37話 彩先輩のお願い
僕と一先輩は、一般にはとても信じ難い事を彩先輩に話し説明した。
「ぇぇぇええええっ、じゃ、望君が過去に戻ったら、先の、無かった事になるじゃん」
さすが、天才の傍らにいただけあって、一回で理解した。そして大変ご立腹だ。
「許を助ける為なんです。協力して下さい」
「協力はする。前々から何か出来る事は無いか、色々考えてたし」
「それじゃ」「またお願いを一つだけ聞いて、・・・欲しい」
「素直に協力してはやれんのか」「誰の所為よ」「誰の所為だと言うだ」
「一よ、一っ」「吾輩が何だと言うんだ」
「いぃぃぃっ。望君っ、お願い、今日はここに泊まって、戻るのは、明日にして。ここで写メ撮って、セーブポイントを作って」
「えっ、良いですけど」ぱっしゃ。
「一、さっきの覚えてるわよね。『それは後だ』って言ったよねっ」「んっ、そうだったか」
「もういい訳させないから。今夜は寝かさないよ、子猫ちゃん」
「ばかっ、それは吾輩のセリフだ」「そう、・・・もぉ~~~ぅ」
「さぁー、もういいだろ、話しを先に進めてくれ」「効率良く、お金を稼ぐ、ねっ」
「彩先輩」「ハイリターン、ねぇ~。ギャンブルしかないは」
「ギャンブルですか」「在り来たりだな」
「そうよ。誰かに雇われて、1000万以上を貯めようと思ったら、一生かかるわ。でも望君は、物は持っていけない。情報だけでしょう。だからその場で儲けるしかない」
「なるほどな」「じゃぁ、具体的には何をすればいいんですか」
「望君、今幾つ」「18です、早行きなので。許も早行きです」
「となると株式とか、FXとか。15歳なら企業出来るけど、結局、初期の資金を増やさないと」
「それじゃ、株式か、FXと言う事になりますか」
「それに何をするにも親の同意がいるわ。説得しないと。それと、毎日セーブポイントを作って。ゲームと同じ、失敗したらやり直すの」
「でも僕、株式も、FXも分かりませんよ」「私が教えて、あ、げ、る」
彩先輩は一先輩に伸し掛かる。
「あっ、彩、まだ早いのではないかな」「ぶうぶうぶうぶう。後、どこまで遡るの」
「6月に借金取りが来たって、言ってたから、今年の始めぐらいでどうですか」
「う~んと、1月に口座を開いたとして、2,3,4,5、4か月かぁー。はじめぇ~、電卓、貸して」
ドサッ。「彩、この体勢では、取れんぞ」「彩先輩、後にして下さいよ」
「もぉーっ、分かった。望君、机の上の電卓取って来て」「ちょっと待って下さい」
僕は立ち上がって、ごちゃごちゃと物が置かれた机に向かった。
ガチャガチャ。「一先輩、何処です」
「その辺にある。こら、彩、止めないか」
あった。「ありまし、・・・いいですか、彩先輩、僕まだいますよ」
「うぅぅぅんんん、早く持って来てっ」
どうやったのか、一先輩がベットに追い詰められている。
「今年初めの残高は90ぐらいです」
「倍々でも、支払う税金を考慮すると、ぎりぎりねっ。ねっ、何処まで戻れるの」
「5月より先に行ったことは無いです」
「ねぇ~~~、はじめぇ~」「わっかりましたよ。僕、夕方に改めて来ますよっ」
「瀬楠、待てっ、待ってくれ、置いていくなっ」「にがさいからぁ~」
「夕方ですからね、分かってます、彩先輩。ご飯も買ってきますから、絶対片付けて下さいよ」
「いってらしゃぁ~ぃ」「おいっ、瀬楠っ、待てっ、待たんかぁーっ」
彩先輩の話が進まないので、一旦出る事にした。まったく、一先輩が素直じゃないから。
許、待てて、僕、助けに行くよ。
・・・本当にこれで助けに行けるのかな。




