53話 披露宴
僕と許が一緒に帰って来たのを見つけたお母さんが、目聡く、許の左薬指の指輪を見つけた。
僕と許は家に呼ばれ、婚姻届けを突き出された。
僕は速攻で名前を書き、そして僕とお母さんが、許をガン見する。
「貸して」「あっ、恋、返しなさい。玉の輿なのよ」
かきかき。「それなら私でも良いでしょう。私がお義兄ちゃんのお嫁さん」
「まぁ、それもそうね」
「ママっ、・・・うっ、・・・うわあぁぁぁぁぁぁぁーーーーー」
「もう、ぐずぐずしてるから、取られちゃうのよ。こんな事もあろうかと、はい、書きなさい」
二枚目は許も即断した。かきかき。「はい、望急いで」「任せて」
ビリーっ。「あーーーっ、私の初めてを奪った人なのにぃーっ」「望君」
ぶるぶるぶる。「ママ、未遂で終わったわ」「許、あれは誤解だよ」
お母さんは今年の許の誕生日以降、この時を手ぐすね引いて待っていた様で。
「ここ、ここに行きましょう、ねっ。今なら十分時間、間に合うから」
と、僕と許をタクシーに押し込むと(恋ちゃんも付いて来た)、宝飾店に。
そこで許の婚約指輪を改めて買った(恋ちゃんも買った)。
そして、既に式場の手配から、招待状、引き出物まで全ての手配が済んでいた。
僕の両親への連絡まで済んでいると言う、恐ろしいまでの先読み。
斯くして、高校が夏休みに入って数日後。
午前に両家族だけで式を終え、午後から友人達や親類を招いての披露宴。
「許、おめでとう」「おめでとう、お幸せにぃ~」「あっ、有難う、生千夏、明樹美」
「瀬楠、神楽坂君、素晴らしい成果だ。おめでとう」「有難う御座います一先輩」
「許ちゃん、望君、おめでとう」「彩先輩、有難う御座います。彩先輩も来週ですね」
「有難う許ちゃん。でも良かったの新婚旅行、私達と一緒で」
「ぁ~、彩先輩、その、望が」
「彩せんぱぁ~いっ、へへへっ、私達も行きますよぉ~」「ぇぇぇええええーっ」
「私も行って、お義兄ちゃんを略奪愛しますっ」
「これっ、恋、止めなさい。すみません、すみません、家の娘がすみません」
「いえいえ、うちは娘が増えるのは大歓迎ですよっ、ねっ、パパ」
「うんうん、可愛くて、美人の娘、いいなぁ~」
「パパ、今のちょ~っとひっかるなぁ~、可愛くて、美人の娘、ここにいるじゃん」
「ママ」「何」「娘はぁ、言い過ぎじゃないかなぁ~、可愛くて、美人なのは認めるよ」
「・・・かもしれない、可愛くて、美人ならよしっ」ちゅっ。
「あはははっ、さすが望君のお父さん、お母さん、仲良しさんですね。うちの旦那はも脱水起こしそうな勢いでして」
「うーーーーーっ、許はまだ十代だぁーーー、こんなに急がなくてもいいじゃないかぁーーーっ、おーいおいおい」
「彩先輩、成功研究部の社員旅行と、僕の所と許の所の家族旅行も兼ねる事なりました。まだ間に合うので先輩達のご家族も一緒にどうですか。オーストラリア」
「はっ、一、どうする」「あー、それは是非お願いしたい」
ばっちん。「もぉっ」「いっ、痛いじゃないか、彩」
「彩先輩、一先輩もなんですね」「「どうしてよぉ~」」「はいはい」
「二人共よしよし、大金持ちとイケメンまっちょの天才なんだから、いいじゃないですか」
「「ここは外せないの」」「新婚旅行よぉ~」「よしよし」
「もういい加減諦めなさい。私や娘二人を置いて、借金まで作って帰って来て。望君がいなかったら、娘二人どうなってたか分らないのよ」
