99話 魔を照らす光
ーー神宮寺サイド
「なんだ、何かまた強い気配を感じるぞ」
神宮寺と相対すサタンはそう言って、柴崎と仙道達のいる方角を見た。
「……もう起きたのか、早ぇな柴崎のやつ」
「柴崎?柴崎とはあの俺が倒した侮れない奴のことか」
「侮れない奴か……はは、あいつ面白い覚えられ方してんな」
神宮寺はケタケタ笑いつつ、意識はサタンの方へと向けていた。
「お前は強くなるとは言ったが、まさかこんなに早く強くなるとは……侮れん」
「まぁそうだな、そろそろこっちも決着つけようぜサタンよ」
「ああそうだな、お前とは幾重となく拳を交わしていたかったが、終わらせるのもまた一興か」
サタンと神宮寺の力はほぼ互角。
勝敗を分けるのはどちらがより相手の想像を一瞬上回るかどうかである。
「お互いに最高の一撃で終わりにしよう、それが1番アガる気がするし」
「そうだな、ただな神宮寺よ俺は前回よりも強くなっているから、今度は消し飛ぶぞお前」
「奇遇だな、俺もだいぶ強くなっててさ、多分だがお前を消し飛ばせる」
「はは、それは楽しみだな、では終わらせようか神宮寺」
「ああそうだな」
『ブワッ』
「神皇炎【奥義】神炎奉天」
神宮寺は全身に纏っていた神炎を右拳に集めた。
「ほう、前回の捨て身の技とは雰囲気がずいぶんと異なるな」
「ああ、あれを改良したんだもっと威力が出るようにな」
【奥義】を使えばいかに神宮寺といえど、3日ほどは能力が使用できなくなる。
そうなれば槙島を止められる者が攻略者側にいなくなってしまうが、柴崎が不死鳥の準適合者となったため、そんな心配をしなくてもよくなった神宮寺は、予定を変更しここでサタンを仕留めにかかる。
「なるほど、それは楽しみだな」
「余裕だな」
「言うほど余裕でもないよ、片腕はないし、頼みの左腕もこんなにボロボロじゃ大技は撃てても一度きりだ、まったく柴崎にはしてやられたよ」
「あいつは強えからな」
『ボウッ』
そうして神炎は神宮寺の右拳に全て集まり、金色に輝いた。
「うむ、エンドスキル発動、極獄波撃」
サタンの左拳にもまた黒いオーラが集まり、黒く輝いていた。
「魔を祓う光をこの手に、神皇炎【奥義】神炎奉天!」
「死ねぇ神宮寺ぃぃ、極獄波撃!!」
『スドォン』
2つの大技はぶつかると同時にダンジョンのワンフロアの半分を巻き込むほどの大爆発を生んだ。
「おおお、これは流石に死ぬかもなぁ」
爆発の中、神宮寺はそう叫ぶ。
しかし神宮寺は、気がついていないが彼は不死鳥と交わしたとある約束により、不老不死になっており決して死ぬことはなく、たとえ灰だけになったとしても復活できる。
もはやそれは不死鳥の呪いの様なもので、神宮寺は交わした契約により、未来永劫不死鳥と共に生きていくしかない。
これが神宮寺の異常な再生力の正体である。




