表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は君を必ず助ける、お金から。  作者: パパスリア
 
1/55

1話 人には性別がある

「あーーーつぅーーー」今は七月、やっと休み目前までたどり着いた。

 ()(くす) (のぞむ)、男子、又このクッソ暑い季節がやって来た。

 この時期僕は、(うつ)ろな思考で、繰り返し、繰り返し思うのだ。

 今年は、生き延びる事が出来るだろうか、と。

 しかし僕は、恨み言など言わない。さっきのは事実を述べただけ。

 これが僕の(さが)なら受け入れて、付き合って行くしかないのだ。


 風が吹けばなお暑い、じっとりと湿った熱風が肌の汗をそこに(とど)め、薄い生地の衣服がべったりと張り付く。

 太陽がギラギラ、ギラギラと照り付ければ、少しでも体温を下げる為、服を脱ぐ。

 朝、学校へ向かう途中、シャツが汗で張り付いて、下着が透けるのを気にしながら、職場へ急ぐお姉さん達。

 不用意に、上のボタンを外し、胸元を(さら)け出す同年の女子群。

 きゃっきゃ言いながら、(たわむ)れ行き()う女子中学生は、信号待ちでスカートをぱたぱたさせる。

 その下の女の子達が、校庭で元気いっぱいに遊んでいると、時折(ときおり)見える膨らみかけが、そしてパンツが。

 あーっ、低学年は範囲外、あの子達はただただ天使、()やしてくれる。

 でも、純粋(じゅんすい)無垢(むく)であるが(ゆえ)に、グサッと、何かを突き立てる。


「この先輩のパンツは良いです良いですよ。出来ればもう少し右のほうがぁ~」

 がらがらがらがら。「・・・」・・・じゃーーーーーーーーーー。

 まだ、二限目の休み時間、クラスの女子の(ふと)(もも)を見ていたら、我慢できずに速攻でトイレ、洋式便器の個室へ飛び込んだ。

 そしてスマホを取り出し、今朝、収穫したばかりの、大きく育った上級生のももを、脳内でたっぷりむみゅむみゅしたり、押し広げて見たり。

 だがこの辺りからデータ不足になる。

 しかぁーしっ、大丈夫、僕の脳は、この時空間を遥かに凌駕(りょうが)する。

 あーーー、でも、現実の時間(休憩)は余りにも短い。

 とにかく、大急ぎで服装を整え、手を洗って、教室へ引き返す。


「おい、(のぞむ)、まだ二限が終わったとこだぞ、男の俺でも引くわぁ~」

 こいつは中学時代からの、唯一(ゆいいつ)の悪友だ。

仕方(しかた)無いだろう、生物として当然の反応だよ。僕は無宗教だし、何者にも(とら)われないよ」

「だからってお前、一日に何回やってんだよ。お前今年こそ死ぬぞ、本物を知らずに」

「なっ、なんて不吉な事言うんだよ。じゃぁ、(たかし)は、この情景(じょうけい)を目の前にして、なぁ~にも感じない不能者なの」


 この学校の、女子のスカート丈は短い。

 僕的には大歓迎、ちらちら、ちらちら、見えそうで見えないそわそわ感。

 階段を上がる時、思わず、『隠すくらいなら、そんなのはくなよ』と、心で叫び、女子の視線を気にしながら、『気づかれないかなぁ~』と、思いながら恐る恐る見上げる。

 ちょっとスリリング。しかし、その隠そうとする仕草がいい、萌え。

 (たかし)は、この状況で反応しないのか。


「おまえねぇ~、聞くまでもないだろう」「なら僕と同じだろ」

「いや、違う、全く違う。お、れ、は、制御できる。今日の彩音(あやね)ちゃんも、お家にちゃんと持って帰る。速攻で行動に出さねぇ~」

彩音(あやね)ちゃんに教えてあげよう。毎晩、色々されてるよぉ~て」

「こら待てーっ、(のぞむ)(しめ)るぞ、きゅっと」「よるなっ、近いよっ、(たかし)暴力はいけないよ」

「はぁー、バカなの。(のぞむ)殺すのに、刃物も腕力もいらねぇーよ。今、この場で、さっきトイレで、なに、をしていたか、・・・女子にバラすだけでおまえの人生は、TEH END」

「なっ、なぁ~、僕たち親友じゃないかぁ~、そう言うのは止めようよ。お願いだよ」

「ならおまえも、この件には触れるな、いいな、裏切るなよぉ~」


「あっ、そう言えば、彩音(あやね)ちゃん、他校の彼氏が出来たらしいよ。さっき女子トークが聞こえて来た」

「なんでだよぉー」

(たかし)がチキンなのが原因らしい。彩音(あやね)ちゃんさぁ~、入学の時から待ってたらしいよ」

「じゃ、今から」

「止めなよ今更(いまさら)かき回すの、可哀想だよ。チキンな自分を(うら)もう。そして次こそ射止(いと)めよ」

(なぐさ)めになってねぇ~よ、おまえも道連(みちづ)れだーーー。言いふらしてやるぅ~」

「止めてくれよぉーっ、僕のはやり直しがきかないんだぁーっ」


「おーーーい、そこっ、何(さわ)いでる、もぉーぅ始まってるぞぉー」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