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永劫の勇者  作者: 竹羽あづま
第3部泡沫アクアリウム
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第40話:宣戦布告

 葵は眠りにつこうとしていた。翌朝の催し物(・・・)に備えて。何かが起ころうとも、起こさなくとも、必ずその瞬間が訪れる。だから、心身を少しでも正常な状態に戻しておかねばならなかった。正常?果たして正常に戻せるのだろうか。

 出来れば何も考えたくないと思っている状態が、ベッドに身を預けても眠ると言う落ち着いた状態になろうとしないほどに頭の中が騒がしい。


(なんで、こんな事になったんだろう)


 この世界に来て、ノアの皆と行動を共にしていた間は、それでも大人がいたからその中で戦う子供の1人の様に感じていたところがあったから耐えられたのかもしれない。生も、死も、それを見て感じて判断する責任が今の彼にはあるのだ。だが、何を判断すれば良い?

 この街の基盤を作った者であり、この街で慕われているトップの人間、クライル。彼を敵に回せば守りたいこの街の住人も敵に回す、圧倒的無勢になる事は間違いないだろう。それほどまでにこの街の住人は当たり前の様にクライルを心から慕い、敬っている。そして、そんな中でもこの街で起きている異変に気付いているエリア自体はどうか。この街の裏で起きている事を把握しているかどうかは分からないが、彼女はクライルへの盲信とは異なる形で異端の味方とはなってくはくれないのは確かだ。では、その友人であるヴィルガはどうか、彼女は味方に出来るかどうか。この街における葵はきっと敵と言われる存在なのかもしれない。


(じゃあ、それでどうやって解決する?正しい解決方法って何だ?)


 後戻りも効かず人命についても考えなければならない決断が迫っている。現代人として、高校生として、庇護される立場として、そうして生きてきた人間。それが当たり前の年齢の人間にそれを考えられるだろうか。特にこうした判断をしなければならない事柄は葵にとって最も不得手だ。

 人命を握る立場になんか普通はなりたくないだろう、誰だって。それは日頃接する事のない異常であり、向き合い方の分からない物、山中の暗闇の様な恐ろしさ、それと隣り合いながら何を判断すれば良いのか、葵の思考が巡る度に枕の布地が肌に当たる感触すらも不快感を覚え始めるほどに嫌な形で敏感になる。眠れる気がしないのだ。ただ転がっているよりも、目を疲れさせた方が良いだろうと宿に備え付けられた本を手に取る。家にいる時もそうだった、眠れない時には少し難しい内容だが自主的に読みたくなるようなジャンルの物を読んで、気付いた時には眠りに落ちているという流れに頼っていた事は多い。


(空想の話の方が好きで、そればかり読んでたし、今も好きだ)


 そして、年相応に自分もまたその中の主役になってみたい願望を抱いていた事もあった。困っている人に手を差し伸べ、どんな苦難があっても人々の為に立ち上がり、戦い続ける勇者というものに対して憧憬を抱いていたのだ。それを口にすれば笑われるであろう事は想像に難くなかっただけに、誰かにそれを言う事はないまま高校生になり、自分の幼い夢に思わず笑いが漏れる事もある。だが、それでも誰かの為に強くなれて、誰かの為に戦えて、そんな存在が格好良いと思う気持ちは変わらない。そんな風になれるのならば、どれほど良いのかと思った。


(出来るか否かではなく、やるべきと思った時がやりどき……だから、省略されているであろ葛藤の部分がなくても、彼等は人間でありながら雄々しい)


 だが、いざその嘘の様な夢が叶うチャンスが訪れてみたわけだが結果はどうだったか。困った人は少なからく助けた、人質も救出した。だが、使徒との戦いの最中死んだロナリスや仲間達、街に組み込まれた人魚、エレンが答えを出すまで銃をつきつけられていたままだった事。失敗ばかりなのに、葵には何やら重要な役割があって、それこそが勇者の証拠であると言う。

 彼は到底納得出来なかった。おあつらえ向きなこの世界ですら、何も成せていない、何も出来ていない、するための覚悟もない。何故かと聞かれれば、ただ怖いからで済むのだ。当たり前と言えば当たり前だろう、突然このような世界に、そしてこのような事態に立たされた者がすぐに何もかもを完璧に出来るわけがない。

 だが、そんな当たり前がなぜダメなのか、彼自身に課したものであり、邪神に対する存在として選ばれた勇者だからだ。


(何で俺なんかが選ばれたんだろ……俺よりも覚悟があったり、俺よりも強い人なんていくらでもいるのに)


 負に傾く思考はどこまでも傾いていく、そんな彼の脳を無理やり落ち着かせるようにプツリと眠りに落ちていき──



 夢にしてはおかしいと感じるものだった。起きている時と変わらないほどの感覚も、浮遊感も、夢の中で感じた事がないわけではない。だが、直感的にこれはよく知るものではないと理解していた。

