46話 今直ぐに入籍しましょう
「ぁっ、あうぅぅぅ・・・ぁぁぁぁぁ~、・・・はぁ、・・・はぁ」「ゆ~き~」ちゅっ。
「ぅ~ん、・・・もぉ~、・・・ばかっ、えっちっ。私、今、・・・しょう、…ご、…全然容赦ないのねっ」
「何回も繰り返すのは辛かったけど、うへへへっ、そのお陰で、許の弱てっ、いひゃい、いひゃい、いひゃい、いひゃい、いひゃい、痛いよ許」
「余計な事は、・・・言わない」口に指を突っ込まれ、思いっきり引っ張られた。
「望、聞きたい事が、一つのあるの」「ゆ~きっ」人差し指で、ちゅうを止められた。
「昨日お隣に、私以外の女の子を住まわせて、何をするつもりだったのかしら」
「うっ、・・・おっ、洗濯とか」「それだけかしら」「お掃除とか」「それから」
「許を探す手伝いとか。ほんとっ、ほんとだよっ。今まで神楽坂許と言う名前の子を、手掛かり無して探してたんだ」
「そう、有難う。時間を越えてまでストーキングするなんて、ほんとうにえっち」
「そうだけど、許が大すっ」
ぴっぽ、ぴっぽ、ぴっぽ、ぴっぽ、ぴっぽ、ぴっんぽぉん。「信じるてあげる」ちゅっ。「誰、朝から」「お姉ちゃん、ねえー、開けてぇー、ケーキ、ケーキィ~」
「洗濯機、動かしてない。ばかっ、ばかっ、ばかっ。私、着替えがないわ」
「痛い、痛い、痛い、さすがに女の子の服は、想定外だな」
「望、出て来て、お願い」「うん、分った」「私、ここ、片付けてシャワーする」
僕は、服をタンスから適当に出して、手早く着てインターホンに出る。
がっちゃ。「はい」「神楽です」
「あっ、苗字、聞きました、お母さん」「お母さん、…コホン、それで、許は」
「えっと、今、シャワーに行くところで」
「えっ、今っ。そう、…扉を少しだけ開けて下さい。許の着替えが無いと思って、持って来たんです」
「有難う御座います、母さん。ちょっとだけ待って下さい。直ぐ開けます」
ガチャガチャ、ドッン。「あけてっ、ケーキィ~」
「あ~、恋ちゃん、隣のお家で待てて、ケーキはちゃんとあるよ」
「本当っ」「うん」「じゃ、待てる」「有難う」
「あの、これ、許の着替えです。お願いします」
「詳しくは後で話します。お隣にいて下さい」「お願いします」バタン、がちゃ。
預かった着替えを持って浴室の方へ向かい、洗面室の扉を開けると許がいた。
がらがら。「ゆ~」許が突然歯ブラシを取って僕に突きつける。
「もおー、だめっ、見ちゃだめっ。シャワーしたのおー。着替えを置いてあっち行ってっ」
「えーっ」「えーじゃないの、早くぅ」僕はしぶしぶその場を離れた。
恋ちゃんは朝から、昨日買ったケーキをご飯代わりに三つも食べている。
「ちょ、ねぇ、恋、それ、その栗の、お姉ちゃんのだから、あっ、だめーっ」
「あのぉ~ぅ、それで、…どう言う」「お母さんも恋ちゃんも、隣に越して下さい」
「でも」「ママ、そうしましょう。パパには引っ越し先が分る様にするわ」
「ママ、お家ここになるの」「恋ちゃんは、嫌」
「私、こっちがいい、ケーキもあるし暖かいし」「ケーキを毎日はダメだよ」
「お兄ちゃんテレビ点けて良い」恋ちゃんはさすがに食べ飽きたみたいだ。
「あー、モンブラン」「許、又買ってくるよ」「だっ、ダメ、無駄遣いはダメ、うっぅ」
「ほら、こっちのも美味しいよ」
僕はチョコレートのショートケーキを一口分、許の口元へ。
「食べて見て、美味しいよ」ぱく。「ふーーーーん、美味しい。これ置いといてね」
「・・・えーっと、許ちゃん、随分と仲良しさんになったのね。…ママ、お母さんって、呼ばれてるし」
