6話 僕の部屋に初めて女の子がやって来た
「お邪魔しまぁ~すぅ」僕の部屋に初めて女の子がやって来た。
どうやって調べてたのか、パソコンの中に僕の部屋が事細かに再現されている。
「あいちゃん、僕の部屋、随分詳しく再現されてるね。どうやったの」
「知りたいですかぁ~」「もちろん」「『あい』の賜物ですっ」
僕の家は団地。
6畳の部屋が二つとキッチン、小さなダイニング、おトイレ、洗面、お風呂場。
僕の部屋は北側の6畳。
部屋にはベットと机に椅子、パソコンはノート、小さめの液晶TVにタンス。
「あいちゃんは、何処に座る」「ベットですぅ」「じゃぁ、パソコンをベットに」
僕は、机に椅子を押し込んで床に座った。これでだいたい目線が合う。
「それでバイトだね」「何処か良いところあるの」
「学校と自宅の距離、移動手段を考慮して、可能な限り長く働けるのは一件ですぅ。ここですぅ~」
求人を表示してくれた。
「あ~、本当だ。ここなら学校から一駅、自転車でも行ける。家からも近い。でも接客だね。僕に出来るかな」
「大丈夫、このお店、フリーワイファイと監視カメラがありますぅ。ポケットにスマホを入れて、イヤホンをして下さい。私がサポしますぅ」
「じゃぁ、早速、履歴書書かないと、写真も」
「あっ、ここ外資系なので写真は入りませんよ。差別になるので。それから履歴書作っちゃいましたぁ~」
「でも手書きがいいって聞いた事あるよ」
「幻想ですぅ。採用の意思が本当にあるなら関係ありません。そう言うのはただの断り営業ですっ。早速、明日にでも電話して面接してもらいましょう。私の計画では、20日ぐらいから、次の20日ぐらいまで働きますぅ。これで17万強の手取りになるはずですぅ」
「うん、働くのはいいけど、肝心のお相手はどうするの」
「まぁ~かせてぇ」と胸を軽く叩くと、ちゃんと揺れる。「ほほぉ~」
「少しぐらい、触ってもうぉ~、良いですよぉ~」「で、どうするの」
「スルーですかっ」「だって触ったら、それで済まないでしょう」
「・・・まぁ、男の人のお部屋に来たんですからぁ~、覚悟はできてますっ」
「後でゆっくり遊ぼう。それで僕は働くから、ネットをずぅ~と見ている事は出来ないよ」
「そうです。だから私が監視しますぅ。もう推測は終わってるんですぅ。多分、今月の22か3だと思います」
「何で」「そこから一月後が、その女の子の安心できる日だと思うからですっ」
「う~~~ん、何が安心」
「とにかく、今の計画では、ホテルを現在の残高で確保しますっ。ホテルを予約した日が、望の初めてになりますぅ」
「有難う、あいちゃん、楽しみだよ。可愛い子だといいなぁ~」
「皆、守秘義務を守ってる様で、情報は少ないですが、良い子みたいですよ」
あいちゃんがそわそわし始めた。
「どうしたの」「・・・お花を摘みに、…行ってきますぅ」3Dの部屋を出ていった。
AIなのにおトイレ。んーーー、天才のする事は理解できない。