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第2話 家族ができた日

今回2話書きました

ノイルさんがくれたご飯を食べ終え、一息ついたところで「それで話ってなんだ?」と聞かれた。

「俺の話、聞いてくれるんですか?」と尋ねると、「もちろんだ!」と即答してくれ、その言葉に少し心が軽くなるのを感じた。

俺は覚悟を決めて言った。「あの惨殺事件……俺が犯人なんです」

「……そうか。なんでそんなことをしたんだ?」と、ノイルさんは責めることなく、ただ優しく聞いてくれた。

俺は自分の過去を語り始めた。

生まれはあの貴族の家。最初は家族仲も良かったが、俺には兄弟がいなかったため、跡取りとして期待されるようになった。だが、いつまで経っても固有スキルが発現せず、それを境に父は変わってしまった。殴られ、蹴られ、そんな毎日だった。母はいつも庇ってくれ、そのたびに母も殴られていた。

そしてある夜、眠れずトイレに向かおうとしたとき、隣の部屋が騒がしく、ドアの隙間から覗くと、包丁を持った父が母を殺しているところだった。その瞬間、何かが切れる音がして、気づけば包丁は俺の手にあり、足元には滅多刺しにされた父が倒れていた。鏡に映っていたのは俺ではなく、父の姿だった。

そのとき悟った。

俺の能力は、人を殺すことでその人の姿や記憶を引き継ぎ、第二のその人になれる能力だということを。使用人の声が聞こえ、窓を割って逃げ、そこから路地裏での生活が始まった。

俺は自分の能力を恨んだ。強くなるためには、人を殺さなければならない能力なんて、と。

話し終えると、ノイルさんは何も言わず、ただ優しく俺を抱きしめてくれた。

「今までよく耐えた。辛かったよな。もう大丈夫だ。おまえには俺がいる」

その目には大粒の涙が浮かんでいて、俺の心は不思議と温かくなった。これが愛なんだと、初めて知った。

しばらくしてノイルさんは言った。

「今日からおまえは俺の息子だ。それに、その能力……俺はすごい能力だと思うぞ」

理由を聞くと、「悪人を殺してそいつになりすまし、悪事を止めることもできる。むしろ善人にすることだってできる。スキルは使い方次第で悪にも正義にもなるんだ」と言い、手を差し出してくれた。

――この日が、俺がノイルさんの息子になった日だった。

次回も楽しみに

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