表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/4

第1話 生まれ

今回より始まりました外伝影より生きるものノイルですよろしくお願いします

俺はなんで生きているんだろう。

そう思いながら俺は路地で息も絶え絶えになりながら身を縮めていた。寒い。今にも凍死してしまいそうだ。でもそれもいいのかな、とも思えてしまう。

「誰にも期待されないなら、いっそのことここで死んでしまえば楽なのかな?」

そう思いながらその時を待っていた。

しばらくしてとうとう意識が朦朧としてきた。

「やっと死ねる」

そう思いながら目を閉じようとした時、路地から人影が見えた。そして真っ先に俺のところに駆けてきた。そこで俺の意識は遠のいた。

そこからどれくらい経ったのだろうか。

とてもいい匂いがして目を覚ました。目を開けると、そこは薄暗い路地ではなく、どこか人の家のような場所だった。

「どこだろう、ここ?」

そう思いながら辺りを見ていると扉が開いた。身構えていると、入ってきたのはご飯を持ったお爺さんだった。

「おぉ、起きたか。体は大丈夫そうだな」

そう言われ、俺は疑いの目を向けた。

「何が狙いだ?」

するとお爺さんは言った。

「そんな目をするな。私はただ、小さな路地に入ったら小さな子供が倒れていたから、ほっとけなくてな」

その目を見ると真剣さと本気が伝わってきたので、俺は警戒を解いた。

「で、あんた名前は?」

「私はノイルって言う。このバーのマスターだ」

そう名乗った後、俺に問いかけた。

「おまえさんの名前は?」

俺が名前を答えると、ノイルさんは驚いた。

「おまえさん、あの貴族のところの……!」

「あんた知ってるのか?」

「あぁ、聞いたよ。一家惨殺されたって」

その言葉を聞いた途端、胸が締め付けられた。その様子を見てノイルさんは言った。

「どうした?」

「俺の話、聞いてくれますか?」

そう言った瞬間、俺のお腹が鳴った。

「あっ、そうだ。これ、ご飯だ」

そう言って差し出されたご飯を食べ始めた。その味はとても美味しくて、あたたかくて、優しい味がした。

食べている時、お盆に何かが垂れた。涙だった。

こんなに美味しくて優しい味のするご飯を食べたのは、初めてだと思いながら、俺は涙を流して食べていた。

「どうした! 美味しくなかったか?」

そう聞かれたので、俺は笑顔で答えた。

「いえ、全く。むしろ美味しすぎて、こんなに美味しいもの、初めて食べました!」

するとノイルさんは笑って言った。

「そうか! そうか! いっぱいお食べ。まだおかわりはある」

――それが、お爺さんと初めて出会った時だった。

次回も楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