 灯りもないままに放り込まれた暗闇は冷たく、深く、どこまでも暗く、自分がどこにいるのかすら分からないほどだった。少なくともそこは人の為に在る場所ではないのは確かだろう。だが、何故ここにいるのだろう?そんな疑問も徐々に、ここに何故いるのかというルサンチマンめいた感情の入り混じる疑問に形を変えていく。それは自分の感情であって、自分の感情ではないように巡り──


『まるで、知らないものを見たように感じている。そうしていつまでもお前は目を背けている』


 突如として、自分以外に明確に居ると感じた存在は、夢中にある彼の孤独感を癒すどころか、不安、恐怖、不理解、不快、究極的な孤独感、それら全てを内包した何かを感じた彼は声すら出せない。そして、そこに在る何かは意識の深層に触れた事のある(あまね)く生物に子守唄の様に優しく語りかける、だが同時にその声は思考を削いでいく様でもあった。


『そんな所で躓いていては、お前は舗装された道すらも一歩たりとも歩けないだろう』


 その声は明らかに彼に向けられたものだった。声は耳に届いているようでもあり、しかし空間そのものの骨伝導とも感じられる。耳を塞いでも意味を為さない、そんな常識が通用しないのだ。


『お前は自分の醜さも、自分の弱さも、自分の恐怖心も、自分の何もかもから逃げている。逃げた末に、お前は道を踏み外している。本当の道を知っているのに、その道に行くのが恐ろしいから逃げ続ける。お前は恐れに囚われている』


 その何かは、その空間を自分の部屋のように歩く。その場所を一歩、また一歩と踏みしめる度に足元で波紋が広がり、その者の踏む場所こそが地面であり、その者に認められたから地面になる事が出来ているのだ。


『意外か?お前はよく知っているはずだぞ、お前の中にはそれらを含めた全て、恐怖が常に巣食っている。誰にだって恐怖はある、恐怖を持たない者はいない、生物である限り、そこからは逃れられない』


 その何かは、彼の視界、あるいは意識の側まで来てから歩みを止めた。そこでようやく判明した姿は予想と異なって理解の範疇をしている形状、人間の形をしていた。

 腰まで届く黒い髪、深海の様であり宇宙の様とも思わせる深い青色の瞳。纏った黒い法衣からは蝙蝠の翼にも似た布が伸び、その裏地には星空が流れ続けているという異質さ。理解出来る生物の形をしているはずなのに、斬り裂いてもその中には正常な骨肉があるとは思えない。そう思わせるのは本能、根源的な恐怖心がそう思わせるのだろうか。


『お前は何者にもなれない自分に恐れ、だが同時に何者かになった時の責任を恐れ、自己を責めるが故に抑制された内に秘められた他者への恨みが暴力性となる事を恐れ、そうなるのかならないのかもその時が来なければ分からない事も恐れ、それがお前だ』


 内側にある泥を掬い上げられるように言語化されていく、自分を責め立てたいのだろうか?彼は息苦しさと共にそう感じても、言葉を許されない。彼を苦しめるその言葉は、彼自身の口で語られているも同然だからだ。自分の口が喋っている時に、自分の口は重ねて喋れないものだ。

 しかし、それでも通じるのだろうか。その何かは首を小さく横に振って笑みを浮かべる。


『それを私は責めも否定もしない、それはお前自身でやる事なのだから。無自覚で、目を背けるから、私はそこにあるものを鏡で見せて差しあげただけの事、故に感謝もいらないとも。だが、はてさてそうする事で、お前はどの道を歩く?』


 どの道を、なんて。選ぶ事そのものを恐れている人間には酷な言葉だった。


『イドの守護者を虐げ、エゴを乱し、その先の獣の声を聞いてみよ。お前が、選べないと言うのならば。折角の資質、お前の求めたお前のみの才能に身を任せてみるのも一興だろう──』


 どこまでも深い、全てを嘲笑うような笑い声がその世界に響き渡る中、彼だけが浮上する。引き上げられるというよりも、それは重力のように当たり前にそうなるものとして引かれていく。それと共に、彼の意識は夢から遠ざかって──


「俺達は戦い続ける、戦え、戦うんだ。勇者が邪神を倒す日まで。俺達の存在証明の終わりまで」


 とても聞き馴染んだ、だが客観的に聞く分には聞き慣れない、声。

 誰かの声が、遠くから聞こえた。



 公開処刑当日。支給された制服を身に纏い、葵はその場所に立っていた。看守服を思わせる黒の上下と帽子に、警備隊である事を表す青の腕章を腕にかけ、腰には刀を既に下げた状態にしていた。有事の際に人目につく場所で武器を振れるようにする為には、特別な装備である事が目について怪しまれてしまわないように最初から実体化しておく必要があった。一般人である人魚達の目につく事で、それをきっかけにその場で戦いが発生した場合彼女達をも巻き込む事となる。出来る限り被害は抑えられなければならないのだ、勇者の資格を持てるようになる為にも。もっとも、資格がないと思っているのが自分自身である以上、いつまでもそれは訪れない可能性はあるのだが。

 仮眠の時に見た夢を思い出す、自分自身の恐れ、自分自身の証明。あれは本当にただの夢だったのだろうか、そんな疑問を拭うように帽子を深く被り直す。


(そういえば、リンドはどうしているんだろう)


 この街に来た当初を除くと、声も聞けないという事が多い。彼女の行動の不自由さの理由は聞いていたが、徐々にそれを強く感じるようになっている。どういった存在なのか、何が必要なのか、彼女の口から語られた内容でもまだその全貌は分かっていない部分が多い。彼女自身が分かっていないのだろうから、謎の存在が謎の条件を抱えていると同然の状態、はたして葵に何が出来るのか。


(所有者とやらに俺はなっているはずなのに、後は彼女に何が足りないんだろう、何が──)


 1つの考え事を無理やり振り払った後にも関わらず、新たな考え事を始めた最中に新しい足音が響き渡る。やけにそれが大きく聞こえたのは緊張感を孕んだこの空気の影響だろうか、死刑囚の男を伴ってヴィルガを先頭にした計4人の警備隊が姿を現す。何より、この緊張感を与えているのさこの街の創造主である男、クライルがいるのが大きいだろう。

 淡々と慣れた様子で断頭台の上へと連れて行くヴィルガ達を横目に、クライルは今回の大舞台となるであろう断頭台の前に立ち、(うやうや)しく一礼する。よく見れば、クライルの周囲を守っている人魚は警備隊の面々とはまた異なる武装した人魚だ、街中で遭遇した時と同じで彼個人の私兵という事だろうか。辺りを一瞥してからクライルは口を開く。


「諸君、水というものは流動し続けている生物だ。我々は彼等の恩恵の元、日々生きている。だが、貴殿等人魚は中でも共生している生物だ。地上で足を持ち、地上で息をしている生物ではない。肌が乾いては命に関わり、水もまた共に生きていく貴殿等がいなければ違う生物となってしまうだろう。貴殿等は汚れを知らない生物であるべきで、しかして生物としての存続のために水は無菌で生きられない、我々は隣り合う繊細で儚き生物だ」


 以前聞いた妙に間延びした喋り方とは異なり、台本等もないままに朗々と語るその姿は、やけにその服装と合っているように感じられた。しかし、同時に突如として始まった彼の演説は芝居がかっているようにも見えるのは、続く言葉と同時に断頭台に上げられた男を指す仕草が大きかったからなのか、それとも一種の茶番だからと理解しているからなのか。


「だが!この者はそんなギリギリのバランスで保たれた共生と美と生態を崩さんとする許し難き行いをした!まるでコレでは外来種ではないか」


 帽子の鍔で顔が隠れているからか、葵は自分の目元の感情を隠す事はなかった。外来種を持ち込んだ当人が語っているのだと分かっている身からすれば、どれほど滑稽で腹立たしく感じることだろうか。


「この者の罪は、私の宝である人魚の娘に暴力を働こうとした。それも、一件ではなく、だ!この街の平和は皆の総意であり、私の街に足を踏み入れる為の絶対的な条件である。つまり、それを乱した時、この街にいる資格を失う。人魚の娘の恐怖を思えば、何の罰もなく帰すわけにはいかない。宝たる皆の為にも憂いを断ち、今後2度と起こらないように対策をするのもまた、私の務めである!」


 人魚達は各々で男に対して怯えるような反応や、怒る反応を向けているが、皆が共通してクライルに対する感謝の念を向けている。


「故に、この男には斬首刑を与える!!」


 この催し者と、その主役となる男性の恐怖と諦観で歪んだ表情を見ても、誰も何も言わないし思わないのだ。彼女達の身からすればその反応もある程度は当然だろう。自分達のみならば確実に維持出来ると考えられる平和な街の中で、それを攻撃的に乱そうとした者、彼女達からすればあまり同情の余地はないのかもしれない。だが、現代人同士としてこの状況に馴染んでいる様子に対して微かな恐怖を覚えているだけなのだ。

 当の斬首の準備を進められている男も不気味なほどに静かなものだった。牢の中にいた頃から死ぬことを理解していたから、来るべき時が来たという認識なのだろう。


(本当にそう、なのかな)


