第1話 生まれ
今回より始まりました外伝影より生きるものノイルですよろしくお願いします
俺はなんで生きているんだろう。
そう思いながら俺は路地で息も絶え絶えになりながら身を縮めていた。寒い。今にも凍死してしまいそうだ。でもそれもいいのかな、とも思えてしまう。
「誰にも期待されないなら、いっそのことここで死んでしまえば楽なのかな?」
そう思いながらその時を待っていた。
しばらくしてとうとう意識が朦朧としてきた。
「やっと死ねる」
そう思いながら目を閉じようとした時、路地から人影が見えた。そして真っ先に俺のところに駆けてきた。そこで俺の意識は遠のいた。
そこからどれくらい経ったのだろうか。
とてもいい匂いがして目を覚ました。目を開けると、そこは薄暗い路地ではなく、どこか人の家のような場所だった。
「どこだろう、ここ?」
そう思いながら辺りを見ていると扉が開いた。身構えていると、入ってきたのはご飯を持ったお爺さんだった。
「おぉ、起きたか。体は大丈夫そうだな」
そう言われ、俺は疑いの目を向けた。
「何が狙いだ?」
するとお爺さんは言った。
「そんな目をするな。私はただ、小さな路地に入ったら小さな子供が倒れていたから、ほっとけなくてな」
その目を見ると真剣さと本気が伝わってきたので、俺は警戒を解いた。
「で、あんた名前は?」
「私はノイルって言う。このバーのマスターだ」
そう名乗った後、俺に問いかけた。
「おまえさんの名前は?」
俺が名前を答えると、ノイルさんは驚いた。
「おまえさん、あの貴族のところの……!」
「あんた知ってるのか?」
「あぁ、聞いたよ。一家惨殺されたって」
その言葉を聞いた途端、胸が締め付けられた。その様子を見てノイルさんは言った。
「どうした?」
「俺の話、聞いてくれますか?」
そう言った瞬間、俺のお腹が鳴った。
「あっ、そうだ。これ、ご飯だ」
そう言って差し出されたご飯を食べ始めた。その味はとても美味しくて、あたたかくて、優しい味がした。
食べている時、お盆に何かが垂れた。涙だった。
こんなに美味しくて優しい味のするご飯を食べたのは、初めてだと思いながら、俺は涙を流して食べていた。
「どうした! 美味しくなかったか?」
そう聞かれたので、俺は笑顔で答えた。
「いえ、全く。むしろ美味しすぎて、こんなに美味しいもの、初めて食べました!」
するとノイルさんは笑って言った。
「そうか! そうか! いっぱいお食べ。まだおかわりはある」
――それが、お爺さんと初めて出会った時だった。
次回も楽しみに




