表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/4

外伝3話 得られた幸せ

今回外伝3話を書きました是非見ていただけると嬉しいです

ノイルさんのところに引き取られてから、俺はノイルさんが経営しているバーの手伝いをするようになった。

最初は作られた物を運ぶだけの簡単な仕事だったけど、人前に立つことに慣れていなくて緊張し、食器を落としてしまうことも多く、そのたびによく怒られた。

それでも、どれだけ怒ってもノイルさんは優しかった。

俺がやらかしてしょぼんとしていると、ノイルさんはいつも決まって生姜焼きを作ってくれた。その味はとても美味しく、さっきまでの出来事を忘れるには十分すぎるほどだった。

そしてノイルさんは、いつも俺にこう言っていた。

「人生で大事なのは情報だ。いいか?情報一つで人の命をいくつも守ることができる。それともう一つ必要なのは勇気だ。勇気があれば、いついかなる時でも自分の身を守り、他者を守ることができる」

その意味が当時の俺には分からず、「はーい」と聞き流していた。

ノイルさんのもとに引き取られてから、俺の見る景色は360度以上変わったと思う。

ねずみの死骸、灰色の空、薄汚い路地。そんな世界から一変し、青い空、ノイルさんの美味しいご飯、のどかな風、そしていつも賑わっている店。

その時俺は、ずっとこの景色を見たかったんだと気づかされた。

あまりにも綺麗で、ただ景色を見ているだけで涙を流すこともあった。

そのたびにノイルさんは呆れたように「おい、こんなんで泣くなよ」と言う。

それに対して俺は、「だって!今までこんなに綺麗なもの見たことなかったもん!」と返す。

そんなやりとりが、いつの間にか当たり前になっていた。

ある日、ノイルさんに「なぁ、明日予定空けとけ」と言われた。

「なんでですか?」と聞いても、「いいから」としか返ってこなかった。

特に予定もなかった俺は、言われた通り身支度をしてその日は眠った。

翌朝、早くに起こされて「着いてこい」と言われ、眠い目をこすりながら後をついて行った。

「ねぇノイルさん?今どこに向かってるの?」と聞くと、「素晴らしい場所だよ。もう少しだから」と言われた。

しばらく歩いて、山の頂上に着いた。

「ここがそんなに素晴らしい場所なの?」と聞くと、「あぁ、あそこを見てごらん」と指を差された。

その先にあったのは、とても綺麗な日の出だった。

あまりにも綺麗で、思わず見惚れてしまった。

「どうだ?綺麗だろ?」と聞かれ、「はい!とっても綺麗です」と答えると、ノイルさんは嬉しそうに言った。

「おまえがここに来て初めての年越しだからな。ここの日の出は一番美しい。是非見てもらおうと思って、昨日から準備してたんだよ」

もう一度日の出を見つめると、冬の寒さとは別に、心が温まっていくのを感じた。

俺はノイルさんの方を向き、満面の笑みで言った。

「ノイルさん、俺、今とっても幸せです」

ずっとこの幸せが続きますように。

心から、そう思ったのだった。

次回も楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