あの、あのさぁ、君、君さぁ僕の筆箱盗んだよねぇぇぇ」
槙島はまた叫びながら俺へと突っ込んできた。
「ちゃんと俺に合わせてくれよな」
『生意気だな、まったく倫也といい拓真といい私をもっと敬って欲しいものだよ、ドンピシャで合わせるからそっちこそ外すなよ拓真』
「まかせろ」
突っ込んでくる槙島は持っていた魔剣を振り上げ、縦に俺を両断しようと剣を構える。
「痛いのいっきまーす!」
ここだ!槙島の顎下が狙える、そこをぶち抜いてやる。
「槙島ぁぁぁ!!」
『うん良いタイミングだね、神炎業火発動!!』
「うわっなんて綺麗な炎なんだろうーーごはっ」
『ズバァン』
上手くカウンターが決まり俺の神炎を纏った拳はそのまま槙島の顎下にクリティカルヒットし、その衝撃で槙島は吹っ飛ばされていった。




