異世界無双をする主人公の敵の農民の話
俺はゲイル・ローディングただの農民だ。
現在イグニス王国との戦争中のアルマーズ帝国に無理矢理徴兵されている
そして今
「ぎゃあぁ〜!!」
「にっ逃げろ〜!!」
そう俺たち帝国軍は負けている
もう軍の正規兵の半分は殺されず負傷させれてた。
戦死者より負傷者の方が厄介だから……とか敵がほざいてたな
戦場では戦死者だろうが負傷だろうが放置、そう俺は師匠に教えられた。
敵は森のような色をした服を着ていて、黒い魔法のステッキを持っている連中が小さな玉を飛ばしてきている
カン……カカカン
なぜ軍の連中は背を向けて逃げるんだ?
格好の的になるだけだろ
「なっ、あいつ機関銃の玉全部切ってやがるぞ!?」
「なんなんだあいつ!? 隊長どうしますかこれでは依頼が達成できません」
「俺たちの依頼は王国との条約を破り攻めてきた帝国を追い返すことだ。あいつの始末は無理だ。交渉でどうにかなるならそうするしかねえだろ!! 今は依頼達成することだけ考えろ!! 他は俺がどうにかする」
「…………隊長……一生ついていきます」
「一生なんて言わずあの世でもお前たちと一緒だ」
戦場で死んだあとも一緒……か、俺にはそういえるような相手はいない
なぜなら皆が俺を恐怖し近づいてこないからだ
『いいなゲイル戦場に立てば必ず人が死ぬ。それをみて何か思うかもしれんが何食わぬ顔で敵を斬り殺せ……決して躊躇わず殺せ表情を変えるにしても相手が恐怖を感じるよう笑え、敵が親友だろうが恋人だろうが親だろうが躊躇うな殺せ!!』
俺は師匠にそう教えられ師匠を殺した。
俺の流派は『独華月神流』師匠によると『開祖ヴェルラが月の神ジョルテ様から剣術の稽古受けた。その際に教えられたことを途絶えさせないために作ったようだぞ。ゲイルもいつか誰かを教えてやってくれ……俺はその時には死んでるがな、ガハハ』
師匠……いや父さん、俺はもっと父さんに教えてもらいたかった。
ここは戦場余計なことは考えるな!!
ニヤリ
ダン!!
俺は笑みを浮かれ走りながら敵を斬った
「隊長お逃げくだ……あ゛ぁぁあぁ!!」
「よくもクッソガキが…….死ねぇぇ!!」
ズドドドド
俺は玉を全て斬り
「降伏しろ」と一言放った。
隊長と呼ばれていた男は
「降伏する…………訳ねぇだろ!! 部下が殺されてそう簡単に負けを認めてたまるかよボケが!!」
と叫びながらまた玉を飛ばしてきた。
「はあ、じゃあもういい……死ね」
俺は玉を避けて男を斬り殺した。
周りを見渡すと味方は全て逃げており、敵は俺が鏖殺したので死体の山が完成していた。
「安らかに眠れ……インフェルノ」
俺はそう呟き死体を燃やした。
いくら敵だとしてもこの人たちにも家族が……大切な人がいたかもしれない
俺はその人たちの幸せを……壊して
せめて笑って見送ってやらないと
ニヤニヤ
ああやっぱり人が怖がるような笑顔しか出来ない
そして一分俺は祈りを捧げた。
「それじゃあ帰るか」
その頃帝都では
「報告致します帝国軍全滅……帝国軍全滅です!! 王国軍に謎のステッキを持った連中に負けたようです!! 」
「ほう、そんな連中が……是非とも我が手中に収めたいのぉ……今すぐそやつらを探し出せ!!」
「はっ、仰せの通りに!!」
十分後
「ただいま〜……って誰もいないだけど」
パンパン
「父さん今日も帰ってきたよ。こう毎日のように戦場に向かってると農民というより兵士や傭兵になった気がするよ」
ダダダダン……ガラッ
「おいゲイル"冥皇傭兵団"のやつらがお前をスカウトしたいって村まで来てるぞ!!」
もうこのまま傭兵になるのも一興か
「分かった今行く……父さん行ってきます」
俺は走って向かった。
「冥皇傭兵団の方々が俺をスカウトしたいなんて人手不足なんですか?」
「いんや違う。たまたま戦場の帰り道でお前が戦ってるのを見てなそん時思ったんだよ『おっ、こいつぁ是非ともうちの傭兵団に入れてぇなっ』ってな、どうだ入るってんならこの村は俺たちが確実に守ってやる」
「そう言われて断れるわけがないだろうが」
おっとイケねえ心の声が漏れた
「そうですよ団長この村の人をスカウトするんですからそう言われたら断れるわけないじゃないですか断れたらそれこそ鬼畜ですよ」
「これからよろしくお願いしますよ……団長?」
「ガッハッハッこれからよろしくな小僧」
父さんが教えてくれた剣術受け継いでいくから
思い出話たくさん持っていけそうだからあの世でまた会った時聞いてくれ
そして俺は冥皇傭兵団に入団した。
おしまい
見つけて読んでいただきありがとうございます!!
異世界無双をする話を読んでたときに『主人公が異世界無双をしてる時にたまたま徴兵された農民がその主人公より強かったら面白いかも』って思って書きました