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僕は君を必ず助ける、お金から。  作者: パパスリア
 
33/55

33話 相思はずあらむ

 (はじめ)先輩と考えた計画は、こんな感じだ。

 まず確認も兼ねて、5月1日まで戻る。事象(じしょう)の変更が最小限になる様にする。

 しかし、事象じしょうが前後する事も考慮して、事件が発生した、いや、発生するであろう日を中心に前後3日、計7日間、(ゆき)と一緒に帰る様にする。

 ()んだ直後に、セーブポイント(写メ)を作成し、失敗したらそこに戻る。

 僕等が事件を回避したことで、他の人に害が及ばぬ様、あいちゃんに追跡してもらって、犯行直後に捕まる様にする。

 (よう)は、(ゆき)を一人で帰らせない。つまり僕は、(ゆき)といちゃいちゃすれば良いのだ。


「ゆ~き~、迎えにきったよぉ~」

(ゆき)ちゃん、お迎えだよ、べったりだね」

 コンビニの駐車場に、大きなワゴンタイプの車が一台。

 黒いスモークを張り、如何(いか)にも犯罪を起こしそうな車だ。

「あいちゃん、あそこの車、乗ってる人の身元特定できる」

「出来ますよぉ、でもぉ、何でぇ、」「中で何話してるかわかる」

「ちょっと待ってですぅ、なぁっ、(ゆき)を襲う相談してるですぅ」

「あいちゃん、タクシーを呼べる」「任せてぇ~」

「それと、あの人達追跡できる」「ぇ~どうして」

「あ~言う人達はしつこいから。どうせ別の所で事件を起こすと思うから。それに(ゆき)の周りも気を付けて、あいちゃんシンクロしてるでしょう。(ゆき)に何かされたら、あいちゃんもされちゃうよ」

「いやぁーーーですぅ、私は(のぞむ)だけでいいですぅ」「はいはい、有難う」

「すっ、すみません」「いいから、上がって。彼氏、そわそわして待ってるよ」

「ごっ、御免なさい」「(むし)ろ助かるよ。帰りに何あって、恨まれたら嫌だからね」

「失礼しまぁ~す」「はい、ご苦労様、明日も頑張ってね」

 事象(じしょう)の変更を最小限にする為、あいつ等には捕まってもらう必要がある。

「ゆ~き~、タクシーに乗ろう」「勿体(もったい)ないわ」「じゃ、ワンメータだけ」「もぉ~」

 僕等はタクシーに乗って、コンビニを後にする。

「あいちゃん」「こっちは諦めて、別を探すようですぅ。乙女の敵ですぅ。逮捕ですぅ」

御免(ごめん)ね、いっぱい言って」「後でご褒美ですぅ。すっごいやつっ」

「ねっ、また、あいのパンツ下げてるの」「…そんな事してないよぉ」

「どうしいて一拍、ねぇ、ねぇ~って」

「ゆ~き~」「ダメ、…運転手さんが見てる」「見てませんよ」「しっかり見てるじゃない」

 バタン、ぶ~~~ん。「勿体(もったい)ない。結局家まで。これじゃ、バイトの意味がないでしょう」

「大丈夫、(ゆき)が渡してくれたお小遣いの範囲。ちゃんとホテ、いひゃい、いひゃい」

「余計な事言わない」「はい、これ、ドーナツ。(れん)ちゃんに取られない様にしてね」

「また、勿体(もったい)ない事してぇ」「じゃ、(れん)ちゃんにわた」ちゅっ。「ありがとう」

 (ゆき)は家に帰った。


(のぞむ)、やっぱり他の女の子を襲ったですぅ」「その子は」

「無事ですぅ。少し怖い思いをさせてしまいましたが、私が警察を誘導しておいたので、現行犯逮捕ですぅ」

「良かった」「何故(なぜ)、知らない女の子の心配をするですかぁ。事前に予期してた感じですぅ」

「ほらぁ~、(ゆき)の身代わりになったみたいで嫌でしょう」

 じ~~~っ。あいちゃんが何か疑っている。「だいたい予想できました」「そうなの」

「対策は万全。私は世界最強。もう、お(こめ)も、お(つゆ)も、お(なか)も、恐れる事はないですぅ」

「それは怖いね」

「そぉーですぅ、私をう~らぁ~ぎぃ~るぅ~とぉ~、衛星高度からのぉ~、ピンポイント攻撃で、焼いちゃますぅ」

 あいちゃんはお股を両手で押さえながら、腰をくねくねさせる。

「はっ、なんて恐ろしい事考えてるんだよおー」

 僕はそこからあいちゃんと、たわい無い話をしながら、歩いて家路(いえじ)を急ぐ。

 明日は、午前中に授業がある。

 でも、僕はこれから数か月後の事を考えると、浮かれてしまう。

 今度こそOKしてくれるはず。(ゆき)はきっと僕の事を好きでいてくれるはず、だと思う。

 もし、・・・もし断られたら。「ねっ、あいちゃん。(ゆき)、…僕の事好きかな」

「知りません」「もし断られたら」「簡単ですぅ、私と添い遂げればいいですっ」

 僕は、夜空に輝く一等星に視線を移した。「こらぁ~、遠い目をするなぁ~~っ」


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