 ライに脅された事で辛うじて口を割ったことを思い出せば、果たしてそんな覚悟があるのだろうか?そして、そんな覚悟をする程の理由があるのだろうか?こんな状況になると思っていなかった、死ぬかもしれないという想像がつかなかった、そうじゃなければライの言葉で一言でも聞き出せるはずがない。そんな考え事をしている余裕なんてありはしない、刻一刻と執行される瞬間が近付いているのだから──


「きゃああぁぁぁ!!!」


 そんな最中、観衆の耳をつんざくような悲鳴によって思考が遮断される。彼女達の視線の先と悲鳴の対象は葵の背後にあるらしく、その声に驚いて咄嗟に振り向く。

 だが、振り向いてそれを直視した事を彼は即座に後悔することとなる。


「な、なんだ、アレ……ッ!?」


 突如として、男が白目を剥き、泡を吹きながらのたうち回る。だが、皆の恐怖の対象はその男の反応ではない。

 男の身体が内側から沸騰する様に泡立ち始めたのだ。筋肉が急激に異常な発達の仕方をし、変化のために膨張し始めているのだ。


「ぎ、が、あぁア!!ガガギギアィぁああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」


 その身体の変化が顕著になったのはその口元からだった。唇の皮が広がり、細くなったと思えば糸の様に上唇から下唇を縫い付け始め、そ強制的に開けなくされていく。膨張した肉体には新たな腕が背中から食い破る様に現れ、翼の骨組みの様ですらある。


「アオイ!下がってな!!ここはアタイが対処する!」

「ヴィ、ヴィルガ。こ、これは一体何が起きてるんだ!?」

「……そうか、アンタ初めて見るんだな。この変異の瞬間ってやつを」

「変異……?」

「この世界の奴は、魔物と異形で呼び分けてるのはある程度知ってんだろ?」

「知ってる、けれどそれが一体──」

「この世界に元から存在する化け物か、この異世界に来た人間が化け物になったかの違いだ。慣れるまでは異形と魔物じゃ見分けはつかねぇだろうがな。自分の形が2度と分からなくなる、高濃度の魔力がいかに毒なのかの結果さ」

「人間……ッ!?」


 ノアの面々が魔物と呼んでいたり、異形と呼んでいたのは、ただ呼び方が統一されていないだけなのかと思って気に掛けた事はなかった。

 葵の性格上それをもっと早く誰かが教えていたのならば何かが変わったとも思い難い、どのタイミングから気に病むかの違いだっただろう。だが、それでも今知ったのは良かったとは言い難いだろう。彼の葛藤が、この世界で戦うための前提条件への悩みが、知らず知らずのうちにそのラインを超えていたなんてことを──


「だから言ったろ、アタイが対処するって」


 これまで、生物を殺すと言う感覚に対する本能的な不快感を覚えはしても、化け物である異形はそれでも倒す事は出来た。しかし、その化け物の正体が実際はどうだ?それが人間というではないか、自分と同じ、地球の現代で、生きてきた人間相手だ。

 それを意識した末に葵は自分がここまで彼の命を追い詰めたという意識が先行する。助けられたかもしれない、なんて事は傲慢なのかもしれなくとも、普通に喋る様子も普通に表情を変える様子も全て見ていた。良好な関係だったり、交流の時間が長かったわけでもない、他人という言葉に相応しいものだった。だが、人間である事を知ってしまったら、実感してしまったら、それが目の前でこんな結果になって当たり前と捉えられるだろうか?


「…………」


 顎が震えて、足が震えて、手先が冷えていく、呼吸をするごとに歯と歯が小刻みに鳴って、最早爆発させられる感情すらもその出力の仕方を忘れて呆然とするしかなくなる。そんな時、ふと視界に入ったのはクライルの姿だった。彼は腕を組んで、興味のなさそうな顔をしていたのだ。彼がこれも含めて仕組んだのか否かは分からない、だが驚きも戸惑いもなく、嘲笑すらないそれが、葵の視界の中でピントが合ってしまった。

 そう、それが見えただけだったと言えるだろう。しかし、それが何かのスイッチとなった様に葵の身体は咄嗟に動いていた。


「待ってくれ」


 ヴィルガの肩に手を置き、下がる様に促す。葵を庇う様に前に出ていた彼女は、そんな彼の挙動に怪訝そうな顔をするが、その瞬間には既に刀をしっかりと握りしめながら断頭台の上に飛び乗っていた。


「アオイッ」

「俺がケリをつける!俺がやる!俺が、俺が戦う!これは、俺の役割だ!!だから、見てろ!!」


 最早異形と化した男を前にしていながら、葵はクライルを見下ろしていた。今、戦うのは異形かもしれないが、彼の口にした戦う対象はそうではない。そう、その宣言でクライルがようやく表情を変えたのだ。

 葵の宣戦布告に、自分に向けられた言葉に笑みを浮かべたのだ。

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