「面目ない。これからは食料生産だと思って、農業体験に行って、あいつらに100万借りて、水耕栽培を始めたんだが、販売ルートが確保できなくてなぁ~、本当にすまん」
「あなた、技術屋で営業向いてないんだから」
「御主人もそっちを目指してたんですか、だったら私と一緒に立ち上げませんか。私も営業は苦手なんですが、今は望のお陰で人を雇える」
「それは是非、お願いした」
「あーっ、指輪が変わってる。部室で見たのと違う」
「こっ、これねっ、あの後、望が買いに行こうって、言うから、つぃ~」
「うわぁ~、何これっ。おっきいし、青いし、すっごい透き通ってるし。めちゃめちゃきらきらしてる。高そぉ~ぅ」
「望先輩、これ幾らしたんですか」「あー、これはね」「言っちゃだめっ」
「ほぉ~、私達には言えないぐらい。じゃぁ、その首のとか、ティアラとかもぉぅ、派手さはないけど素敵」
「こっ、これはね」
「あ~、その二つは許のお母さんが僕のお金を、リスクヘッジで色々な物に置き換えてくれてたんだ」
「ママが。私はだめって言ったの、・・・でも、『結婚したら許のになるんだからいいじゃない』って、買ちゃてたの」
「ふぅ~ん、いいなぁ~、ねぇ」
「だよねぇ~。先輩、私にも買って下さいよ。どうですかぁ~、わ、た、しっ」
「ちょ、ちょっと、やぁ~めぇ~てっ、望も見ないの、私だけで良いのっ」
「ほっほぉ~『私だけ』だって、助さん」「格さん、寝っとちゃおかぁ」「えっ、止めて」
「「それそれえ~~~」」「止めて、止めて、やぁ~めぇ~てぇ~~~っ」
「ほおぉぅ~、こっ、こりは、実にけしからん。う~ん、けしからん」
「ちょっと、望、屋上に来なさい」「じょっ、冗談、冗談だよぉ~、ゆきぃ~」
「どうだか。やっぱり、お小遣いを増やす訳にはいかないわっ」
「え~、もう少し増やして欲しいなぁ~、一日600円じゃ、学食でなくなっちゃうよ」
「嫌っ、何処で浮気するか分らないもの」
「「認めない、認めない、認めなぁーいっ」」
「あいちゃんはお姉ちゃん側でしょう。この前の夜だって途中で逃げたじゃないっ」
「だってだって、初めてはぁ、痛いって聞いてるですぅ。それに望の嫁は私だけですぅーっ、毎晩毎晩、壊れちゃいそうですぅ~」
「望、ちょっとこっち来てくれ」唯一の悪友、隆に司会を頼んでいた。何だろう。
何故か、クラスメイトだった彩音ちゃんも来ていた。
「なぁ望、あそこにいる子、覚えているか」
「うん、覚えてるよ彩音ちゃんだよね。でも何故いるのさ、隆が呼んであげたの」
「俺が呼んだんだ、相談があってな」彩音ちゃんがこっちを見て、会釈をする。
「おーっ、・・・お義兄ちゃん、そんなに、・・・なの」
「もおぉ~~~、すっごい責め立てられるですぅ」
「ちょっ、あい、何言ってるの、個人情報は漏らさない約束でしょう」
「え~、何々、望先輩と許、そんなに凄いの」
「もっ、もおぉ~、エラー出まくりで、何回カオス関数の見直しをさせられたかぁ~」
「具体的には、・・・どんな、・・・感じ、後学の為に教えてぇ、欲しいなぁ~~~」
「それがですねぇ~」「あい、待ちなさいっ」「トレースで再現するとぉ~」
「あいっ、止めてっ、止めなさいっ」「「「「うっわぁ~、やらしいぃ~」」」」
「あいっ、お願いっ、止めてーっ」「「「「きゃぁ~~~っ、いやらしいぃ~」」」」
「やめてぇ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ」




