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僕は君を必ず助ける、お金から。  作者: パパスリア
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42/55

42話 お金を稼げるだけ稼ぐ 7年前(二つの通帳)

 僕は部屋を出て、居間に向かった。

 と言っても団地だから、6畳の部屋が二つとキッチン、小さなダイニング、おトイレ、洗面、お風呂場、これで全部。

 おっ、二人共いる。コタツでテレビを見てる。いや、これはじゃれてるな。

「ちょっと、パパ、やぁ~めぇ~て」「え~、パパ、なぁ~にもしてないよぉ~」

「足をこちょばしたぁ」「ぇ~」「ちょ、・・・ちょ、にゃははは、やぁ~っ」

「仲いいね、相変わらず」耐えきれずに割って入った。

「いいだろぉ~ぅ」「はいはい」「もぉ~」バッチン。父さんが母さんに叩かれた。

「おっ、入れ」「何食べる、(のぞむ)」「う~~~ん、さっきの見てて、お腹いっぱい」

 バチン。「痛いっ」「余計な事言わないの、何食べる」「パン、つぅーね」

「あー、誰に似たの」「はぁ~い、パパだよぉ~ん」

「手、上げない。あ~、こんな子、お嫁さん来るかしら」

「俺にはこんなに素敵なお嫁さんが来たよ。だから大丈夫さ」「ならいいけど」

 母さんはコタツから出て、パンをトースターに入れ、目玉焼きを作ってくれている。

 僕も立って、自分のマグカップに粉を入れてコーヒーを作る。

 チィ~ン。焼けたパンをお皿に乗せて、マーガリンと一緒に母さんが持って来てくれた。

 マーガリンを塗っている間に卵が焼け、母さんもコタツに戻って来た。

「父さん、株をして、大(もう)けしたいんだ」「「はあーーーっ」」二人がこっちを見る。

「あのね、(のぞむ)。…()け事は(もう)からないの、そう言う風になってるの」

「そうだぞぉ~、ママの言う通りだ。ぁ~しかしパパも考えてはいた」「えっ、そうなの」

「う~ん、泡の崩壊(ほうかい)とか、るぅーまんとか、震災とか、色々あって派遣の給与は下がったまま。税収を上げる為、物価だけは上がり、(のぞむ)の学費や老後の資金を、今から考えないと」

「それで()け事」

「でも母さん、テレビの人は、株はビジネスで()け事じゃないって、言ってるよ」

「嘘よ。ただの自己弁護(べんご)。投資と言うのがそもそも()け事なの。損をする事があるから」

「じゃ、…会社は、おっきな会社が大きな損をしたって」

(のぞむ)、先の見えないもの、結果が分らいものは、広い意味で全部、()け事だ」

「じゃぁ、()け事じゃないものは無いじゃない」

「あるよ、税金は違う。皆から搾取(さくしゅ)するものだからね」

「ふ~ん、でもその話だと、結果を知っていたら、()け事じゃないんだね」

「まぁ、そうなるわね」「なら僕は大丈夫だ。僕は過去に戻れるから、結果を知ってる」

「お前、アインなシュタイン、全否定か。ママ、どのみち何か試さないと、じり貧だ」

「ん~~~、まぁ、パパがそう言うなら、良いけど。そんなに沢山のお金、出せないから。(のぞむ)も、お年玉を貯めた分ぐらいしかないから、後から困っても知らないからね」

「じゃ、やってみるか。ママ10万、税金面倒くさいから別の銀行に新しい口座作って」

「あーもっ。銀行が開いたら、行ってくるは。(のぞむ)も同じ銀行で良い、金額も同じね」

「そんじゃ、新しい通帳が出来次第、口座を開いてやる。あとで泣くなぁ」

「心配しないで、父さんのもやっといてあげる。僕、失敗しないので」

(のぞむ)、怒られるぞ」「誰に」「さぁ~」


 そして年末、父さんと母さんは、二つの通帳を見て、手が震えていた。

(のぞむ)悪戯(いたずら)は止めなさい。…母さん、怒るから、通帳で遊んで」

「そっ、そうだぞぉ~。パパも口座を開いた後、ほったらかしにしたのは悪かった。でも、通帳は大事なものだ。悪戯(いたずら)して良い物じゃない」

 父さんと母さんは、僕が悪戯(いたずら)をしたと思ってる。

 でも違う。僕は本当に時間を1日遡さかのぼって、株の変動を知っている(結果を知ってる)。

 その結果、10万円のお金が、一月(ひとつき)(ごと)に倍以上に増えてゆき、それぞれの通帳に18億。

 税金を支払った後の金額を計算すると、約15億が入っていた。

 ただ、ここに至るまでに取引の会社を、増やしてもらっていた。

「それ本当だよ。僕、失敗しないので。それでね、相談があるんだ」

「何、何でも言って」「出来る事は何でもいいぞ」

「僕、一人暮らしをしたいんだ」「ダメよ、そんなの」「そうだな」

「そのお金、僕が(もう)けたんだよね、そのぐらい聞いてよ」「しかし」

「ちゃんと学校は行く。けど、この取引を続けたいけど、ここガチャガチャしてて、集中出来ないんだ。父さんも母さんも、この結果を見れば、続けた方が良いと思うでしょう。父さん、これだけあれば前々から言ってた、植物工場を起業できるでしょう。母さんも、父さんと豪華客船で、旅行したいって言ってたでしょう。一人暮らしで、集中出来れば、まだ(もう)けられると思うんだ。続けて父さんの口座も僕がするよ。良いでしょう」

「ママ、これだけ(もう)けてくれたんだし、この額、俺が一生働いても無理な額だ」

「でも、ご飯とか、お掃除とか」

「あっ、それ、人を雇うよ。母さん(うし)ろに来て、平気で掃除機掛けそうだから。それじゃ一人になる意味がないでしょう」

「ママ、要らないの」

「今までのご褒美(ほうび)だと思って、父さんと暫くゆっくりして。どのみち家を買って、ここ出てるでしょう」

 父さんと母さんは顔の見合わせて、ニンマリ。正直だな。

「分かった。その口ぶりだと、もうどこか決めてるんだろう。保証人、なるよ」

「パパ、甘いっ」「ママ何処行きたい」「えっ、グレーノバリアリーフ」

 はっやっ、母さん、行く気あるじゃん。

 神楽坂(かぐらさか) (ゆき)を探す、 神楽坂(かぐらさか) (ゆき)を探す。

「あ~、ふらふらする。神楽坂(かぐらさか)(ゆき)を探す、・・・(ゆき)、・・・誰、・・・とにかく、どれだけお金を積んででも、神楽坂(かぐらさか)(ゆき)を探さないと」


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