「ふきゅっ」「許、紅茶が零れるよ」「許が良いなら。でも流石に家まで」
「マッ、ママ、お金も心配しないで、私が望の身の周りのお世話をするから」
「ね~、許、それはまるでお嫁さん、見たいじゃない」
「そうです」「違うの、ママ」「ぇー、違うの」
「もぉ~、望は黙って、話しが進まないわ。私が望のお世話をして、ママはお金とか、事務的なお仕事出来るでしょう。それでね。望がママを個人的に、雇ってる事にして、隣の家に使用人を住まわせてる感じにするの。直ぐ隣なら、私が出入りしても、可笑しくないでしょう」
「でも、人を雇うのはお金がかかるのよ、…のぞむ君。…許、名前もちゃんと聞いているのね。ママ、今気付いた」
「そこが問題なの、お金なの、ママ」「そうでしょう。そんな簡単に考えちゃダメ、許」
「違うのママ、そっちじゃないの、逆なの」「良く分からないわ、許」
「もぉっ、昨日も言ってたでしょう。望は株で儲けているの」
「人を雇うには沢山のお金が要るの、あなた達を食べさすには年間200万はいるのよ」
「もおー、ちゃんと聞いて。望は今、15億のお金があって、そのお金を管理するのに困ってるの。はいっ、これ通帳」
お母さんはそれを受け取り、桁を数える。
「3、3、3、1、…10桁、15億、・・・玉の輿」「ママ、まだだから」
「えっ、許、・・・今直ぐに入籍しましょう」「ママ、私、しょう、ご」
「ごっ、御免なさい。でも許は嫌っ、…じゃぁ無いわよね。つやつや」
ばっちん「いったっ、どうして僕なのさ、許」「望のばかぁ」
「名前で呼ぶのね。随分仲良しさんみたいだし」
「そっ、それでね。今は稼いているけど、何時状況が変わるか分らないでしょう。私達みたいに。だから、望が稼いだお金を他の物に替えて行きたいの。そう言うのを手伝って欲しいの」
「望君のご両親は」
「今、お父さんもお母さんも旅行中で、望がお父さんの分も投資しているの。だから同じだけ持っているらしいから、大丈夫よ」
「ふんふん、お父さん、お母さん、…そぉー、何時、ご挨拶しようかしら。許嫁みたいな」
「ママ、もう少し先なの」「あーーー、先ね、でも、許嫁で」
「いい加減にして」「分かったから」「有難う、ママ」
「それはママの言う事よ、玉の輿よねぇ」「はいはい」「もういいかな」「うん、いいわ」
「お母さんはどうですか」「具体的にはどの位」「年間、800万で」「引き受けますっ」
「よかったぁ~」「じゃ直ぐに引っ越し屋さんに」
「あの、隣のお部屋の冷蔵庫とか、好きに使って下さい。たらない物は通帳とキャッシュカード渡すので買って下さい。あっ、そうだ。そこのお金、他の銀行に分散したいんです。昨日、自分のお金を引き出そうとしたら拒否されて、一行に集中していると、凄い危険だなって」
「ママ、捕まる様な事は、ぜぇーったいしないでね」「大丈夫よ、許、ママを信じて」
「その目がダメ、私が預かる。返して」「えええぇぇぇ~~~」
「取り敢えず、昨日の分で暫く大丈夫ですか」「いけます」
「じゃ、残りは事務的な手続きが済み次第、お母さんの口座に振り込んで下さい」
「ママ、絶対よ。余分に振り込んじゃダメよ」「・・・分かってるから、許」
「手を伸ばさないで、ママ」
こうして許達は、僕の隣に住む様になった。
預金は5行に分散され、元の銀行からは12億ほどが引き出された。
あの時の支店長はもういない。
僕の株式は順調だ。明日の変動はもう知っている。
でも、もう全額は賭けない。資金を失わない様に貯めていく。




